きらり!(^^)!

子どもたちの限りない可能性を求めて!

考えたいゲームの弊害

2020-03-23 21:50:40 | 社会
ゲーム1日60分 依存防止へなお議論を

2020年3月23日・東京新聞社説より

 「子どものゲームは一日六十分まで」と保護者に求める全国初の条例が、香川県で四月から施行される。依存症が導入の背景だが、賛否は割れた。時間制限で問題は解決できるか、議論が必要だ。

 条例は十八歳未満が対象。世界保健機関(WHO)がゲーム依存症を国際疾病に認定したことに触れ「過剰なゲームは学力・体力の低下や睡眠・視力障害を呼ぶ」と対策の必要性を強調。「薬物依存と同様に抜け出すのが困難」とも述べる。

 その上で「ゲームは一日六十分(学校が休みの日は九十分)まで、スマートフォンの使用は中学生以下が午後九時、それ以外は同十時まで」を目安にしたルールを家庭で決め、順守を保護者に義務付けた。罰則はない。

 厚生労働省の二〇一七年度の調査では、ネット依存が疑われる日本の中高生は九十三万人と推計され、一二年度の前回調査の二倍近くに増えた。このネット依存者には、ゲーム依存者が数多く含まれているとみられる。

 県議会で条例が可決される前に行われたパブリックコメント(パブコメ=意見公募制度)には賛否両論が寄せられた。

 賛成意見は「依存症を減らすきっかけになる」「規制に苦労している親として心強い」-など。対して「ゲームに費やす時間の長さが学力・体力低下を招く根拠が不十分」「低下の原因全てをゲームにしてしまうと、他の問題解決ができない恐れがある」-との反対意見があった。「スマホを見ている時間が長い大人は手本になり得るか」との指摘もある。

 愛知県刈谷市では、学校や警察などによる市児童生徒愛護会が、午後九時以降に小中学校の児童生徒にスマホを使わせないルールを運用中だ。導入から六年たつが、同会委員長の加藤祐介さん(雁が音中校長)は「最近の調査でルールの達成率は五割。親との対話も増え、依存症防止に役立っていると思う」と話す。

「桃太郎電鉄」や「信長の野望」で地名や戦国武将の名を覚えた人は多いだろう。ゲームを競技として捉える「eスポーツ」が盛んにもなってきた。とはいえ今のゲームはクリアに要する時間が長いものが多く、「六十分以内」では欲求不満がたまるかもしれない。

 条例は「施行後三年間は毎年、その後は二年ごとにネット・ゲーム依存の実態を調査する」と定め、付則で必要に応じた改定も示唆している。実態に沿うように育てていってもらいたい。