地理人レポート

展示や新グッズ作りに向けたコラボレポートと、空想地図&地図グッズ紹介をお届けします。

2022地理人の振り返り (2) 持場型と浮遊型

2022年12月31日 | 振り返りと展望

さて、前投稿ではあったことのダイジェストを書き連ねましたが、
大事なのはここから。図解です。

●持場型と浮遊型

あなたは持場型?浮遊型?
…という性格診断でもないんですが、場所を持っている人…場所に限らずイベントやプログラム、何かしら発信できるメディアをもっている人や集団を持場型と、何もなく、むしろその他人の持場を行き来する人を浮遊型とします。

持ち場なんて大きな会社が持ってるものでしょ〜個人は浮遊するものよね、と思って生きてきた節もあるのですが、最近、身の回りの身近な人が持ち場を持ち始めており、持ち場って持てるのか…という所感を持っております。所属している会社や学校を自分の持ち場だと思う人もいると思います(いいな〜そう思える学校や会社がある人生←一度もない)。



ワタクシ、浮遊型の極みのですが、空想地図のかほりを周囲の広範囲に飛ばし、さまざまな場にお邪魔し、場の力を借りる等して楽しんでおりました。

自分から誘わない割に、人見知りがないのが地理人。ひょこひょことさまざまな界隈に出て話したり…時に聞き役になったり(意外と多いんですよ)…という具合ですが、この人間関係の築き方を「たんぽぽの綿毛」と形容していました。自力で動力は持たないが、さまざまな方向に浮遊して生き延びる…と。しかし友人に言ったところ「んーー、地理さんは地下茎かな。ふわふわしてない。」とのことでした。



仕事面でもこのように…自分では明確な事業や場所を持たず、明確な事業や場所を持っている方々から呼んでいただいて生きておりました。こうしてよき持ち場を多数見ることになります。

●持ち場を広げる人々具体例

最近だと別視点は、2011年に「東京別視点ガイド」(ブログプラットフォーム)、2018年に「マニアフェスタ」(プログラムやイベントの主催)…と来て、
来年には都内のどこかで新しい拠点を運営するのだとか。持場を一つ一つかためている感があります。木賃文化ネットワークは場所そのものが複数の人や活動が生まれるプラットフォームになっています。2018年創業の流動商店は2019年に持ち場を始め、小さなイベントを主催したり大きなイベントの裏方をしたりしています。先日忘年会に伺ったfor citiesは、コロナ禍頃の始まりだったと思いますが、Podcastで視聴者を増やし、世界各国でプログラムを実施し、レジデンスも始めるようです。うぉー、三拍子揃っとるやないかい…。

特に後者2団体はこの3年で活動を広げており、まっ、眩しい…と思いながら見ておりました。(コロナ禍なんぞ私からしたら「冬眠」だったのですが、と言い訳しようと思ったんですが、コロナ前はバリバリ動いていた訳でもないのよな…)

●浮遊型にとっては不利だったコロナ禍



さて、持ち場を持たずに浮遊していたコロナ前ですが、私はどこの所属でもないので、イベントや何か入れる余地があるときに、するっとあらゆるコミュニティにお邪魔していた、水色の❸の層でした。こうして越境できていた部分はあったのですが、このスタイルはコロナ禍で最も影響を受けます。❶❷が集まるか、❶❷がオンラインでMTGするか、という時代の始まりでした。コロナ禍になって久しくお邪魔できてない浮遊先はたくさんあります。明けて、これからまた余地が戻ると良いですが。

浮遊型でいることのポテンシャルが下がった代わりに、持ち場を持つ人が増えたコロナ禍。持ち場があることは、浮遊しにくくなる足かせになるのでは…と思っていたのですが、持ち場があることで、別の持ち場で覚えてもらい、行き来を増進しやすくなる側面があるな…と感じました。

長らく、持ち場…と並ぶキラーコンテンツ「空想地図」を携えて浮遊していましたが、空想地図は少しずつ広げたり直したりしても、見た目はあまり変わらないまま10年以上経っています。では空想地図以上の強いキラーコンテンツを携えられるかというと怪しい…これが私が長らく自分に対して感じている停滞感です。

コロナ禍明けても、コロナ前と同じ持ちネタで歳取って同じ浮遊は…難しいでしょう。色あせてくってもんです。

●新しいものを作ったほうが良い

2019年に東京都現代美術館で展示してから、ありがたいことに都現美の招待券が届きます。そして毎回行くのです。これが良いチャージになってまして。多数のおもしろいアートに触れる、のもあるんですが、展示はその作家の一生涯を見ているようで、「この人、大学で先生して家族も持ってて忙しいのに作品こんな作って旅してんの…?」と驚きもします。

私、大学で先生してないし、家族も持ってないのに、新作そんなに作ってもいないやん何してんねん…と、いいピリピリ刺激をもらいます。

展示の機会をいただいたときに新作を作ったりはしましたが、そうでないときにも作った方が良いよね…と。それを試行錯誤できる場所(工房的実験空間)があっても良いのではないか、と思う等しています。




…って、アンタ今年オフィスを改装したじゃん、その場所は持ち場では?何かしたら?…というツッコミが来てもおかしくありません。いまのところ空想都市展のプチ展示空間、かつ地理人収集古地図書庫にはなっています。持ち場を活かすには、何か主催したり誘ったり、場所を使う能動的なアクションをせねばなのだが、浮遊しかしてなかったので、(そういう能動的アクションを起こす)持ち場慣れしていない…。

というわけで、2023年はもっと広く「持ち場」について考える一年にしようと思います。


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