ひとりごと

Oh my God!!

バカの壁 養老孟司 ★★★

2011年12月25日 | 感想文
「個性」など持って生まれたものに過ぎない。
そんなものよりも”人の気持ちを分かるようになる”ことの方が大切だ。

非常に印象に残っている。

最も「個性」的なのはいったい誰か。
それは精神病院の患者である。
彼らに勝る「個性」的な人間はいない。
世間の言うように本当に「個性」が大切ならば
彼らはもっと世の中で重宝されていいはずだ。

しかし、実際は違う。
精神病院に閉じ込められている。

結局、最も大切なのは「個性」ではなく「共通性」。
共通の言語、共通の意識、共通の常識...
そういう共通のバックグラウンドがあるからこそコミュニケーションがとれる。
相手の気持ちが分かる。

とはいえ、必ずしも相手が同じバックグラウンドを持っている訳ではない。
というより人によって多かれ少なかれ異なる。
だから、誤解も生まれるし、伝わらないことも多い。

帯に書かれている”「話せばわかる」なんて大うそ!”
というのは、そういうことだ。

自分の持つ「共通のバックグラウンド=常識」が全て正しいと思わないことだ。

「常識」は人によって異なる。
だからこそ、少しでも同じ「常識」を持てるよう、
他人の気持ちを分かろうとする努力が大切なのだ。
そう感じた一冊。

バカの壁 (新潮新書)

中古価格¥1から(2011/12/26 00:07時点)



物理屋になりたかったんだよ 小柴昌俊 ★★★

2011年12月16日 | 感想文
ノーベル物理学賞をとった小柴さんの本である。
人柄がよく分かる本だ。
一見温厚そうに見える小柴さんの実の性格がなんとなく伝わってくる。
実は厳しく怖い人なのかもしれない、とか。笑。

また、ノーベル賞を取れたのは多くの人の協力なしでは取れなかったものであると同時に、
多くの人の協力を集める事のできる小柴さんの人間力を感じた。

小柴さんの用意するテーマは"当たれば凄い"というテーマだけではない。
"これならできる"という確実なテーマも用意する。
"当たれば凄い"とういテーマだけでは、当たらなかった際に、様々のものが無駄になる。
時間であったりお金であったり。
むしろ"当たれば凄い"のだから無駄になる確率の方が高い。
それならばバックアップ的に安全なテーマも並行させるのが良い。

カミオカンデの"当たれば凄い"が"陽子崩壊の検出"ならば、
"これならできる"は"ニュートリノの検出"だ。

"これならできる"というテーマの方でノーベル賞を取ったということ。
幸運を掴むためには、幸運が降り注いできた時に逃さぬ様、しっかり準備をしておく必要がある。
バックアップ的なテーマを並行さるというのも準備の一つと言えよう。
事実、"当たれば大きい"テーマである"陽子崩壊の検出"は未だ出来ていない。

物理屋になりたかったんだよ―ノーベル物理学賞への軌跡 (朝日選書)

中古価格¥121から(2011/12/19 00:23時点)



マネー力 大前研一  ★★★

2011年12月14日 | 感想文
日本人はマネー力(資産運用力)がない。
漠然と銀行に預けてそれで終わり。
それでいいのか?
と筆者は言う。

当然、筆者の意見はNo。

日本経済は近い将来行き詰まる。
政府が対策を取れればよいが(政府は何をすべきか提言もしている)、それには期待出来ない。
ならば、自分の資産は自分で守るしかない。
マネー力を鍛えるのだ。

マネー力を鍛えるために必要なのが、ホームレスマネーの流れを読むこと。
ホームレスマネーとは、行き場を求めて世界を彷徨っている余剰資金。
そのホームレスマネーの行方を知るうえで注目すべきなのが、
中国、インド、ロシア、バルカン半島、トルコ、そしてEUだ。
(ただし、これは2009年当時であって、ギリシャ危機の前の意見)

また、円を通貨の一つに過ぎないことを理解すること。
日本の将来が分からない以上、円の将来も分からないからだ。


この本は、今の日本の現状を知り、資産運用の必要性を理解するための本だろう。
"マネー力がないとこんなに損をする。それでもいいのか?"と。

マネー力 (PHPビジネス新書)

中古価格¥1から(2011/12/14 01:14時点)