ひとりごと

Oh my God!!

読書感想文 ~若者はなぜ3年で辞めるのか? 城繁幸~  ★★★★★

2010年12月14日 | 感想文
少し前に話題になった本?
安かったから買って読んでみた。

基本的には年功序列という制度の負の側面について書かれている。
この本自体は少し前に書かれた本であるけれども、
書いてあること自体は今もなお変わっていない印象を受ける。

まず成果主義と年功序列の違いについて。

成果主義はそのまま。
成果を給料として貰う。
成果を”今”の給料として貰うのだ。

一方の年功序列。
こちらでは成果は"将来"の出世の早さという形で反映され、
最終的にどこまでのポストが与えられるかという形で払われる。
そしてポストによって収入と裁量権が決まる仕組みである。
(とはいえそのポストもほぼ年齢で決まるため差は少ない)

つまり、年功序列では成果への報酬は"今"与えられるのではなく、"将来"のポストで支払われる。

これがポイントだろう。
成果への報酬を”今”受け取る成果主義と”将来”受け取る年功序列。

以前はこの年功序列システムは上手く機能していた。
若いときはポストも低いからやりたいことも出来ない。更には薄給。
それでも、頑張れば将来返ってくる。
そんな見通しがあった。

しかし今は?
というとこのシステムが破綻しつつある。
年功序列システムを維持する前提として企業の成長が必要だからだ。
企業の成長がなかなか見込めない現在では成り立たないシステムなのだ。

つまり僕らのような世代は若い時分に辛い思いをして頑張ったとしても、
その報酬は"将来"返って来ない可能性が高いということだ。

むしろその傾向は既に現れる始めている。
年功序列システムでは報酬を将来のポストという形で支払う。
しかし、成長が見込めない企業ではポストも増えない。
したがって今はその与えるポストに空きがなくなってしまっている。
だから、無駄な名前だけのポストが作られている。
破綻しつつあることの一つの現れである。

基本的にはここまでが本の内容。
あとはどうするかは自分で決めなさいというスタンスだ。

結局自分の道は自分で切り開くしかないよってこと。

さて、自分の会社はいったいどちらの制度だろうか?
というと、間違いなく年功序列だろう。
とはいえ、給料は決して低くないし、与えられた範囲内ではあるけどやりたいことも出来る。
だから基本的には恵まれているし、辛い思いをしているとも思わない。
しかしだ。
上の人をみて、「ああなりたいか?」と聞かれて、
「なりたい」と言えないのも事実だ。
つまり自分の目指したい場所は今の会社にいる限り到達出来ない。

どいうことか?

本来であれば、社長と同じくらいの価値を生み出せる技術者がいれば、
同等の給料を払うべきなんだろう。
しかし、それは、年功序列の会社にいる以上あり得ない。
報酬=ポストであり、その最高のポストが社長なのだから。

だから、結局今の会社にいる以上、報酬が欲しいなら上のポストに上がるしかなく、
上のポストに上がるということはプレイヤーからマネージャーになるということだ。
僕はマネージャーになりたいのか?
それは否なのだ。
上の人を見て思うのだ。

だから本来なら今の会社を飛び出るべきなのかもしれない。
自分の目指した姿がないのだから。

しかし、同じ日系企業に転職するなら状況は同じだろう。
目指したい姿はない。
それは今の会社のシステムが不満なのだから、
同じシステムで成り立っている企業でも感じることは同じだろう。

となると、やはり重要となってくるのは
「これをやりたい」とか「こうなりたい」というより明確なビジョンだろう。
あるいは主体性と言うべきものか。
残るにしろ出るにしろだ。

結局また同じ結論に至ってしまう。
本当にやりたいことはなんなのだ?

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