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No621 ムペンバ効果

2008年08月08日 | おもしろ新最新情報
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氷を作るとき、普通は、水とお湯では水のほうが早く凍ると思うことでしょう。しかし!約20℃以上の水ならば、なんと温度が高いほど早く凍るのです。
とNHKがためしたガッテンで言ったものだから大槻教授が噛み付いたようです。
ただ、大槻教授は、このムペンバ効果のこと自体を知らなかったようで、
「私は、わが国唯一の物理科学雑誌『パリティ』の編集長を務めて23年になります。この間、ただの一度もこんな効果が話題に取り上げられたことがありません。
確かに海外の科学関連の啓蒙誌にヘンな現象として記載されていたことは知っている編集委員もいたかも知れませんが、完全無視の態度でした。」といっています。
私でも知っている話なのに。
さて、NHKのためしてガッテンでは「また、ある研究論文によると、70グラムの水で実験したところ、20℃の場合は凍り始めるまでに100分かかるのに対し、100℃の場合は30分で凍り始めたとされています(凍りきるまでには、もう少し時間がかかります)。」といっています。
ああ、この条件では結氷も早いといっているんですね。
で、結氷が早いということばを捕らえて、大槻先生はこんな実験をしました。
製氷皿(プラスチック製)、それぞれ6区画のもの2個
70℃のお湯、17℃の水。
それぞれ2個の製氷皿にお湯と水の印をつけ、お湯・水をそれぞれの区画に満杯に入れた。
冷蔵庫(冷凍室)に製氷皿を入れた途端、お湯の方から激しい水蒸気が上がる。
52分後、水の製氷皿の6区画のうち、5区画が結氷。お湯の方は全ての区画で未結氷。
66分後、お湯の方も全て結氷。水の方の残った1区画も結氷。
結論、『70℃のお湯は、17℃の水よりも遅く結氷した。』
えっと、結氷までの時間が早い遅いを言っていたのでしたっけ?
ムペンバ効果は、全部が氷になる時間のことを言っていたのだと思います
東京都水道局のページにこんな実験結果が載っています。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/tokyo-sui/kids/kids_jikken17.html
プラスチックコップを二重にしたものを2組用意します。用意したコップに、20℃の水と60℃のお湯をそれぞれ100ccずつ入れます。そして、-15℃~-30℃程度の冷凍庫に、割り箸2本を少し離して平行に並べ、その上にコップを置きます。もし、冷凍庫に入る適当な長さの温度計があれば、それぞれのコップに入れてみて、コップの底の方の温度を計測してみてください。
冷凍庫に入れて、コップ底の方の温度が約8℃になると、両方とも水面が凍り始めました。20℃の水の方は、水面が全部凍り、底の温度は2℃でした。これに対して、60℃のお湯の方は、水面の周りの方が凍り、真ん中が液体で、底の温度は 0℃でした。その後、60℃のお湯の方が先に全部凍りましたが、20℃の水の方はコップの上の方は凍りましたが、コップの底の方まで凍るのに時間がかかりました。
NHKが、例として、凍り始めるまでの時間の事を言い出したので、大槻教授にそこをつかれて、すべてが嘘だといわれたわけです。
NHKさん、ちゃんと言わないと揚げ足を取られるだけですよ。
なお、科学雑誌「ニュー・サイエンティスト」はこの現象を確認したい場合、効果が最大化されるよう摂氏35度と摂氏5度の水で実験を行うことを推奨しているそうです。
大槻教授も自分の実験条件だけで結論を言うのは科学者らしからぬ態度ではないでしょうか。