積ん読の部屋♪

本棚に積ん読な本を読了したらばの備忘録。

原田敏明・高橋貢訳『日本霊異記』内容と感想

2008-11-26 10:31:26 | 紙の書籍
平凡社 原田敏明・高橋貢訳『日本霊異記』を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。




【目次】
日本国現報善悪霊異記 上巻 第一~第三十五
日本国現報善悪霊異記 中巻 第一~第四十二
日本国現報善悪霊異記 下巻 第一~第三十九
解説 原田敏明・高橋貢


【内容】
平安時代初期に薬師寺の僧、景戒によって編集された説話集。


【感想】
仏教関係の話が多いのだが、仏教とは無関係な話が面白かった。例えば、雷を捕まえる話など。
話の時代背景や編集された時代背景を、政治的なことも含めて読んでいくと、なかなかシニカルな味わいがある。


【余談】
正確には「日本国現報善悪霊異記」というそうだ。さすがに漢字八文字もあると、日本語っぽくなくなるな~。漢文?みたいな。

根岸鎮衛『耳袋の怪』内容と感想

2008-11-13 11:53:28 | 紙の書籍
角川文庫 根岸鎮衛=著・志村有弘=訳『耳袋の怪』を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
はじめに
其ノ壱 物怪、妖怪のうわさの怪
其ノ弐 幽霊の怪
其ノ参 憑き物の怪
其ノ四 動物の怪
其ノ五 植物の怪
其ノ六 怪異のうわさの怪
あとがき
解説 夢枕獏


【内容】
佐渡の奉行職にあった根岸鎮衛;ねぎしやすもり(1737~1815)が知人や同僚から聞き集めた、奇談・珍談を書き記し現代語に訳したもの。
『耳袋』は『耳嚢』と書くのが正しい。



【感想】
あとがきにもあるように、この本は盲目的に幽霊の存在や怪奇現象を信じているのではなく、理性的な視点で眺めているところがいいのだと思う。話が途中で終わっていて、怪異の正体を明らかにしないという姿勢も、独特の雰囲気を与えている。怪奇な事柄に限らず、必ずきちんとした説明がついている方がおかしいと思うし。
怖いといえば怖いのだが、味わいのある奇談&怪異談集。

阿刀田高『ブラック・ユーモア傑作選』内容と感想

2008-11-07 11:25:47 | 紙の書籍
光文社文庫 阿刀田高編『ブラック・ユーモア傑作選』を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。




【目次】
座頭H 飯沢匡
五郎八航空 筒井康隆
狐憑 中島敦
ナポレオンと田虫 横光利一
吉備津の釜 日影丈吉
桜の森の満開の下 坂口安吾
おさる日記 和田誠
影なき男 遠藤周作
不可抗力 結城昌治
夢中犯 半村良
骨餓身峠死人葛 野坂昭如
階段 夏樹静子
干魚と漏電 阿刀田高
赤西蠣太 志賀直哉
夢十夜のうち“第十夜” 夏目漱石
煙草と悪魔
解説 阿刀田高


【内容】
“描かれている世界が現実的なもの”という枠を一つの目安として、編者が選んでみた短篇集。


【感想】
どれも現実にありそうな…。なさそうな…。そんな感じがして微妙に怖い。
「桜の森の満開の下」は怖かった…。美しさとグロテスクなものが混雑していると、怖さは更に強くなるような気がする。


【余談】
坂口安吾の「桜の森の満開の下」が読みたくて、でも全集を買うのもね。。と思って買ったのだが、この短編集は当たりだった。