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聖教新聞(2015/12/20) 名字の言

2015年12月26日 22時01分14秒 | コラム・ルポ

聖教新聞(2015/12/20) 名字の言

 1890年9月、オスマン・トルコ帝国の使節を乗せたエルトゥールル号が帰国の途中、台風に遭い、和歌山県沖で沈没した。紀伊大島の島民は、夜通しで救助にあたり、69人の命を救った▼この「エルトゥールル号遭難事件」から125年の今、トルコと日本合作の歴史映画「海難1890」が上映されている。不眠不休で、決死の救出劇を続ける島民の姿が感動的だ▼民族、宗教、イデオロギーのために憎み合い、ときに殺し合うのも人間なら、わが身の危険も顧みず、他者の命を救おうとするのも人間だ。「日本人だから」こういう行動ができたのではない。苦しんでいる人を救いたいという「心」に国境はない▼この救出劇はトルコの親日感情をつくった要因の一つといわれる。民衆の真心の行動が、125年の時を経て、二つの国の友情を支えている――これは一つの希望だろう。国と国の関係の土台には、人間と人間の関係があることを、利害が渦巻き、分断の影が覆う現代に教えているように思えてならない▼トルコのことわざに「友情の真偽は暗い日にわかる」(『遊牧民族の知恵』大島直政著、講談社)とある。友情の真価が発揮されるのは、順風の時よりも苦難の時。「誠実」こそ“外交”の最大の武器である。(稀)


人生最大の苦境の今、心に響くコラムだなぁ。 

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