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中橋怜子の 言の葉ノート

自然、人、モノ、そして音楽…
かけがえのない、たおやかな風景を
言の葉に込めて

たんぽ

2014-12-20 | モノ

「たんぽ」は室町時代に中国から日本に伝わってきた。
「たんぽ」じゃ分かりにくかろうと日本人は考えた。
そうだ、湯を入れて使うのだから…と「湯」を付けてみた。
「湯たんぽ」…よし、これでよく分かるじゃないか!

「たんぽ」を漢字で書くと「湯婆」、すなわち「ゆたんぽ」を感じで書くと「湯湯婆」と言うことになる。
いかにもやけどしそうである^^;

「婆」という漢字は本来 妻や母のことで、「湯婆」は妻や母親のようにあたたかいものを抱いて寝る、ということらしい。

体が寒い時、冷たい時には抱き寄せ、体が温まってどうでもよくなったら放っぽり出してどこへやら…確かに妻や母親の在り方に似ている。「湯婆」とは上手く名付けたものだ。

部屋の高い所にある冷暖房機よりも、ガスファンヒーターよりも、石油ファンヒーターよりも、どんな暖房機器よりも昔ながらの反射式石油ストーブが好きな私、お湯ばかり沸いて沸いて…

そんな私は「湯たんぽ」派。


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風呂敷

2013-02-24 | モノ
今日は○○の日、というのには意外と語呂合わせが多いようです。
10月10日は「お好み焼きの日」、理由は焼くときのジュージューという音。焼肉の日でもよかった感じですが、やきにく…こちらはそんなに苦労しなくても別の語呂合わせがありそうですね。

昨日、2月23日は「風呂敷の日」。ふろしき、264…??いえ、こちらは「包み」、223というわけです。考えましたね。

最近、風呂敷が見直されているようです。
風呂敷は大小、形状にとらわれることなく変幻自在に包むことができる上に、使わないときは畳んで小さくすることができ、おまけに軽いという優れもの。今は便利なエコバックがたくさん出回っていますが、包むもの、使う場所などによっては風呂敷の方が断然品格があって素敵。

ところでレジ袋1枚には16~18mlの原油が使われているってご存知ですか?現在日本では年間約300億枚のレジ袋が使われているそうで、それを原油に換算すると約60万リットル。
レジ袋1枚が製造過程と焼却過程に排出する二酸化炭素は約60g、つまりレジ袋1枚使わないだけで60gの二酸化炭素の排出を抑制できるのです。
エコバッグ、風呂敷を持ち歩くことが地球温暖化防止につながっているということ、再認識したいですね。

さて、風呂敷の話に戻りますが、風呂敷はちょっと寒い時はひざ掛けやマフラーに、また日差しのきつい時には首や肩に巻いて日よけにすることもできます。
私は、風呂敷の代わりにスカーフを持ち歩こともよくあります。あまり使わなくなった古いスカーフ、柄がイマイチ好みではないスカーフとかをいつも鞄に忍ばせておくと、風呂敷代わりに、防寒、日よけにと非常に重宝です。

鞄の中にエコバッグと風呂敷、習慣にしてみてください。



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一閑張り

2012-08-20 | モノ
一昨日、我が家に一閑張りの買い物籠が届きました。
いかにも誰かからプレゼントされたような言い回しですが、自分で購入したものです。イオンターネットで見つけました。

丁寧断捨離を進めるうちに、私には愛するエコバッグがないことに気づいたのです。出先で急遽購入したエコバッグ、何かの景品でもらったエコバッグ、便利には使わせてもらっているものの、愛してる?と自分に問いかけると、「・・・・」

そこで一生大切に使おう!と思えるようなエコバッグを探そうと思ってネットショップに入ったわけですが、どうもピンとくるものが見つかりません。ぐるぐるあちこち探し回っているうちについに運命の恋人にご対面!それが一閑張りの買い物籠です。

