chuo1976

心のたねを言の葉として

CⅩⅩⅩⅦ「ホテル・モンタレー」1972を見る聴く、  『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ  2024/8/5

2024-08-05 05:57:34 | 映画

CⅩⅩⅩⅦ「ホテル・モンタレー」1972を見る聴く、  『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ  2024/8/5

 

  始まりは、レセプションの様子、だが、鏡に映し出された世界、ロビーから覗かれる、枠の中に見える姿、こうして、受付から始まって、エレベーターの入り口に、二台並ぶ姿、開いて閉じて、客が乗り、下り、次にはカメラは、エレベーターの中から、上下するエレベーター、止まり、その階の廊下の様子、屯す人々、若くない人々、老人ホームのような、世界、始まりでも、老婆たちが、乗り込んでいった、ビジネスマン風の人、外国人、アジア人、エレベーターの中から見える、廊下の様子、覗き乗り込む人、見送る人、そして、部屋の中、誰もいない部屋、ベッド、灯り、シンプルだが、小奇麗に、いくつかの部屋の中、ベッドの位置が変わっている、ベッドの人、ソファの人、寝ている人、やはり、老人たち、音楽も、言葉もないのだから、静けさの中に、確かに、老夫婦の様子は見られなかった、未亡人たちか、男性でも、妻に先立たれたか、廊下、階段、ショット、だが、この固定ショットの中、陰影が撮られて、光と、影と、闇と、何所からか外光が入っていないか、ならば、時間の中、時の移ろいの中、光の動きは、必ず、あるのだ、切り取られた時空の中の動き、こんなショットたちの中、廊下の扉の蠢きが、しっかり閉じていなかったがゆえに、光の反射の動きも、ガラス張りの扉、扉の隙間から、奥の人物の姿、瞬間に閉じられて、人物は見えなくなって、だから、こうしたショットたちの中、必ず、何か、動きが有るのでは、光の、ライトの、エレベーターの押釦の、上下の表示の、階数表示の、なにも動きのない様に見えて、何か動きが、その後に続くショット、廊下を前移動、後退移動のショットが、まさに、カメラが動いている、これによって、時空もまた、光と影の動きが、そして、窓の外、階に依って、見える風景が変わる、人物が居なくても、光と影、風によって、扉が、動く、閉じる、揺らめく、ホテルは、こうした、動きの中に、消防の末端試験弁、ホース、干されている、消火に遣われたか、そして、窓の外、外のビル、壁、屋上、屋上の汚れ、柵、鳥対策の、突き出した鉄骨たち、パンして、ホテルの巡りを見つめる、下の通りには車の蠢き、静かなホテルなのだろうが、人の動きばかりか、多様な、時空間の揺らぎ、決して同じ場は、間は無い、屋上でビル群の高架水槽の列を捕え、パンアップ、曇り空の白の世界に、この白から、パンダウンすると、なんと、先ほどの、高架水槽の列とは違う、高架水槽が、白画面で、違う屋上の位置に角度にカメラは移って、パンダウンした、編集も、繋ぎも、舞い飛ぶ、ビルの位置によって、風景が、変わる、古いビル群だが、渋い落ち着いた壁たち、汚れてもいるのだが、時代を感じさせるビル群、ホテルも同様に、こんなビル群の中に、佇んでいるのだろう、人々と、ビルと、光と影の同居、動きの同居、こうした時空間を捕えることが映画なのだ、ここにあるショットたちは、行きかう人々の視線なのだ、部屋、壁、ベッド、廊下、窓、窓の外の景色、ビルたち、空、通り、町、水辺、出会い、すれ違い、歩き、部屋に戻り、座り、寝て、この陰影に何を見る、過去、未来、孤独、切望、希望、死、私、私たち、エレベーターに戻って、点滅する表示灯、開いて、閉じて、近代という、町の豊かさ、貧しさ、そして、悲しみ、これは、プルーストではないか、ホイルを介しての、主人公の監督の私の視点、視線、ロビーで、エレベーターホールで、見て、見られて、他の客たちとの関わり、廊下、光、影、歩いて、見つめて、時空、陰影、窓辺、外の風景、通り、車、この視線の中に、思考する、思い、過去、未来、今、現在、現実、音のない世界、己の内なる世界、と、現実との、関係、交わり、見つめる人々の視線、見つめる私の視線、だが、この私とは、エレベータの行き来、ランプの点滅、廊下、階段、蛍光灯の明かり、天窓からの光、部屋の中、ベッド、窓、椅子、ソファ、座っている、寝ている、閉まったドア、空いているドア、僅かに開いて、蠢いているドア、反映している、光、揺らめき、消火栓ホース、出口、誘導灯、屋上、外、他のビルの風景、空、カメラの動き、私の視線の動き、繋ぎ、町、路地、通り、水辺、近代、そして、またどこか、廃屋のような壁たち、冷却塔の冷却された白く舞う蒸気、白い煙の舞い、全ては、私の、監督の、幻、いや、これこそが、私なのだ、

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf