きらり!(^^)!

子どもたちの限りない可能性を求めて!

なるほど 確かに 

2020-03-01 20:52:25 | 教育
<学校と新聞>総合的な読解力 1日30分、本や新聞読み育む

 国際学習到達度調査(PISA)の「読解力」で、日本は十五位に続落したとの記事が昨年十二月に掲載され、大きな反響を呼びました。その理由として、コンピューター操作の不慣れや長文を読まない習慣などが挙げられていました。しかし、私は、日本で主に国語で育まれてきた読解力と、PISAの求める読解力とに、大きな違いがあるからだと考えます。

 国語の教材の文章は「文学的文章」と「説明的(論理的)文章」だと、先生方は知っています。小学校の国語で言えば、物語文と説明文です。しかし、どちらかと言えば、先生方は文学的文章の指導に多くの時間を割いて、説明的文章を軽く扱っています。結果として、論理的な文章の読み取りが課題となることは想像に難くありません。

 しかし、他にも指導すべき教材の文章があります。「実用的な文章」です。例えば、報道や広報などの文章や、会議や裁判などの記録や報告書などの文章、法律の条文や宣伝の文章などです。学習指導要領に、これも記載されていますが、さらに扱いが軽いのが現状です。

 実は、まだあるのです。それは、写真や図・表、グラフ、地図などの「資料」の読み取りです。国語では資料を総合的に読み解く読解力も求められているのです。もちろん、これも学習指導要領に記されているのですが。

 国立情報学研究所の新井紀子教授は、日本の子供たちの読解力が危機的な状況であると警鐘を鳴らしています。その根拠となった調査の問題文は、ほとんど「実用的な文章」と「資料」で構成されていますから、結果は言わずもがなです。

 そこで一日三十分間、子供に「本や新聞」を読ませましょう。あえて「新聞」と書いたのは、紙面に並ぶさまざまな実用的な文章や資料に日常的に触れておくことが重要だからです。それが今求められている読解力を育てることになるのです。もちろん、大人の脳のトレーニングにも効果的なはずです。「一日三十分」は、三百六十五日で182・5時間。なんと小学校高学年、中学校一・二年の国語の総授業時間をはるかに超えるのです。

 「継続は力なり」。一日十五分でも新聞を読めば、結果はおのずと現れます。
 (日本新聞協会NIEコーディネーター 関口修司)