医療と薬の日記

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「生活保護受給者は原則ジェネリック」でパブコメ

2018-09-11 02:56:39 | 日記
6月の国会において、厚生労働省が提出した生活保護に関する改正法案が可決されました。
この改正により、生活保護受給者に処方される医薬品は「原則として後発医薬品により給付を行うものとする」と規定されることになります(施行は今年10月1日)。
これまでは努力義務でした。


現在パブリックコメントが募集されています(9月15日まで)。
「指定医療機関医療担当規程の一部を改正する件(告示)」に関する御意見の募集について


この法案が提出された際には、認定NPO法人『世界の医療団』が撤回を求める声明を発表しています。
声明:生活保護受給者に対する後発医薬品(ジェネリック)の使用を原則化する法案の撤回を求めます

>薬効が同じで患者に不利益がなく医療費削減が目的だとしたら、国民全員に対し、ジェネリック医薬品の使用を原則化するべきです。なぜ生活保護受給者に「だけ」義務付けるのでしょうか。特定の集団に使用を義務付け、選択の自由を奪うことは差別にほかならず、税金で生きる生活保護受給者には安価な薬で十分だと、政府自らメッセージを送っているようなものです。それがどれだけ受給者を傷つけ、差別にお墨付きを与え、国民の間に分断を作ることになるのか、その害悪は計り知れません。


この他、参議院では質問主意書が提出され、答弁書が送付されています。

>本法律案が成立し施行されることにより、被保護者の後発医薬品の使用割合が政府目標に達した場合、それによる医療扶助費削減効果は年間何億円規模となるのか、また、それは社会保障関係費のうち何%を占める規模と予測されるのか
>差が約百億円となると推計している
>社会保障関係費に対する割合でみると、約〇・〇二パーセントである

>「医療に係る患者負担が発生せず、後発医薬品を選択する動機付けが働きにくい状況である」との政府見解を、安倍内閣においても変更しないとする場合、同政府見解にある状況は被保護者の場合にのみ該当するのか、あるいは、被保護者以外の医療に係る患者負担が発生しない者、例えば、公費により医療費助成を受けている子ども、難病医療費助成制度対象患者、心身障害者医療費助成制度対象患者あるいは公害健康被害者に対する医療費公費負担制度対象者についても該当し得るのか
>一般的に、医療費の公費負担を行う際には、所得に応じて一部自己負担を求めているものがあることなどから、「後発医薬品を選択する動機付けが働きにくい状況」に該当するかについては、一概にお答えすることは困難である

>政府として、被保護者以外の者に対して、御指摘の「後発医薬品の原則使用を法制化」することは、現時点では予定していない