生前退位についての朝生感想

今更ですが、この前やってた生前退位についての朝まで生テレビ、感想を書きます。

皇室の問題をテレビで論じるのは、あれが限界かなあと思いました。

というのも、絶対的な前提として、「今上陛下のなさってきたことは全て正しい」というのがあったから。

女系に賛成の人も、「今これだけ国民の間で皇室に対する支持があるのは、ひとえに両陛下が象徴として務めてこられた公務のおかげ」みたいなこと言ってましたし。

そこ、そうかなあ？って思いましたよ。

私はもともとそんなに皇室に興味のなかった人間ですが、「両陛下は年老いてもあんなに公務なさっていてありがたい」なんて一度も思ったことないですから。

両陛下の売りである被災地訪問にしても、膝をついて被災者と同じ目線で〜とか言われても、「てか、普通の人間はそうするでしょ？天皇がやるとなんでそこまで褒めるの？そこ褒めどころなんですか？」という違和感しか感じず、むしろ押し付けがましいと思ってましたし。

全国津々浦々訪問したとか言っても、実際触れ合う人なんか僅かでしょ。都会の人間としては、いくら税金かかってるんだろ、としか思いませんし。

むしろ、皇室に興味なかった頃の私が感じていたのは、「雅子さまみたいな才女を苛めて追い詰めるなんて、皇室ってクソだな」ということでしたよ。

ほんとに古い体質の男尊女卑の旧家で、天皇も周りの人間も冷たい人たちなんだな、と思っていましたよ。

まあ今思うと大体その通りだったわけですが。

そんな私が、かろうじて皇室に対する敬意を失わなかったのは、ひとえに、皇太子殿下のおかげだろうと思うんですよ。雅子さまをお守りすると言ったその言葉を、黙って実行されている姿勢が、見事なものだと思ったんです。週刊誌に理不尽にバッシングされても、黙って耐えて、家族を大切にされた。

象徴として大切なことって、むしろそういうことなんじゃないかなあ？

公務が忙しいとか、どこに何回訪問したとか、そういうことじゃなく。

その人のあり方、生き方が、日本人の美徳を体現するような、そんな人であってほしい。ああ、さすがだ、本当に尊敬できる、窮屈なお立場を引き受けてくださってありがとう、と、心から感謝したくなるような。

その方の有り様を見て自分も背筋が伸びるような。

私は象徴ってそういうことだと思うんですよ。

間違っても、週刊誌報道を逐一チェックしたり、後継ぎが男でなきゃならんから次男とこに産めといったり、優秀なお嫁さんを閉じ込めてネチネチ苛めたり、そんなことやってたらいかんのですよ。

そこに切り込まずに陛下は素晴らしいーで終わったから、朝生はかなり物足りなかった。

まあ、深夜とはいえテレビで陛下批判はできないんでしょうね。