どうしても言いたい

どうしても言いたかったのでブログ始めました。今皇室がアツい。

第二の人間宣言

2016-08-09 20:23:52 | 皇室
「お気持ち」会見から一夜明け、明仁天皇について思うこと。

この人って、普通の人なんだなあということ。

普通の、真面目な人が、天皇というとてつもなく大きな役割を背負ってしまった。

そんなことを思いました。

理由は、今までのことも含めいろいろとあるんですけど、会見を見ててさらに思ったのは、「大したこと言ってない」ということだったんです。ざっくり要約すると、

「なんか象徴天皇っていうからよくわかんないけど必死で努めてきたわけよ。日本の象徴なわけだから全国津々浦々行ってみたりしたわけよ。そういうのって大事だと思うんだよね。頑張った結果、平成流象徴っていうのが出来上がったんだよね。でもそうだとすると、もう年取って全国いけなくなったから、行ける人が即位した方がいいと思うわけですよ。だって俺の作り上げた象徴天皇ってそういうことなんだよね。どう?俺の天皇観、すごくね?これからもずっとこれで行ってね?国民、理解よろしく。」

だいたいこういうことですよね?

たまたま休みだったので、この会見、3時からきっちりテレビで見たわけなんだけど、一切感動しなかった。さすがだな、と思うことも一つもなかった。

真面目な人なんですよね。

真面目に真面目に、象徴とは何かと考えたら、そうか国民と触れ合うことかな?と思いついたんでしょうね。それで、皇后と一緒にひたすら勤めてきた。

行くところ行くところで歓迎を受けて。それが一般市民と触れ合うことだと信じ込んで。いいことをしてきた、と自負している。

そうすることによって実は大変な税金がかかり、平成の宮廷費は昭和に比べて激増したわけですが。天皇が出歩くことで、道路が舗装され、植林セレモニーのために森林が伐採され、天皇を招くことができる宮内庁の人間がうるおっていくことなど、想像もできないのかもしれない。だから自分が真面目に勤めてきた公務は、すべていいものであり、減らすことなど許せないんでしょう。

それはそれでいいですよ。日本がイケイケだったころの高度経済成長期の皇太子、バブル期の天皇は、まるでファッションモデルのような服を来た皇后を連れて、全国派手に歩き回った。そういう時代だったということ。だけど、これからは、違っていいんではないですかね。

自分の時代とは違っていい。そういう視野の広さは、天皇陛下から感じることができないんだよね。

自分が作り上げた天皇像は素晴らしいから、これを引き継ぐように。

自画自賛とともに、そういうメッセージだと私は受け取った。

こんなことをくそ真面目に言っちゃうのは、この人が普通の人だからですよ。視野狭く、男子が生まれて大喜びしてかわいがって。男女平等とか、時代の流れには全く関心がなく。自分がしてきたことは疑いようもなく立派だと自負していて、後継者に押し付けようとする。つまりまるっきりその辺の引退する爺さんと変わらないですよ。

だから天皇のお言葉を妙に深読みしてありがたがっている風潮には違和感を覚える。

よくよく読んでよ。大したこと言ってないよ?自画自賛と、次世代への押し付けだよ?

だけど、そうであるからこそ、このお言葉は「第二の人間宣言」である、という意見には賛成。

天皇の肉声を聞いてみたら、まるっきり、大したこと言わない普通の爺さんでした。現代社会において、そんな人を天皇という地位に容赦なくつかせるのは、あまりにも非人間的すぎるかもしれない。だから、普通の人に、戻してあげようよ。この「お気持ち」は、そういう風に読むのが正しいんじゃないかな。