新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

阿弥陀如来坐像  平等院・奈良 平安時代

2012-07-12 06:12:11 | 旧仏像ワンダフル
よく考えれば、考えなくても
雲中供養菩薩は本尊のこの阿弥陀如来さんを
お迎えして祝福していたわけですね。

仏頂面などと言いますが、
仏像の神秘性のひとつに、観るアングルによって
表情が変わることがありますね。

見上げた時、光があたった時、
アップにした時、全身像で見た時、
その仏頂面の中から感情のようなものが
見え隠れしてきたりして。

唯一、稀代の仏師定朝の作だと言えるこの仏像。
言われてみれば雲中供養菩薩はいろんな
作風が混じっていて、弟子たちが頑張って
作ったものも多そうです。

さて、やや下から見上げるような視点で
正面から光をあてたこの像の
慈愛に満ちた眼差しがとても素敵です。

平安貴族もなにか、現代の日本の
閉塞感に似たような空気を
感じていたのかもしれないですね。