真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

海の志願兵 佐藤完一の伝記 著: 佐藤さとる 2010年6月

2023-04-09 | 読書-歴史
評伝続きw

海の志願兵 | 偕成社 | 児童書出版社

17歳で海軍に志願した青年が生きた平凡でかけがえのない日々。日本を代表する児童文学作家による父、完一の評伝小説。 

偕成社 | 児童書出版社

 
なぜ児童書出版社から、というと、著者が佐藤さとる氏だから。

海の志願兵 佐藤完一の伝記|数ページ読める|絵本ナビ : 佐藤 さとる みんなの声・通販

Ⅰ 剣淵
Ⅱ 新兵教育
Ⅲ 二つの航海
Ⅳ 倉庫番
Ⅴ 尼港出征 
Ⅵ 2つの結婚
Ⅶ 人事部勤務
追記
年表

『海の志願兵 佐藤完一の伝記』|ネタバレありの感想・レビュー - 読書メーター
大正から昭和にかけてまだ日本がのんびりしていた時代の海軍での生活を描いたもので..。
一兵卒から始めてコツコツと努力を重ね、画才にも恵まれ、海軍でも特殊な任務についたり、周りの友人や上司にも恵まれ着々と階級が上がっていく...
幼馴染と結婚し、子供も生まれ順風満帆な人生を歩んでいくところで伝記が終わる。

得意の絵や、各種メモ等が残っていて、さとる氏(双子の姉の下に生まれた長男の曉さんのペンネーム)がそれらを読み解きながら、不明な部分を適宜想像力で補ったもののよう。

なんだか、椎名誠さんの青春時代の記述を思い出した。
高度成長期のデパート業界紙編集部勤務の若者(椎名さん)が、明るい未来に向けて力強く歩んでいく感じだったっけ。

完一氏は、機関兵(電機が専門)として能力を認められ、上官に薦められる各種選抜試験を好成績でクリアして下士官、准士官へと登用され、小学校時代の担任女性教師の娘さんと結ばれ、子供たちにも恵まれた33歳時(1930年/昭和5年)までが本書の対象。

その後、機関科特務士官として1942年6月に空母蒼龍乗組み中に戦死、享年45。
戦死時は機関特務大尉、同日付で機関少佐、ということのよう。
海軍機関特務大尉←海軍機関特務中尉←海軍機関特務少尉←海軍機関兵曹長
准士官 - Wikipedia

いやもう素晴らしいこと。
日本はこのような庶民に支えられていたのだと実感する。
勤勉で誠実で機転も利く。
完一は、特に上の受けが良かったことが分かる。
「こいつなら任せて安心」と思わせるだけの実力と人格を備えていたのだろう。

新月雀さんの書評 海の志願兵 佐藤完一の伝記【本が好き!】

『海の志願兵』について : 東雅夫の幻妖ブックブログ

佐藤さとる - Wikipedia
本名:佐藤 暁(読み同じ),1928年2月13日 - 2017年2月9日.88歳没.

佐藤完一(1897明治30年 - 1942昭和17年)

情報紙「有鄰」452号|出版物|有隣堂
[座談会]ファンタジーの世界
佐藤さとると「コロボックル」たち
「父親は海軍の機関科士官だったんですが、昭和17年にミッドウェー海戦で戦死したんです。」

叛骨の焔2017.06.07
「蒼龍の定員1,103人の内、718人が戦死し、助かったのは385人であった」
機関科員は厳しいよね。



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