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本棚に積ん読な本を読了したらばの備忘録。

『読んでおきたいベスト集!夏目漱石』あらすじと感想

2013-11-10 09:13:04 | 紙の書籍
宝島社文庫 別冊宝島編集部 編『読んでおきたいベスト集!夏目漱石』を読了しました。

あらすじと感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
坊っちゃん
夢十夜
こころ
硝子戸の中


【あらすじ】
「坊ちゃん」
子供の頃から周囲と折り合いをつけることが苦手で不器用だった東京の青年が、愛媛の教師となり奮闘する物語。

「夢十夜」
「こんな夢をみた」という書き出しで始まる夢の話。10篇の短編。

「こころ」
ある夏の日に私は先生と出会う。先生を崇拝する私。
大学を卒業して帰省した私のもとに先生から遺書が届き、その生涯を打ち明けられる。それは壮絶な回顧録だった。
 
「硝子戸の中」
朝日新聞に掲載された最後の随筆。身辺の人々や若い頃の思い出話。


【感想】
「夢十夜」
第一夜から第十夜までの不思議な夢の話。夢といっても本当に見たものではなく、夢を前提にした作品に仕立ててある。日常の延長のようでそうではない、微妙なさじ加減がおもしろい。
同じような夢の話には、内田百間(※もんがまえに、月)の『冥途』という作品があり、こちらは見た夢を書いているとのこと。ちくま文庫版の巻末には芥川龍之介の寄稿文が載っており、そこに内田百間が夏目漱石の門下とある。内田百間は意識して書いたのだろう、おそらく。
同じ題材で書かれているのだが、、作品から受ける印象が違うのは興味深いところ。作者や書かれた時代が違うのだから、当然といえば当然なのだが。個人的には、内田百間の作品のほうが好き。

「硝子戸の中」
「こころ」と「道草」の間に書かれ、朝日新聞に掲載された最後の随筆。自分の日常や回想を中心に淡々と綴られている。
書かれた時期からも、心身共に衰弱していた頃だろうと思われ、全編に憂鬱や厭世観が感じられる。飼い犬のヘクターの話や亡き母のことを回想している件に、愛情が感じられしんみりとした。


【余談】
まだ読んでいなかった(もしかしたら、読んで忘れているかもしれない)短編二篇のために購入した文庫。なので、今回は「坊ちゃん」と「こころ」は省略。

読書歴が長いので、読了済みなのに勘違いして本を購入することはある。ままある。
その度に「あ~またやっちゃったよ~」と独り言を言ったりする。気をつけようっと。