人声が人の形に夏の霧
上田貴美子
露草や口笛ほどの風が吹き
栗山政子
十薬のつぼみのやうな昔あり 遠藤由樹子
梅漬けて母より淡き塩加減 美濃部治子
瓜ぶらり根性問はることもなし 山中正己
すりこ木で叩いて胡瓜一夜漬 長谷川櫂
まむしぐさ蛇口をすこし開けてをり 新妻 博
どくだみや真昼の闇に白十字
川端茅舎
青草の朝まだきなる日向かな 中村草田男
木いちごの落ちさうに熟れ下校どき 大屋達治
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