薔薇の香や向ひは西脇順三郎
中村真一郎
鮎焼くや空気の軽き村にゐて 橋場千舟
ソ連宣戦はたと止みたる蝉時雨
徳川夢声
この先を考へてゐる豆のつる 吉川英治
ゆるやかな水に目高の眼のひかり 山口誓子
蛍火や女の道をふみはづし 鈴木真砂女
死なうかと囁かれしは蛍の夜
鈴木真砂女
蛍を入れたる籠の軽さかな
伊藤卓也
薄目して見ゆるものあり昼蛙 伊藤卓也
夏帯にほのかな浮気心かな 吉屋信子
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