2022年7月19日
手記 核禁条約にどう協力するか
浜田昌良・公明党核廃絶推進委員長
初めて核兵器の全面禁止を定めた核兵器禁止条約(TPNW=核禁条約)の第1回締約国会議(1MSP)が6月21日から23日までオーストリアのウィーンで開催された。公明党は開催前日に行われた第4回「核の非人道性会議」とICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)主催の「世界国会議員会合」に浜田昌良・党核廃絶推進委員長を派遣。核廃絶への明確な姿勢を示した。1MSPも傍聴した浜田氏に手記を寄稿してもらった。
核禁条約・締約国会議に関し、わが国のオブザーバー参加の必要性と核廃絶への今後の課題について、私の見解を報告します。
■締約国会議にオブザーバー参加し被爆国の経験生かせ
■注目を集めたドイツの発言
日本はオブザーバー参加を見送りましたが、ロシアの核の威嚇を背景として、ドイツ、オランダ、ノルウェー、ベルギ―といった北大西洋条約機構(NATO)諸国や、加盟手続き中のスウェーデン、フィンランド、さらには5月に政権交代があったオーストラリアなどの米国の同盟国が、直前になってオブザーバー参加を決定しました。
日本と同様、米国の核抑止力に安全保障を依存するドイツは、2日目の会合で自国の立場を明確にする次のような演説をしました。
「間違いなく、1MSPは核軍縮にとって主要な出来事であり、核禁条約を軌道に乗せるとともに、(8月の)核不拡散条約(NPT)の運用検討会議の足掛かりとなる。わが国を含む数カ国は、核禁条約とNPTの摩擦を危惧していたが、1MSPがNPTへ支持を明確にしていることを高く評価する。一方、核兵器が存在する限り、NATO加盟に反する核禁条約にドイツは加入することはできない。核禁条約の非加盟国である限り、その条項には拘束されない。ドイツは、建設的な対話と実際的な協力の機会を探ることにコミットする」
他の米国同盟国も同様な発言をしました。これらを聴いた日本からの出席者の声は「同様な発言なら日本政府もできたし、してほしかった」というものでした。
核禁条約の署名国にはならない意思を明確にしつつもオブザーバー参加をした国々に対し、議長のオーストリア・クメント大使は、「核兵器の人道的影響、リスクに関する深い議論に建設的な形で関与する意思だ」と述べ、その姿勢を高く評価しました。
■核兵器の被害者支援や環境修復を進めたい
カザフスタン代表団のサルジャノフ氏(左端)と会談する(右から)朝長氏と浜田氏=本人提供
日本政府は「核禁条約は核保有国が参加しないから意味がない。核保有国も参加するNPTの場で日本は貢献する」と核禁条約締約国会議へのオブザーバー参加を拒み続けています。
しかし、日本の被爆地の大学やNGOの皆さんが、その知識と経験から積極的に貢献したいと考えている核兵器の「被害者支援」や「環境修復」の活動は、NPTにはない核禁条約ならではの内容です。こうした分野で核禁条約に貢献するのであれば、核保有国の参加がなくても推進できます。
「被害者支援」「環境修復」に関しては、来年11月の第2回締約国会議(2MSP)までに会期間作業グループ(WG)が設置され、セミパラチンスクの元核実験場の問題を抱えるカザフスタン等が中心となって議論が進められることが決定されました。
これらの分野での貢献を志す日本のNGOの皆さんの気持ちを大切にしたい。その思いから、私は日本政府不在の下で、カザフスタン代表団のサルジャノフ国際安全保障局長との非公式会談を持ち【写真】、会期間WGに日本の専門家が参加する用意があることを伝えるとともに、今後、地理的均衡も考慮して選出される、科学諮問グループへの朝長万左男・長崎大学名誉教授の推薦をお願いしました。
1MSPから90日以内の科学諮問グループへの推薦は、締約国でない日本にはできません。被害者支援・環境修復の分野で長年の協力関係のあるカザフスタンに日本の専門家の推薦を依頼することに対し、議長のクメント大使からは「良いアイデア」とのコメントがあった一方、中満泉・国連次長は「まずはオブザーバー参加の決断がなければ、他の締約国からの理解が得られるかどうか」という見通しが示されました。この分野でわが国に蓄積された見識を生かしていくためにも、次期締約国会議への日本のオブザーバー参加の早期表明が望まれます。
■加盟国の理解得られる具体的対応を
メキシコのカンプサーノ・ピニャ氏(左)と意見交換した浜田氏=本人提供
日本政府は、8月のNPT運用検討会議への岸田文雄首相の出席、今年中の広島での国際賢人会議開催、来年の主要国首脳会議(G7サミット)の広島開催など、「核兵器のない世界」をめざして一連の行事を進めていくとしています。しかし、次期締約国会議への流れの中でこれらを位置付けていかなければ、少なくとも核禁条約の加盟国の理解は得られません。
1MSPで副議長を務め、来年の2MSPの議長国となるメキシコのカンプサーノ・ピニャ在ウィーン常駐代表【写真】の「次期会議での日本の貢献を期待したい」との言葉にどう応えるか。核保有国と非保有国の橋渡し役を務める意思と能力がありながら、今回は全く機能しなかった現地の日本大使館の支援体制のあり方を含め、政府に具体的対応を求めていきます。
コラム「北斗七星」
大人ですらショッキングな映像に心身が疲弊し、ストレスが溜まるのに、子どもなんか尚さらだよねぇ。😑
2022年6月25日
野党 ここがおかしい!
7月10日(日)投票の参院選に向け、各党が政策や実績をアピールしていますが、「おかしい!」と言わざるを得ない野党の主張や言動が少なくありません。具体例をまとめました。
「消費税引き下げ」掲げるが今の物価高には役立たず
立憲民主や共産、国民民主、日本維新の会などの野党が物価高騰対策として「消費税率の引き下げ」を訴えていますが、法改正などで実施に時間がかかり、今、直面する物価高への対応として役に立ちません。それに、近く税率が下がるとなれば、買い控えによる消費低迷も招きます。
消費税率を5%から10%に引き上げた増収分は、基礎年金の国庫負担や幼児教育・保育の無償化といった社会保障に活用されています。にもかかわらず野党は、引き下げで生じる十数兆円の減収分について、現実的な代替財源を示しません。
識者は「一度下げた税率を戻すことができるのか。その間、消費税収を充てている年金の国庫負担分などはどうするのか」(16日付「読売」で菊池馨実・早稲田大学法学学術院教授)などと厳しく指摘しています。
立憲は財源に「国債を発行する」と強弁します。しかし、借金で将来にツケを回さぬよう、消費税率を10%に引き上げる社会保障と税の一体改革を進めたのは民主党政権。それを担った議員らで結成された立憲が、逆に引き下げを掲げるとは本末転倒で、無責任です。
参院選、国会で共闘継続、“立憲共産党ぶり”は健在
立憲は昨年の衆院選で異質な革命政党・共産と政権合意まで結んで共闘し敗北したことを受け「『立憲共産党』という烙印の払拭に躍起」(24日付「産経」)になっていますが、今回の参院選でも1人区を中心に共闘するなど“立憲共産党ぶり”は健在です。
先の通常国会でも「立民と共産党が歩調を合わせ、維新と国民民主が独自の行動をとる構図が多かった」(10日付「日経」)のが実態で、立憲が提出した内閣と衆院議長への不信任決議案に賛成した会派は、共産のみ。“立憲・共産”の、つながりの深さが際立ちました。
共産が「今の日本の政治を変えるには、共闘しかない」と参院選でも立憲と共闘するのは、社会主義・共産主義革命への歩みを進めるため、党綱領に書かれた「統一戦線」のパートナーとして、立憲に狙いを定めているからでしょう。
日米同盟強化した安保法制“廃止”主張する立憲・共産
日本の安全保障環境が厳しさを増し、日米同盟の重要性が改めて認識されています。同盟の機能を強化する平和安全法制を“戦争法”とののしり、今も廃止をもくろむのが立憲・共産です。
ロシアのウクライナ侵略を受け、立憲は表向き、同法制廃止を大々的に叫ばなくなりましたが、参院選の政策では同法制の「違憲部分を廃止」と明記。しかも、泉健太代表は、違憲部分がどこなのかを問われても、正面から答えられず、具体的に示せないという、お粗末ぶりです。
共産は米国を敵視し、日米安全保障条約の廃棄や平和安全法制の廃止に固執。現実的な安全保障政策は示さず、急迫不正の事態には、「自衛隊は憲法違反」だが、「活用する」という身勝手な“ご都合主義”を振り回し、あきれられています。
一方、維新などが主張する、米国の核兵器を日米で共同運営する「核シェアリング」(核共有)については、「攻撃されるリスクが高まるだけだ」(21日付「毎日」で鈴木達治郎・長崎大学教授)などと識者が厳しく指摘。岸田文雄首相も非核三原則を堅持する立場から「認めることは難しい」と明確に否定しています。
共産、暴力的破壊活動の歴史、「反戦平和100年」とは大ウソ
共産は「100年にわたって反戦平和を貫いてきた」と吹聴していますが、真っ赤なウソです。
