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中橋怜子の 言の葉ノート

自然、人、モノ、そして音楽…
かけがえのない、たおやかな風景を
言の葉に込めて

潤年…うるおいどし

2012-07-27 | 言の葉
いよいよ明日はロンドンオリンピックの開会式です。
オリンピックの年ということは、つまり今年は閏年で一年は366日、2月が1日多くて29日までありました。

地球は太陽を一周するのに実は365.2422日かかります。365日では一周しきれていないのです。そのため4年に一度、一年を366日とし帳尻を合わせているわけです。その年を閏年、一日増えた月を閏月、その日つまり2月29日を閏日といいます。

中国では閏月は王様が門の外へは出てはいけなかったことから「閏」この漢字ができたそうですが、この字、日本に入ってきたとき、日本の「潤」という漢字に似ていたことから「閏」に「うるう」という読みを当ててしまったのではないかと言われています。つまり読み間違えたのではないか…ということです。

間違えた?
間違えてないですよね。「閏年」≒「潤年」これけっこう当たりです。
今年は一日多いわけですから潤いの年、ちょっとお得な年です。

これからオリンピックで熱い戦いが繰り広げられますが、私たちもこのオリンピックの年「潤年」に何かに挑戦してみませんか?
やってみたかったことを思い切って始めてみる、行ってみたかったところに思い切って出向いてみる…

こういうのもいかがですか?
ダイエットに挑戦!若返りに挑戦!内から外から自分改造に挑戦!

せっかくの潤いの年なのですから、心潤うこと、何か始めましょ^^






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たおやか

2012-07-24 | 言の葉
先日の京都公演の「たおやかに生きる」というタイトルは、実は私が「おかんへのプレゼント」を出版する時に「この本にサインするときには『たおやかに生きる』と一言書き添えなさい』とある方が私に贈ってくださった言葉なのです。

製本の段階に入る前の最終原稿を読んでくださったその方が、原稿の中に出てくる「おかん」つまり「私」の姿から一番に浮かんだのがこの言葉「たおやかに生きる」だったというのです。

そのとき戴いた言葉は、正確には「嫋かに生きる」と漢字が使われていました。本にサインさせていただく時にはもちろん漢字で書かせていただいています。しかし「嫋に…」と書くたびに「これ、なんと読むんですか?」といつも訊かれるので、公演のタイトルには敢えてひらがなを使わせていただいたというわけです。

「嫋やか」=「ほっそりとして動きがしなやかなさま。態度や性質がしとやかで上品なさま」と辞書などには書かれているのですが、本当にそんな意味で私に贈ってくださった言葉なのでしょうか…。

女へんに弱いと書いて「嫋」、いかにもという字ですが、この字、弱い女を意味しているのでしょうか?
みなさん、女は弱いでしょうか?私はむしろ男より強いのではないかと思っています。神様は、男は女より弱い代わりに女よりも強い力を与えられたという話に超納得の私です!

嫋やかな女性とは、どんなに打ちのめされてもしなってしなって折れそうで折れない、どんな困難にも負けない真の強さを持っている女性ということで、強い女性が弱さを装って日ごろはその強さを押し隠して生きていること、「嫋かに生きる」とはそんな様であると私は解釈しています。

           
           たとえ世界中が あなたの敵だって
           私だけは いつでも味方だわ
           大丈夫 信じて
           あなたが忘れていても 私が忘れはしない
           このいのちを投げだすのに 迷いなんてないわ
           
 
         (「おひさま~大切な人へ」抜粋)

この部分を歌う時、想いが入りすぎて胸がいっぱいになって声が震えて歌えない私です。

              母は強し!

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紅一点

2012-03-26 | 言の葉
間もなく4月になろうかと言うのに今日の奈良は真冬並みの冷え込みです。冷たい霙まじりの雨の中、縮こまって帰ってきました。
寒さに震え上がって縮こまっている庭の草木の中で、玄関の脇の寄せ植えの鉢の中の真っ赤なゼラニウムがひときわ目立っていました。2週間ほど前に既に花の咲いた苗を買ったので通常より早い時期に開花しています。

そのややピンクがかった赤色(ショッキングピンク?)の目を引くこと!紫、黄、白、ピンク、黄緑、緑といった色が溢れる庭の中で、たった1輪のゼラニウムの目立つこと目立つこと!冷たい霙にも動じている様子はまったくありません。堂々と誇らしげに咲いているのです。
そんなゼラニウムを見ていたら「紅一点」という言葉が思い浮かんできました。

  万緑の叢中 紅一点 人を動かすに 春色多くを用いず(王安石)
  
  (一面緑の草原に咲く真っ赤な花一輪、春の景色はそれだけで人を感動させる)

「紅一点」とはこの歌から生まれました。
私たちは「紅一点」というと、男性ばかりの中に一人女性が混じっていることを想像しますが、実はこの言葉はお花に由来する言葉だったのですね。それに元の意味も少しニュアンスが違うようです。

歌の中の「紅一点」のお花は石榴(ザクロ)の花のことだそうですが、何の花であろうと、また花でなくても、人の心を動かすには周りと違うたったひとつの何かがあればいいということですね。

例えばファッション、流行のスタイルを追うばかりに自分らしさを失ってしまっている人、無難だからと黒やこげ茶の服ばかり選んでいる人、今年は思い切って自分流のファッションで輝いてみませんか?

