今回の品は、高麗青磁の梅瓶です。
梅瓶(めいぴん)とは、元々は、中国で作られた瓶子形の容器で、張った肩とすぼまった口が特徴です。
最大径 16.8㎝、口径 5.1㎝、底径 12.2㎝、高 31.4㎝。重 2.0㎏。高麗末ー李朝初期。
全体ににぶい薄青色です。
透明な深緑色が特徴の高麗青磁も、高麗末期にはこのような発色の物が多くなります。
でも、よく見ると、場所によって、色調に変化があります。青色の部分と黄色の部分があるのです。
梅瓶の上部は黄色、下方は青味がかっています。青磁釉中の鉄分が酸化した黄色と還元された青磁色です
写真では非常に分かり難いですが、肩の左から右下方へ、黄色い帯が流れています。
90度回すと・・・
同じように左上から右下にかけて、2本の黄色い帯状の模様があります。酸化した部分です。
肩上部は全面的に黄色。口の内側がほんのりと青色になっています(分かり難いです)。
底部は、全面的に青磁色。
このように、盛期の高麗青磁からすると相当劣るにぶい青磁発色ですが、酸化した(本来なら出来損ないの)部分が黄色の景色を添えています。
高麗青磁が終末を迎える時期のアダ花でしょうか。
これだけ大きくて古いものが、よくぞ無傷で残りましたね!
故玩館からは、いろいろと、続々と登場しますね!
みかけの大きさにとらわれていては初心者、なかなか通人の域には達せられません(^^;
数十年前、これは青磁で高麗はこんな色で高価なものだと聞いたときにビックリしました。青磁は透き通った青色だと言うイメージがあったからです。汝窯青磁みたいな。
義母がその高麗青磁の花瓶を口が欠けているからと安く処分しました。その後骨董商の店頭に飾られていました。(-_-;)
今回の品はそれに相当します。したがって、お値段も私向き(^.^)
義母さんの品を見てみたかったですね。
業者は商売人ですから、そんな風なもんです(^^;