遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ガラス11 グラヴィール果物鉢

2020年09月06日 | ガラス

緑色ガラスの果物鉢です。

 

  径、22.2㎝、高 6.8㎝、底径 17.0㎝。 戦前。

 

緑単色のガラスですが、模様が効いています。

 

内面はスベスベです。

模様は、すべて、器の外側に施されています。

外周の幾何学模様は、ガラスをカットしてあるのではなく、型でできています。

この品は、まず、型でガラス鉢をつくり、底面へ模様を彫ってあるのです。

底面は磨かれて透明です。

 

一旦磨いてから、メロン、桃、サクランボを彫っています。

表から模様を見るので、ガラス絵と同様、底面側は逆向きに彫ってあります。

 

かなり深い彫りです。

 

ガラスを彫るには、グラインダーを用いる方法(グラヴィール、グラインダー・カット)と金剛砂を吹き付ける方法(サンドブラスト)に大別されます。

深い彫りには、グラインダーが用いられれます。

切子は、大きなグラインダーを用いて、ガラスを削ります(グラインダー・カット)。

この品は、小さなグラインダーを用いた方法(グラヴィール)によって彫られています。切子が主に幾何学模様をカットするのに適しているのに対して、グラヴィールでは、繊細な曲線で写実的模様が彫れます。

メロン、桃、サクランボは非常に写実的で、周りの幾何学模様がそれを引き立てています。

 

光の具合によって、異なる貌が楽しめます。

 

せっかくですから、畑から瓜と小玉スイカを直行させました。

果物がない方が良かったかな(^^;

コメント (6)
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