遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

古染付唐人笛吹図茶碗と水牛茶托

2023年02月21日 | はぐれ茶道具

先回の小茶棚の上には、茶托と茶碗がありました。

古染付唐人茶碗と水牛角茶托です。

口径 8.4㎝、高台径 3.6㎝、高 4.5㎝。中国明末。

昔、金沢の骨董屋で入手した物です。翌日、輪島の骨董屋でも大物を買ったので、気がついたら帰りの電車賃しか残っておらず、夕食抜き、土産無しで帰った時の思い出深い品です。

口縁の虫食いは時代の証しですが、それ以外にニュウが多くあります。帰ってから金継ぎ補修をして、何とか使えるようになりました。

もう一方の茶托です。

13.3㎝x7.8㎝、高 1.2㎝。明治?

色艶、模様などから判断して、素材は水牛の角でしょう。六枚とも、くすんだ黄褐色の地に黒色の模様があります。

透明度が高くきれいです。時には、鼈甲として売られています。しかし、本鼈甲は黄色、黒色ともにずっと鮮やかで、全体が凛と引き締まっています。また、鯨の髭が鯨鼈甲として売られています。もちろん、本鼈甲とは相当異なります。そして、この水牛角茶托が、鯨鼈甲として売られていたりもします。べっ甲の世界もややこしい(^^;  

決め手は簡単、本鼈甲は野口センセーとは無縁、福沢諭吉さん(複数)の世界なのですね。トーゼン、私の品は、野口センセーの世界に転がっていた物です。聞くところによると、野口センセーは、金にだらしない性格で、あるだけ使ってしまい、いつもビンボーだったそうです。うーん、憎めません(^^;

とりあえず、茶碗と合わせてみました。

おお、古染付の侘びた風情が、チープな鼈甲水牛角茶托とマッチしているではありませんか。一人寂しく笛を吹いている唐人も、おそらくは世捨て人。

コメント (6)
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