人と違う私…素敵なスカーフ1枚で紅一点になれるかも分かりませんよ。

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居待月(いまちづき)

2011-09-15 | 言の葉
たとえ曇っていてお月さまの姿が見えなくても、毎年十五夜には手作りのお団子とススキ、萩、そしてお神酒をお月さまにお供えし手を合わせるのが私の楽しみのひとつなのですが、今年は新幹線の中からそっと手を合わせて終わり…それを未だに悔やんでいる私です。しかし、ありがたいことに今年はずっと晴れ続き、毎晩美しいお月さまを見上げることができます。
十五夜の翌日は十六夜(いざよい)、一見、十五夜のお月さまとなんら変わりがないように見えますが、よく見ると右下が少し欠けていて満丸ではなくなっています。しかも出てくる時間が前日より40分も遅くなっています。
お月さまの異称を調べると、昔の人がいかにお月さまの出てくるのを心待ちにしていたかががよくわかります。十七日目のお月さまは「立待月」、これぐらいなら立って待っていられるというわけです。さらに翌日十八日目、つまり今日は「居待月」、遅いので座って待ち、明日十九日目のお月さまは寝て待とうというわけで「寝待月」、二十日目は十五夜から数えて5日目、月の出が40分×5日遅くなるので、天上に月が輝くのは夜更け、それで「更待月」というわけです。お月さまを観ることは昔の人の楽しみだったのですね。
今は、夜10時、11時でも街のネオンは煌々と輝き、家にいる人もテレビに夢中だったり、なかなかお月さまも観てもらえなくなってしまいました。
それにしても、これだけ欠けゆくお月さまに素敵な異称があるのに対し、満ちゆくお月さまにはそれがほとんどないのも不思議です。
なんだか、人が10代20代30代を特に意識せず過ごしていくのに対し40代50代60代…と老いゆく日々を惜しみつつ味わい深く生きていくその様子に似ているような気がしませんか?60歳の「還暦」以降、その年齢に異称があるものが多くなってきますね。


Official Site
http://cotonohacobaco.com/

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言の葉

2011-09-06 | 言の葉
言葉の間に「の」を入れて言の葉、なんて優しい響きでしょう。
「言」は言葉のこと、「葉」は一説に草木の葉っぱのこと、そのせいか言の葉という言い方をすると「生きている」という印象が強くなります。
言葉の葉っぱが豊かに茂り出すと、やがて花が咲き実を結ぶ、つまり、人は言の葉を語ったり思ったりすることで夢や希望をかなえて実を結んでいきます。人と人の心を結び、ご縁を結びます。言の葉は「人をつくる」といっても過言ではないかもわかりません。
素晴らしい言の葉を持つ国に生まれた私たち、私たちの言の葉をもっともっと大切に守り育てていきたいものです。

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花舞小枝

2010-04-04 | 言の葉
 花舞小枝(はなまいこえだ)とは春風に揺れる花を支える小枝のような黄色みがかったしなやかな茶色のことだそうで、四月の誕生色です。昭和56年に新潟県の十日町織物工業協同組合が日本の伝統色をもとに選定した誕生色です。
 こんなにお洒落な名前を聞くと、他の月の誕生色もとっても気になりますね。
1月…想紅(おもいくれない)、2月…恋待蕾(こいまちつぼみ)、3月…夢宵桜(ゆめよいざくら)、5月…初恋薊(はつこいあざみ)、6月…憧葛(あこがれかずら)、7月…咲染小藤(さきそめこふじ)、8月…夢見昼顔(ゆめみひるがお)、9月…恋路十六夜(こいじいざよい)、10月…想紫苑(おもわれしおん)、11月…恋染紅葉(こいそめもみじ)、12月…勿忘菫(わすれなすみれ)
 いかがですか?自分の誕生色ぐらいはどんな色なのか、ちょっと頑張って調べてみてください。
 今日の奈良は久しぶりの晴天、風もなく絶好のお花見日和となりました。ついつい華やかなお花ばかりに目が行ってしまいますが、お花を支えている枝を一度じっくり見てみてください。うっすら桃色がかって見えませんか?新しい芽が萌えるころは、枝もうっすら黄緑色になり、お花が咲くころはほんのり明るくなるような気がします。
 開花直前の桜の木は、木全体がうっすら赤みをおびてくるように見えます。これから見事に花開かんとする大きな力を内に秘めたあの瞬間の桜の木が、私は一番好きです。
 

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わたぬき

2010-04-01 | 言の葉
 昔は、四月一日にそれまで着ていた綿入れの衣服から綿を抜いたそうです。それで四月一日のことを「四月朔日」と書いて「わたぬき」と言うようになったようです。その意味から「衣替え」という意味にも使われるようになりました。
 「朔」という字は「はじめ」という意味があり、四月朔日とは四月のはじめ、つまり一日のことです。
 昨日までの真冬のような寒さとは打って変わって、今日は温かな一日でした。寒さに震えていた桜の蕾も、今日一日で一気に開いたような気がします。
 ほとんどの企業では今日が入社式、大学も入学式というところが多かったようです。人間も、植物も、動物も、いよいよ活動開始です。
 あるところで、年の初めならぬ、年度の初めの福袋が売り出されたとのこと。現代人にとっては、確かに「一月一日」より「四月一日」の方が新しい年のスタートといった感じが強いかも分かりません。「四月一日」の方が「迎春」にふさわしいような気がしないでもありません。
 さて私も「わたぬき」して、身も心も軽やかにスタートです! 
 

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