伊万里焼の煎茶碗6客です。
口径 7.7㎝、高台径 3.4㎝、高 4.8㎝。江戸中期ー後期。
素直な造りの煎茶碗で、走っている馬が描かれています。
伊万里か中国か迷いましたが、器体が少しぶ厚め(中国物に比べて)なこと、高台の造りがおとなしく、なめらかなこと、縁の小傷や虫食いが全く見られないことなどから、伊万里焼と判断しました。
5匹の馬は左方向に走っています。頭は、前向きと左向きがあり、前、後、前、後、後と並んでいます。
中国明末の器にみられるような奔放な馬ですが、よく見ると馬の特徴をとらえて一生懸命に描かれています。このような馬は、伊万里の皿にも見られます。律儀な日本の陶工ならではでしょうか(^.^)
平戸のような雰囲気を感じますが、落款の「吉」については判りません
「午年」に使ったら「さすが故玩館」となるでしょうか。
素地は肌理細かいです。
釉薬は少し青みがかっています。
兜巾ほどではないですが、高台の中央が、少し丸く出ています。
吉銘、どこかで見た気もするのですが・・・・。
案外、馬が描かれた古伊万里は珍しいんですよね。
ありそうでないんですよね。
我が家には、確か、伊万里では、双馬文が描かれた中皿1枚しかなかったと思います。
これには、馬が沢山描かれていていいですね(^_^)
「吉」についてですが、我が家には、「染付 道中文 渡し図 小皿」の馬の腹帯に「吉」と書かれているものがあります(2019年5月19日紹介)。
これは、銘ではありませんが、「吉」という文字は馬と関係があるのでしょうか、、、。
話は全く異なりますが、拙ブログで、以前、2021年6月12日に紹介しました「色絵 暦文 インク壺」の出自が判りました(^-^*)
以前、遅生さんから、このインク壺に書かれた文字はフランス語であるとのアドバイスを受けたところでした。その際はありがとうございました(^-^*)
ところで、最近、或る人が、これはパリ万博に関連して深川製磁で作られたものであるとの情報を寄せてくれました。やはり、フランスと関係があったのですね。
また、このインク壺は2個と台皿付きのセットで作られたものであることも判りました(^-^*)
このことにつきましては、2021年6月12日に紹介しました「色絵 暦文 インク壺」の記事に「追記」しましたので、ご覧頂ければ嬉しいです(^_^)
ブログで紹介していますと、思わぬ方が見てくれ、貴重な情報を寄せてくれますのでありがたいですね(^_^)
馬の骨格の描き方は、私の持っている伊万里皿の馬に近いです。また、馬の脚の付け根部分に濃ダミを置いて筋肉を強調するなど、芸が細かいです。やはり、日本的な絵付けだと思います。
飛躍する馬は、吉祥模様の一つでもあるそうです。
Drのインク壷がパリ万博ゆかりの品だとは驚きました。しかも、深川製磁。正真正銘、初期の深川ですね。
写真を見ました。インク壷とセットになって、いかにも関係者へ配布した限定品という感じですね。
私も、万博関係の時計を持っていました(人に差し上げて今はありません)。その品にも、裏蓋を開けた内側に、万博云々と英字で書かれていました。写真を見ると、インク壷、カレンダー台の裏にあれこれ書かれていましたが、こういうふううにさりげなく書くものなのでしょうね。