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北原亞以子『深川澪通り木戸番小屋』あらすじと感想

2009-07-07 16:30:32 | 紙の書籍
講談社文庫 北原亞以子『深川澪通り木戸番小屋』を読了しました。

あらすじと感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
深川澪通り木戸番小屋
両国橋から
坂道の冬
深川しぐれ
ともだち
名人かたぎ
梅雨の晴れ間
わすれもの
解説 縄田一男

【あらすじ】
江戸・深川中島町、通称澪通りにある木戸番小屋に住む笑兵衛、お捨夫婦とここを訪れる人々の姿を描く。
木戸番小屋の夫婦なのに妙に品がある笑兵衛とお捨。日本橋の大店の夫婦だったとか、京の由緒ある家の生まれで江戸に駆落ちしてきたとか、結局誰も二人の身の上は知らない。
しかし、いつも明るく穏やかな二人には、実は人様に言えないような重い過去があったのだった。


【感想】
市井の人が生きていくことの辛さ、悲しみ、憤り、そしてささやかな幸せ。作品中に流れる、現代にはないゆったりとした時間と空気。人が人らしく生きている実感と重み。
失われたものを目の当たりにしたようで、軽い目眩を感じてしまった。大切なものを思い出させてくれる、江戸の風情溢れる作品。


【余談】
95年9月から96年3月まで、NHK「金曜時代劇」の枠で「とおりゃんせ~深川人情澪通り」としてドラマ化されている。
笑兵衛:神田正輝、お捨:池上希美子、主題歌:おおたか静流「水の恋唄」。
本放送当時に観ていたが、改めて原作を読んでみて原作の雰囲気を壊すことなく映像化されていたと思った。
エンディングの映像に「水の恋唄」が流れると切なく、哀しい気持ちになったことを思い出した…。



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