遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

肥松香盆

2021年09月28日 | 漆器・木製品

先回は、肥松の煎茶盆を紹介しました。

今回は、肥松の香盆です。

26.4cm x 16.7㎝、高 1.7㎝。明治時代。

先回の肥松煎茶盆より、少し小振りです。また、縁も浅いので、香盆としました。もちろん、煎茶盆として使うことも可能です。

先回の盆は松の柾目を使っていました。

一方、今回の品は、松の輪切りをそのまま使っています。

上品な柾目に対して、ワイルドな輪切り。

脂分が非常に多く、色も濃い茶色です。

一番の見どころは、太い幹から出た小枝の部分。

 

幹の中心から伸びています。まだ、赤ちゃんの段階の枝も見えます。

ひび割れも、中心から出ていますね(^^;

この盆を作るにあたって、やはりこの枝を意識したのでしょう、外側に少し出っ張らして枝を強調しています。なかなか芸が細かい(^.^)

 

そこで、この盆に合う品を探しました。

8.7㎝ x 4.9㎝、高 5.2㎝。江戸時代。

京焼だと思います。鶴香合は多くありますが、この品は風雅な落ち着きがあります。

渋い肥松香盆の上で、場所を得たかのようです。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 肥松煎茶盆 | トップ | 肥松は透けるトン »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tkgmzt2902)
2021-09-28 19:41:45
黒文字が乗っているのかと思いました。ワイルド!!!その意匠に心惹かれます。
返信する
tkgmzt2902さんへ (遅生)
2021-09-29 06:36:12
なるほど、そうですね。
手でつまもうとする人もあるかも。
でも、少し太いですね。
黒もじも、ワイルド!?(^.^)
返信する
遅生さんへ (Dr.K)
2021-09-29 08:47:05
私は、お香を知らないのですが、香盆というものがあるんですね。
そして、香合をそれに載せるわけですね。

確かに、この香盆の「一番の見どころは、太い幹から出た小枝の部分」ですね(^_^)
綺麗な柾目の利用に対して、その対極にある面を利用するという発想ですね(^-^*)
返信する
Dr.kさんへ (遅生)
2021-09-29 09:58:44
実際に使うかどうかは別にして、こういう小さい盆を香盆とよんでいます。ま、便利な呼称だと思います。
香合は、お茶席にたいておく香を入れるため、茶道でも使われます。小さくかわいいので、集めている人もいます。
香道の方は、今はめちゃめちゃマイナーです。で、例によってそれならば、と入門するつもりで道具だけは揃えたのですが、結局、Uターンしました。理由は、お金と人間関係(^^;
返信する

コメントを投稿