地理人レポート

展示や新グッズ作りに向けたコラボレポートと、空想地図&地図グッズ紹介をお届けします。

<コラボレポ>ポストと雑居ビルと、新しい空想地図の触れ方?(設営2日目)

2020年06月29日 | コラボレポート
こんばんは。
コラボレポート、展示2日のレポートです。

本日は、新しい地図・・・・・・アレッ?おかしいぞ・・・新しい空想地図の展示法模索と、ポスト、雑居ビルについてお届けします。



おおっこれは何だ…!?
雑居ビルです。中村駅で3番目に賑わう大きな街、出ノ町駅北口にあるビルです。1Fがコンビニ、上に焼き鳥居酒屋やカラオケ屋、消費者金融が見えます。こちらはタナゴさん作、彼女のこれまで出たことのない、新たな作風の出現です。ちなみに2Fより上にはどうやって行くんだ?と気になったアナタ、裏側から行けるらしいです。ビルの脇から入ろうとするとゴミ箱がありますからね〜ご注意下さいませ。

そのとなりにポストがある…?


こちら、郊外の新興住宅地、那田沢ニュータウンの、ファミリー層のお宅のポスト。奥様が定期購読する小冊子に、英会話教室や便利屋のチラシ。こういうのってどこも一緒かなと思って見ると…


そうでもない。

あんまりよく見えませんが、こちらは中心市街地のひとつ、中村駅至近にあるマンション。一人暮らしの20〜30代が住んでいます。宅配ピザや駅付近の小売店のチラシが入ります。一人暮らしの都市生活者が多いことや、中心市街地は近隣に店舗が多く、そのチラシが入りやすいのですが、こうしてポストの中身を見るだけでも、どんな街でどんな人が多く住むのか見えてきます。


あちゃー!
えらいこっちゃ…調査員の佐藤氏、ポスティング業者と化して仕上げに入ってます。しかしこのポスト、ちょっと中身が詰まりすぎてます。住人が中身を見てないパターンです。ガスの検針票見ると振替だったので未払いってことはないんでしょうけど、にしても2ヶ月分もそのまま置いとくなんて…

いずれにしても、人のポストの中身を見るという、普段はできない体験ができます。
普段、できそうでできない経験を、銀座で。(なんのキャッチコピーだ…)

で、この場所が気になります。
気にならない…? 気になりましょう。


今回このように、調査結果が見えるスポットをピンで指してみました。
さきほどのファミリー、浜田さん夫婦宅は、公園の多い郊外の新興住宅地。


さきほどの、ぎゅうぎゅうのポストは、横井辰郎さん宅。荒蓋という、市内北部の工業地帯で、下町です。交通利便性が高いことから、都心に通いたい一人暮らしからファミリーまでも多く、最近はタワーマンションも1棟建ちました。新旧が混在する街です。

こんなふうに、スポットから周りが見えてくると、地図から土地勘をつかむはじまりです。あまりにも字が小さくて見えづらいんですが、地図とその他の調査結果、収集品を往復して見てみることをオススメします。


さて。
地図趣味者は、空想地図そのものを見てあらゆることを想像します。その土地の風景や歴史、他の地域とのつながり…行ってきたかのようなリアルな土地勘をつかみます。しかしそんな人は僅か。多くの人は、空想地図そのもののビジュアルを見るのみです。

では、何か解説したほうが良いのか・・・いや〜作者が説明したくて説明してる流れは、私としてはそそられません。設定を正確に伝えることがミッションではなく、見る人が「ここってどうなってんだ?」「何があるんだ?」と興味を持つフックを提供できることが重要です。それこそが私の思う、「地図が万物の目次である」ということ。


そんなわけでピンを今回刺しまくってます。
それも、見どころじゃなくて…

コンビニとかファミレスとか、宅配便の配送センターとか。
全く見どころとは言えない、たまたま今回出てきたスポットをただ愚直にプロットしたものです。

地図が日常が読み解けるきっかけになるか(日常って全部実在しないけれど)…そこの試行錯誤をしています。

そして今日設営していたタナゴさん、佐藤さんのような、一つの合理性や正義を持たず、自身のポリシーは「無」で、あらゆる人になりきる、多様性憑依型の調査員…クリエイターの秘めた才能が、今回出ていまして、なかなかおもしろい展示になっているかと思います。私も楽しませてもらっております。


さて、私からですが、都城市立美術館、東京都現代美術館でも出展していた「市民の忘れ物」(財布の中身…レシート・カード類)も今回登場します。

まだまだ展示設営は一日…ではまた!

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