クロムの備忘録的ダイアリー

定年後の日々の楽しみや関心事、具体的には写真、カメラ、観る将あるいは投資の話題などを綴っていきます。

葵祭・斎王代列~その5

2024年05月30日 21時16分58秒 | 旅行
内侍、女別当の後には蔵人所陪従と斎王代の牛車が続きます。


蔵人所陪従(くろうどどころべいしゅう)
 西院の蔵人所(会計、経理部署)の雅楽を奏する文官。楽器を運んでいます。
楽器は一鼓(いっこ)、笛、篳篥(ひちりき)、笙、太鼓、鉦鼓(しょうこ)。

蔵人所陪従の先頭の人、一鼓を持っています。




蔵人所陪従、大きな太鼓を運んでいます。


蔵人所陪従の最後尾、美麗な鉦鼓(しょうこ)を運んでいます。

斎王代列の最後尾は飾り立てられた牛車が続きます。

牛車の全景


牛車の中央部


牛車の直後を交代用の牛が続きます。


前方から見た牛車列。先導は赤い衣装の牛童。

葵祭・斎王代列~その4

2024年05月29日 16時03分03秒 | 旅行
今回は斎王代の腰輿(およよ)に続く人達、騎女、采女、内侍、女別当の紹介です。


騎女(むなのりおんな)
斎王代の腰輿に続く騎乗の女性。斎王付きの清浄な巫女(みかんこ)。
6名います。着物での騎乗姿、なかなか格好いいです。
同志社大学馬術部の学生が務めるとのNET記事を見ましたが、そうとはかぎらないようです。

御所内にて

河原町通にて


加茂街道にて


采女(うねめ)
平安時代、朝廷に仕え、天皇や皇后の食事や身の回りの世話をした下級の女官。
多くは地方豪族の娘でした。
装束が他と異なっており日陰の糸をまとうなど斎王代と共通する部分もあるようです。




内侍と女別当。萌黄色の傘が内侍、紫は女別当です。

内侍(ないし)
女嬬の上役。命婦より高官で萌黄色の花傘を差し掛けられています。


女別当(じょべっとう、おんなべっとう)
内侍以下の監督係。斎王代の次に高位の女官。紫の花傘を差し掛けられています。



余談ですが、斎王代、女別当、内侍は高貴な役なので、京都でもそれなりの家柄の女性が務めるようです。

葵祭・斎王代列~その3

2024年05月28日 09時22分40秒 | 旅行
今回は葵祭の主役の斎王代についてです。


斎王代は輿丁役(よちょうやく) に担がれた(実際には車輪が付いている)腰輿(およよ)という輿に乗っています。
腰輿は四方が開放され御簾が取り付けてあるので四方輿とも呼ばれます。乗り心地はあまり良くないそうです。
腰輿の前後には可愛らしい童女(わらわめ)が従っています。


加茂街道をゆく斎王代


斎王代の装束は俗に十二単衣という五衣唐衣裳(いつつぎぬ・からぎぬ・も)で宮中における女性の正装。
十二単は表着の下に十二枚もの袿(うちき)を襲ねたことからそう呼ばれたが、平安時代後期より五枚となり五衣と呼ばれました。それでも重量30kgもあるそうです。
斎王代の紅梅色の装束は唐衣(からぎぬ)と呼ばれ、襟元が折り返されています。
その下に見える装束が表着(うわぎ)です。


斎王代の頭に取り付けられた白い髪飾りは日蔭の糸です。
もともとは植物のヒカゲノカズラを髪に飾っていましたが、後年撚り紐で模したものになりました。


斎王代が手に持っているのは檜扇(ひおうぎ)。
両端に糸花と呼ばれる造花の飾りが付けられ、6色の飾り紐が付いている。


腰輿から外に出ている装束の裾は出衣(いだしぎぬ)と言い、当時の女性は牛車から裾を出して装束の重ねの色目の美しさをアピールしたそう。


斎王代の前後には可愛らしい童女(わらわめ)が付き従います。こちらは先導役の童女。


こちらは腰輿の後に続く童女たち。


斎王代の乗った腰輿を担ぐのはオレンジ色の布衣(ほい)を着た輿丁役(よちょうやく)の8名。
ここ数年は京都産業大学の学生が努めているそうです。
また輿と行っても台車がついているので実際に道中を担ぐことはありません。
しかし御所、下鴨神社、上賀茂神社では斎王代を担いで乗せたり降ろしたりするそうです。

葵祭・斎王代列~その2

2024年05月27日 09時38分09秒 | 旅行
今回は斎王代列で行列の先頭から斎王代の輿の前までを紹介します。


先導の肝入(きもいり)と警護役の火長(かちょう)
斎王代列の先導は近衛使代列同様に狩衣姿の肝入のようです。
その後ろに弓矢を持った検非違使庁の火長が続きます。


命婦(みょうぶ)
高位の女官、または高官の妻女。小袿(こうちぎ)、単、打袴を着用します。
身分が高いのでお付きの白丁から花笠を差し掛けられています。


女嬬(にょじゅ)
食事を司る女官。最も人数が多いです。こちらも小袿(こうちぎ)、単、打袴を着用します。
素人目には命婦との着物の豪華さの違いはよくわかりませんでした。
一番格下の女嬬ですが着物の重量は10kgもあるそうです。


命婦と女嬬。白丁が花傘を差し掛けているのが命婦です。

女嬬

女嬬。すぐ後ろに続くのは舎人?更に後ろには斎王代の腰輿が見えます

命婦

命婦と女嬬の衣装の違いは遠目にはわからないのですが、拡大すると命婦の方が刺繍などでの立体感があり、重ね着の枚数も多いようです。


命婦の襟元


女嬬の襟元

命婦の袖口



女嬬の袖口