竹村真一『宇宙樹』
樹は立ち上がった水だ、という表現がある。
夜、実体としての木々が姿を消した真っ暗な樹林で、もし樹々の内部を流れる水だけが蛍光を発して浮き出てきたとしたら、ぼーっと立ち上がった、ゆるやかに踊る水柱の群れが、さぞ美しいだろう。
私たちの身体もその70%が水であり、〝歩く水袋〟のようなものだが、樹木の場合はことさらに水が地面から大きく伸び上がり、手を一杯にひろげて自らを成就するような垂直性の歓びを表現しているように感じられる。
樹は立ち上がった水だ、という表現がある。
夜、実体としての木々が姿を消した真っ暗な樹林で、もし樹々の内部を流れる水だけが蛍光を発して浮き出てきたとしたら、ぼーっと立ち上がった、ゆるやかに踊る水柱の群れが、さぞ美しいだろう。
私たちの身体もその70%が水であり、〝歩く水袋〟のようなものだが、樹木の場合はことさらに水が地面から大きく伸び上がり、手を一杯にひろげて自らを成就するような垂直性の歓びを表現しているように感じられる。
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