ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

不二家の甘さ 

2007-01-11 23:07:36 | つれづれに
私の町の不二家も重たいシャッターが閉まったままです。

「賞味期限がとっくに過ぎてしまっていても、においをかいで
 大丈夫だと判断して、使っていた。そのまま廃棄すると怒られた」

しかも
「この事実がマスコミに判明すれば、雪印の二の舞になる」

このように事実関係を十分認識した上での、衛生管理のずさんさ
はまさに確信犯であると言えるでしょう。

不二家自身が想像したとおり、この隠蔽が明らかになった途端
不二家は全国的に閉鎖に追い込まれました。

私の知人は、以前こんな話をしていました。
約30年前、田舎町から大阪に就職してきた時、不二家で食べた
ショートケーキに感激したと、こんなに安くでこんなにおいしい
ケーキを食べられるなんて!!
不二家は、この方のように高度経済成長時代のおいしい洋菓子の
象徴のような存在だったのではないでしょうか?

しかし、時代が移り変わり、大量消費時代から個性を生かした
パティシィエがこだわりの洋菓子を好む時代になりました。
私自身、もう何年も不二家のケーキを食べたことがないことに
気付きました。

この時代の変化に適応できない大企業の応用性の低さから、
ひたすらにコスト削減だけを社員及び生産工場にしいた結果
今回の状況に立ち至ったものと思います。

お菓子、殊にケーキは「嬉しい時、心通う者同士が、笑顔で」
食べる食品です。
生命を維持する食事と違って、多くの場合が「特別な意味」を
そこに重ね合わせて、食べるものであるといえます。

この「甘い」ひと時を彩る名脇役の重要性に気付いていなかった
不二家の甘さに、どれだけの人が辛酸を舐めるのかを思うと
ほんとうに悲しくなります。

企業理念の重要性。
改めて感じます。