アトリエ ここるぴあ

和紙作家 佐治直子のブログです。キンカチョウのことりたちと、工房『アトリエここるぴあ』での出来事を綴ります。

琳派 本物を観るということ

2015年11月19日 | 展覧会を観る
昨日、京都国立博物館に行ってきました。『琳派 京を彩る』


最近、本当にいろいろあって、周りの方々にもご心配をおかけして、
私もいろいろ考えて、まだぐるぐるしている状態ではありますが、それは
また追い追い。

昨日も雨だし、そんなことしている場合でもないし…とか躊躇しましたが
思い切って出発 久しぶりの名神高速道路。一人で運転して行くのは
何年振りかな。途中、新幹線と高速道路のクロスする狙撃ポイントや、
昔、チベタンテリアのクースケくんをフライングドッグにしようと出場した
フリスビー大会の会場・竜王のドームを横目になつかしく思いながら
(しかし、クースケは結局、50m走しか出場できませんでした

まあ、京都ってこんなに遠かったっけ?と感じるほど、行きも帰りも渋滞で
3時間以上かかり、約1時間の博物館滞在のため長時間の運転で、食事もとらず
へとへとになって帰ってきました

いつものように内容についての感想などは上手く書けないので省略。

一応、証拠に。




もっとゆっくり京都を堪能できればいいんだけど、私の一人トリップはいつも
こんな感じですね。どこに行っても

しかし、ああいう展示に行くといつも感じることがあります。
日本人ってあんなに本物を観ることが好きな人たちだっけ?って。たくさんの
人であふれていて、みなさんじっくりじっくり鑑賞されている。なぜ、私が
疑問に思うかと言うと、私の作品の展示の際によく尋ねられるのが
「牛乳パックで紙を漉くにはどうしたらいいですか?」ということ。

私は牛乳パックで紙を作ったこと、実はありません。だからよくわかりませんが…
と説明するしかないのですが、内心「牛乳パックでするなら、ちゃんと楮などを
使って日本の和紙というものを漉いてみたらいいのに」と思っているのです。
いつも使っている洋紙とも比較してみると興味深い体験になると思います。

だいたいが、幼稚園や小学校の先生や、小さいお子さんのいるお母さんからの
ご質問で、紙がどう作られているか、とか、自分の身近なものでリサイクルできる
ことを教えたいということのなのですが、リサイクルならもっと見せるべき
ゴミ事情がありそうだし、紙の作り方ならどうせなら実際に楮を叩いて繊維を作る
ことろから体験させたらいいのではなないかと常々思っています。

ここでいう「本物」という意味での和紙がどういうものかは、置いといて。

何も牛乳パックを分解して、ミキサーにかけてってしなくても、とりあえず
洗って分解してリサイクルBOXに入れたらいいんじゃないのかな。
和紙を漉くと、紙のでき方だけでなく自然の恵みや日本人のものづくりの
知恵が見えてくる。牛乳パックでやることにも意味があって、それでできた紙が
本物でないとは言うわけではないけど、本物を観るためにあんなにたくさんの
人が集まるのなら、本来の紙つくりを体験するのも意味があると思うのです。

うまく言えないけど、なんとなくでも伝わりますか?

だけど、楮やトロロアオイなんで材料が手に入らないし、漉き方なんてわからない
とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。また後日書きますが、そういう材料を
新たに栽培し始めた方々にもお会いして、これから良いものを作っていきたいと
勉強されている方々とのご縁もできました。探せばあるんです。でもちょっと
始めるに今は大変なのもわかります。

で、やりたいけど、どうしたらいいかわからないとおっしゃる方、それは私の
仕事として、材料を持って私が行きます これが何かのきっかけになれば。

※ 卓上カレンダー2016は完売しました。ありがとうございました!
コメント
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