京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『必死剣鳥刺し』

2010-07-14 | 邦画

 


□作品オフィシャルサイト 「必死剣鳥刺し
□監督 平山秀幸
□脚本 伊藤秀裕、江良至
□原作 藤沢周平(「必死剣鳥刺し」)
□キャスト 豊川悦司、池脇千鶴、吉川晃司、戸田菜穂、村上淳、関めぐみ、小日向文世、岸部一徳

■鑑賞日 7月10日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 
 「必死剣鳥刺し」とは、究極の、さらに究極の剣。 それはたった一度しか使うことの出来ない秘剣・・・。
  
 一連の藤沢周平作品である「隠し剣」シリーズ。
 今回は平山秀幸監督が藤沢作品を撮るということで予告の段階から期待していた作品だ。
 縦割りで不条理の不条理を極めた世界。 この藤沢作品をどのようなテイストで撮るのかが楽しみの一つでもあった。
  
 海坂藩の近習頭取・兼見三佐エ門(豊川悦司)は何故自ら死を覚悟し、右京太夫(村上淳)の愛妾・連子(関めぐみ)を城中で刺し殺す。
 それは誰しもが連子の藩政に口を出すことを良しとせず、それは最終的に一番立場の弱い農民たちの反感を増幅させる。
 仲間内から連子に対する不平を聞いていて、誰も見て見ぬふり。
 そこで寡黙ながら、内々に湧き上がった正義感が一気に、三佐エ門に連子を討たせた。

 しかしながら、本来は極刑は免れない三左エ門なのだが、何故か
 藩主の寛大な処分によって一年の閉門後、再び藩主の傍らに仕えることになる。
 腑に落ちないままに、一度はその職の辞退を上申するも断られ、
 ただ身の回りで甲斐甲斐しく世話をしてくれる亡妻・睦江(戸田菜穂)のめい・里尾(池脇千鶴)と、
 ともに生活を送る中で三左エ門は徐々に前向きに生きていく力を取り戻していく。
 ここのところ、結構また露出してきた池脇千鶴は、大人になってもその幼児体型から、
 このひたむきな里尾役は合っていたかもしれない(笑)

 だが、三左エ門は中老・津田民部(岸部一徳)から三左エ門の腕を知ったうえで、
 その必殺剣「鳥刺し」を「お上のために役立てろ」と命令される。
 その相手は、直心流の達人であり、藩主家と対立しているご別家の帯屋隼人正(吉川晃司)だった・・・。

 見せ場はこの二人の大型(二人とも背が高いので)剣劇。
 「鳥刺し」すら使わずして帯屋隼人正を倒したものの、津田民部の描いた絵図にすっかりハマってしまったが、
 何故、必殺剣と言われ、三左エ門もかつて一回も使ったことが無いその秘密はここにあった。
 それは「鳥刺し」という必殺剣を振う前のある事象があってこその剣だということを。
 (これ、原作ではどのように描写しているのか気になるところだが・・・。)

 平山監督の無駄なところをすっかり排除した、人の心理描写に重きを置いた映像は、
 今までの藤沢作品とは一味違ったものとなっていた。
 ただ、少しだけ盛り上がりにかける部分は一体何だったのだろうか・・・。
 ほろりとさせるところがあまりなかったのは、今までの藤沢作品と差別化させるためだったのだろうか・・・。

 キャスティングで残念だったのは連子役の関めぐみだ。 決して彼女がヘタだというのではないが、
 やはりもっと目力のある凄味のある女優を使うべきではなかったか。 あれでは軽すぎる。
 例えば小池栄子のような(決して胸力ではないが)。

 毎日毎日、主の帰るのをいつまでも赤子と待っている里尾の姿が印象に残るラストシーンだった。

 それにしても、最初からずっと右京太夫(村上淳)の演技を観ていて、
 あの
消臭プラグのCM(今井朋彦)を思い出して、密かに笑っていたのは僕だけでしょうか(笑)


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6 コメント

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TBありがとうございます。 (きぐるまん)
2010-07-17 14:07:36
>ただ、少しだけ盛り上がりにかける部分は一体何だったのだろうか・・・。

もしかするとそれが平山監督の作風なのかもしれません(笑)。
確信はないんですけど…
返信する
作風~ (cyaz)
2010-07-18 22:43:06
きぐるまんさん、コメントありがとうございますm(__)m

>もしかするとそれが平山監督の作風なのかもしれません(笑)。確信はないんですけど…
他の平山作品はちょっと違っていたように感じたのですが(笑)
返信する
原作との違い (KUMA0504)
2010-07-29 08:28:01
原作と違う部分はほとんどないように思えました。ただし時系列は色々動かしていました。映画ではすっきりしていました。あまりにも短篇なので、じっくり丁寧に描いているのと、少し膨らませているのと、というところですね。最後の鳥刺しをするところ、映画では家臣が脈をとって「死んでいます」というのですが、そういうところは原作にはなかった。あの描写によって、この鳥刺しは決して死んだ後最初に近づいたものを刺すわけではなくちゃんと敵を見定めて刺す秘剣だということが分るので映画の方が優れています。
返信する
秘技~ (cyaz)
2010-07-29 08:36:31
KUMA0504さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>原作と違う部分はほとんどないように思えました。ただし時系列は色々動かしていました。なるほど^^

>あまりにも短篇なので、じっくり丁寧に描いているのと、少し膨らませているのと、というところですね。
そうですか、短編だったんですね~
そうすると脚本の力が大だったんでしょうね。

>あの描写によって、この鳥刺しは決して死んだ後最初に近づいたものを刺すわけではなくちゃんと敵を見定めて刺す秘剣だということが分るので映画の方が優れています。
あれは剣の凄さではなく、ある意味脈を止めることのできる秘技だと思ったのですが、無理な解釈だったでしょうか(汗)?
返信する
こんばんは~♪ (kira)
2010-08-18 18:50:42
本当に今年は暑いです~
それでも精力的にお出かけのcyazさんはスゴイです

私は消臭プラグは思い浮かべませんでしたが(笑)
関めぐみちゃんに関しては同感ですね~
まぁ、小池栄子さんだと一突きで仕留められたかちょっと疑問ですけど(笑)

今年は珍しくカキ氷に嵌りました~。
だって、もう氷じゃないとダメ~~って感じだったんですよ~
返信する
かき氷~ (cyaz)
2010-08-18 21:14:08
kiraさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>本当に今年は暑いです~
まったくもって(笑)?!

>それでも精力的にお出かけのcyazさんはスゴイです
じっとしていられない性質なので(笑)

>私は消臭プラグは思い浮かべませんでしたが(笑)関めぐみちゃんに関しては同感ですね~
そうでしたか^^
結構似てたとおもうんですが(笑)

>まぁ、小池栄子さんだと一突きで仕留められたかちょっと疑問ですけど(笑)
確かにねぇ(笑)

>今年は珍しくカキ氷に嵌りました~。
だって、もう氷じゃないとダメ~~って感じだったんですよ~
今年はかき氷、まだ食べてません(笑)
もっか、生七味に嵌まっております^^
返信する

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