旧ソ連を誕生させたロシア革命をモデルに世界革命をめざす組織として結成された共産主義インターナショナル(コミンテルン)の日本支部として100年前に発足した共産は、戦前、コミンテルンの号令に基づき、日本で内乱、クーデターを起こそうとしました。
戦後も1951年から52年にかけて、ソ連などの指示に基づき、警官殺しなど暴力的破壊活動を展開。現在も破壊活動防止法に基づく調査対象団体に指定されています。
ソ連の核実験に対して「断固支持する」「正しい」などと全面擁護し、ソ連の核は“きれいな核”だと言わんばかりに正当化したことも。「非核三原則」の国会決議(71年)をボイコットし、事実上、反対したことは歴史的事実です。
何か怖くなってきた…((( ;゚Д゚)))
コラム「北斗七星」
“絵に描いた餅”と分かった上なのだろうから、たちが悪い。「消費税は時限的に5%に減税」。立憲民主党の参院選公約のことだ◆泉健太代表は「急速な円安や物価高」による「買い控え」などの対策として税率引き下げを訴える。しかし、実施には法改正などに時間がかかり、“急速な”変化には対応できない。税率引き下げの前には“買い控え”に拍車が掛かろう。泉代表は弊害を百も承知のようで、「確かに痛し痒しの部分はある」と漏らす◆自民、公明両党の協力を得て、消費税率5%→10%の道筋を付けたのは民主党政権であり、それを担った議員らで結成したのが立憲だ。「少子高齢社会に対応するための社会保障財源として消費税率を引き上げる」と国会で述べたのは泉氏自身だ◆逆に、税率を引き下げて、基礎年金の国庫負担など社会保障財源をどう確保するのか。責任ある答えは聞こえてこない◆立憲幹部は「時限的消費税減税法案」を今月10日に共産党などと共同提出したことを、しきりに強調している。支持団体の連合でさえ「賛成する内容ではない」(前会長)というのに。“万年野党”の共産に引っ張られて、政権を担った矜持や国民生活への責任感を忘れてしまったのではないか。(丈)
テレビのニュースだと、野党って与党の悪口しか言っていない印象があるねぇ。
テレビ局側がそういう編集をしているのかもしれないけど…。😅
わが家は賞味期限とか消費期限をあまり気にしない(っていうのもどうかと思うけど😅)で食べるけど、もう少し『買う』という行為に注意を払いたいと気づかされる記事だねぇ。😅
コラム「北斗七星」
「トイレットペーパーをきのう買ってきたばかりなのに、またきょうも買ってきた」「バスに乗ったら、自分がどこで降りるのか、分からなくなってしまった」――いずれも認知症でよく見られる症例だ。いつか自分もそうなるかもしれないと思うと不安に襲われる◆しかし認知症の人が何を考え、どうして行動をするのか。その仕組みが分かれば状況が変わるかもしれない◆昨年、出版された『認知症世界の歩き方』(筧裕介著)はそんな視点からのアプローチで話題になった。約100人の認知症のある人にインタビューを重ね、本人たちの体験から、世界がどのように見え、何に困っているのかをまとめたもの◆トイレットペーパーを何度も買ってきてしまう人は、棚にそれがたくさん詰まっていても、扉を閉めて見えなくなると、「記憶から存在が消えてしまう」と話している。そうした理由が分かれば、置き場を工夫するなど、家族の対応も変わってくるだろう◆認知症になっても、急に何もできなくなるわけではない。周囲の理解が進むことで、生活の質が向上し、家族の悩みも軽減することが多い。高齢化が進む中で、認知症に寄り添う社会づくりをさらに進めていきたい。(千)
ここのところ物を落とすことが増えてきて、何だか老化が身近になってきている。
認知症かぁ…。
もうすでに始まっているのかも。😗