クロムの備忘録的ダイアリー

定年後の日々の楽しみや関心事、具体的には写真、カメラ、観る将あるいは投資の話題などを綴っていきます。

葵祭~その4

2024年05月25日 20時44分13秒 | 旅行
近衛使代列の残りの紹介をまとめてしたいと思います。
前回の最後に御幣物を司る内蔵寮史生(くらりょうのししょう)まで記述しました。


馬寮使(めりょうつかい)
神社で行う走馬の担当者で左馬允。六位の武官です。



御馬。走馬ともいい神前で走らせ、神々にご覧にいれる馬です。2頭います。
馬を引いている4人は内蔵寮の馬飼。


牛車。俗に御所車と言われ、平安朝以来用いられました。
牛車の先頭で曳縄を持つのは牛童(うしわらわ)。


牛車に藤や紅梅、白梅、杜若などの造花で美しく飾ることを風流と呼びます。


交代用の牛。


和琴(わごん)
六弦の琴で御物、河霧。神前での奏楽に用いられます。


舞人(まいうど)
歌舞に練達し、東遊(あずまあそび)を舞う五位の武官。6人います。
東遊とは神事用の歌舞で、東国の民間舞踊が平安時代から宮中や神社で行われるようになったもの。


舞人の沓部。


馬がした粗相を掃除する係もいました。


近衛使代(このえつかいだい)
行列中の最高位の人物。四位の近衛中将が務めるが祭りには代理が参加する。



近衛使代の馬は馬具や飾りも豪華。


近衛使代の替え馬。


風流傘(ふりゅうがさ)。祭りを豪華にするための飾り傘。



陪従(べいじゅう)
近衛府五位の雅楽を奏する武官。琴、笏拍子、付歌、笛、篳篥(ひちりき)、琴持ち二人の7人。

葵祭~その3

2024年05月25日 17時18分39秒 | 旅行
検非違使尉(けびいしのじょう)に続く人々です。


山城使(やましろのつかい)
山城国司の次官、五位の文官。
下鴨神社と上賀茂神社は洛外にあり、山城の国司の管轄区域になるため督護の任につきます。


山城使の従者達。山城使の様々な所要品を携えていきます。虎の皮の敷物が目立ちました。

山城使の従者

中央の童は検非違使の笏を持っています。


御幣櫃の守護に当たる衛士(えじ)?。


御幣櫃(ごへいびつ)とその台を運ぶ白丁(はくちょう)。
天皇陛下から下鴨、上賀茂両社への献上物を納める櫃。


内蔵寮史生(くらりょうのししょう)
御幣物を司る七位の文官。

葵祭~その2

2024年05月25日 16時15分41秒 | 旅行
葵祭の行列は総勢500名超、馬36頭、牛4頭、牛車2基、輿1台と大掛かりです。
参加者の人数、役割も数多く、事細かに書くのは難しいので目にとまった人物や物品について書くことにしました。
まず行列は近衛使代列と斎王代列に大別されます。
近衛使(このえつかい)とは行列中の最高位の人で、四位近衛中将が務めるので近衛使と呼ばれます。
近衛使は天皇の勅使です。葵祭は本来、勅使が下鴨、上賀茂両神社で天皇の祭文を読み上げお供えを届けるのが目的なので、祭りの本当の主役ともいえます。
祭りでは近衛使の代理の人が参加するので近衛使代となります。

平安時代は内親王から選ばれた人が祭りに奉仕し、これを斎王と称しました。
現在は未婚の女性から選ばれ、斎王代として祭りに参加します。輿に乗った祭りの主役ですね。
それでは行列先頭の肝煎、乗尻に続く主な役割の人物を見ていきましょう。


検非違使志(けびいしのさかん)、六位。
検非違使とは警察、裁判を司る職で行列の警護に当たります。
舎人(とねり)の引く馬に騎乗し、看督長(かどのおさ)、火長(かちょう)、如木(にょぼく)、白丁(はくちょう)など下役を率いています。


検非違使志とその下役の面々


検非違使志の下役、火長。弓矢を持っています。


検非違使尉(けびいしのじょう)
検非違使志の上役で五位。行列警護の最高責任者。

検非違使尉の下役。

調度掛(ちょうどかけ)。
検非違使尉の下役で弓を持つ役です。隣の童の役は不明です。
ちなみに調度掛の着ている着物の色は青丹(あおに)色。
和歌で奈良の都にかかる枕詞の青丹よし、の青丹色のことだそうです。