一閑張りは緑茶入れや衣類入れなど、昔から日本人の日常生活の中で広く愛用されてきたものですが、今では癒し系の和風インテリヤや雑貨などとして人気があるようです。

竹籠に和紙を貼り、乾燥させてからその上に柿渋を塗ったものを一閑張りと言いますが、色々な製法があり、更にその上から漆やベンガラを施す方法などもあるようです。少々濡れても平気、相当な重量にも耐え、とにかくこれが紙?と思うぐらい頑丈なものです。

一閑張りという名前の由来には諸説あり、一般的には農家の農閑期、つまり農作業のない閑なときに作られることが多かったたためにこの名前がついたと言われています。また、大変丈夫なために一貫目の重さにも耐えられるということから一貫張りという漢字で表現している地方もあるようです。

柿渋の自然な焦げ茶色に塗られた和紙の表面には網代(あじろ)状に編まれた竹の骨組みがうっすらと浮かび上がり、じっと見ていると、真心込めて丁寧に作り上げられた作り手さんの顔や手が目に浮かぶようで、大切に使わせていただこう!自然とそんな気持ちがこみ上げてきます。

買い物の中身が丸見えではちょっと恥ずかしいので、片方の持ち手の根元に紐で結びつけるような形の覆いを縫いました。布は小豆色がベースとなっているペイズリー柄のものを選びました。洋服姿でこれを提げていても全然平気、むしろお洒落だなあなんて自分で感じています。

縦30センチ、横20センチ、高さ20センチのこの籠、一見小さそうに見えますがスーパーの買い物カゴ軽く一杯分ぐらいは収まってしまいます。お刺身やお寿司はパックの中で偏ることもなく、玉子も安全に持って帰ることができます。

昔の人の知恵、私たちはもっと大切に守っていかなければ…そう感じることが多い今日このごろです。



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浴衣

2012-07-26 | モノ
昨日25日は大阪の天神祭の本宮でした。
3年前、京都・大阪が生活圏でありながら、お恥ずかしながら私は生まれて初めて天神祭に足を運び入れました。
天神祭デビューにして贅沢にも船渡卸の船団の中の一つに乗せていただき、優雅に大川を船で行き交いながら夜空に打ち上げられる奉納の花火を見物させていただいたのであります。

この贅沢な夜のお遊びに参加すること、別に隠すつもりはなかったのですが、つい言いそびれてしまい、家族には内緒でおでかけ。
悪いことはできないもの、天神祭から生中継という某テレビ局のニュースで、よりによって一番に私がドーンとアップで写ったとか…。
100万人もの人の中で神様に選ばれてしまった私…これはもう「ついていない」いや「ついている」としか言い様がありません。

先日、東京から帰ってきて京都駅に降り立つと、夜の9時を過ぎているというのに駅は人で溢れかえっているのです。中には浴衣姿の女性がいっぱい…その光景を見てその日が祇園祭の宵宮であることに気がつきました。

それにしても浴衣姿の女性が多いことに驚いてしまいました。それもよく見ると、浴衣にキラキラブローチ、レースの襟、キラキラサンダル、目を疑うような奇抜な柄、浴衣事情も随分変わったものです。
確かに、日本の若い女性に再び浴衣ブームがやってくるのは喜ばしいことかもわからないですが、これでは日本の伝統美が…と帰りの電車の中で複雑な心境で彼女たちの姿を眺めていました。

そもそも浴衣とは、その字の通り入浴の時にまとう着物のことでした。
入浴の時に?そうなんです。江戸時代以前は、お風呂というと湯につかる今のようなお風呂ではなく蒸し風呂だったのです。麻の湯帷子(ゆかたびら)を着てその蒸し風呂に入ったそうです。帷子とは単(ひとえ)の着物のことです。
それが、江戸時代になって湯船につかるようになり、木綿が庶民の間に広まると、入浴後に木綿の浴衣でくつろくようになったというわけです。
いずれにしても、人前できるようなものではなかった浴衣が、今や堂々と人前で着られるようになり、しかもキラキラピカピカ、若者のファッションの一端をになっているわけですから、ファッションの変遷というものはこの先も全く想像がつきませんね。
ネグリジェファッションで歩き回る日もやってくるかもです…。




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