
□作品オフィシャルサイト 「ラストゲーム 最後の早慶戦」
□監督 神山征二郎
□脚本 古田求
□キャスト 渡辺 大、柄本 佑、和田光司、中村俊太、脇崎智史、片山享、原田佳奈、宮川一朗太、三波豊和、柄本 明、山本 圭、藤田まこと、富司純子、石坂浩二
■鑑賞日 8月31日(日)
■劇場 109CINEMAS川崎
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
好きなことを取上げられる不自由を現代の若者はわからないと思う。 ましてや死と引き換えの戦争に駆り立てられる心境は、その時代に生きたものしかわからない。
しかしながら、戦争というもの目前にし、今できることをしておきたい。 それが野球ならば、たとえ二度とボールやバットが持てないなら、全てを賭けて想い出つくりをしておきたい。
早稲田や慶応の野球部選手を中心に描かれていくこの映画は、若い人たちではなく、若い人たちをサポートする人たちの努力の上に成り立ち、それを演じる脇の役者たちの見事な演技が最後の感動を呼んだのだと思う。
特に早稲田大学野球部顧問・飛田を演じる柄本 明やの順治の父山本圭、順治の母富司純子慶應義塾塾長・小泉を演じる石坂浩二、早稲田大学総長・を演じる藤田まこと、そんな芸達者な人たちの演技は素晴らしかった。
戸田順治役の渡辺大。 周知のとおり渡辺謙の息子であり、妹杏ちゃんについ最近父となったことを告られた。 当初は親父の七光が嫌で違う芸名だったが、堂からどう見ても誰でもわかってしまうその要望(笑) 暫くして本名に。 確かに顔は似ているが、僕は声が親父さんに似てなかなかいいなぁと思った。
柄本 佑はオヤジさんとの共演となったが、持っている雰囲気がオヤジさんとそっくりで、色んな映画や舞台経験を踏んで、オヤジを超えるようなバイプレーヤーに育って欲しいものだ。
最愛なるデキのいい兄を戦争で取られ、今尚野球を続ける順治に当たる父(山本圭)。 こういう局面でその展開を変えてしまうのはいつも腹を痛めた母親だ。 その母親役の富司純子が兄弟の柱の傷にすがって泣くシーンと、早慶戦の試合が終わり、早稲田のワンサイドゲームになっても、両校の校歌でエールを送り合うシーンは涙がとめどなく流れた。 ラグビーにノーサイドという言葉があるが、まさに試合がそう終われば敵味方はない。
早稲田の野球部員が代わる代わるトモ子ちゃん(原田佳奈)に手紙を渡す。 ぐずぐずしていた黒川(柄本 佑)はトモ子ちゃんが憧れている相沢(和田光司)に代わりに手紙を渡してもらうシーンがあったが、試合前に「頑張ってね」とトモ子ちゃんが彼に声をかけたのはあの手紙が黒川からのものだとわかっていたからだろうか(笑)
いい感じだった原田佳奈ちゃん。 その昔は声優(阿澄佳奈)だったとか。 おっと『少林少女』にも出てたのか・・・。 国際星館大学女子ラクロス部の背番号3。 殆ど記憶にないなぁ(笑)
それにしても渡辺 大といい、柄本 佑といい、久しぶりの三波豊和といい、髪の毛が心配な中村俊太といい、結構二世俳優が素直な演技を観せていて心地良かった。
最後になったけど、宮川一朗太クン、映画館ではおひさしぶり~(笑)
早稲田側から描かれていたこの映画、後半部分での列車車内でのシーンで慶応の別当さんと言う名前が・・・。 そうか、別当さんは出陣して無事に帰られたんだなぁ。
とめどなく・・とまでは行きませんでしたが・・。
「生きてホームに還るスポーツ」という言葉が、とってもいいなあと思いました。
>「出口のない海」みたいなつくりだったら、ちょっとなあ、思って臨んだのですが、素直なつくりで、ちょっと泣かされました。
そうでしたね(笑)
>とめどなく・・とまでは行きませんでしたが・・。
「生きてホームに還るスポーツ」という言葉が、とってもいいなあと思いました。
ちょっとオーバーだったかもしれませんが、『ひゃくはち』よりは泣けたと言う事で^^
私は、「野球」を積極的に観るほうではないので
どちらかというと乗り気で観たわけではないんですが、
野球がどうのというよりは、あの時代のどうしようもなさを野球を通して描いている作品だったんですね。
試合に勝つことだけが目的ではなく、
試合自体に意義があることを象徴したラストは
心に残りました。
>私は、「野球」を積極的に観るほうではないので
どちらかというと乗り気で観たわけではないんですが、野球がどうのというよりは、あの時代のどうしようもなさを野球を通して描いている作品だったんですね。
そうですね! 野球だけではなく死と背中合わせの・・・。
>試合に勝つことだけが目的ではなく、試合自体に意義があることを象徴したラストは心に残りました。
あの時代でこそ本当に意義があったのだと僕も思いました。