地理人レポート

展示や新グッズ作りに向けたコラボレポートと、空想地図&地図グッズ紹介をお届けします。

中村市街地150年の変化

2022年11月30日 | コラボレポート
さて、先月は、郵便番号地図をはじめさまざまな地図を作ろうとしている話を致しました。
…がしかし、あれから全然進んでいません。ありゃりゃ〜。

現在注力中のものは、学芸出版社から出る新刊「空想地図帳」の準備です。
私としても久々の空想地図本になりますが、今回は私以外のさまざまな空想地図作者の空想地図も紹介します。

9割以上原稿は進みましたが、これから作者さんへの確認等を進める予定です。

本日の本題は、中村市街地の150年を追う、という件です。
空想測量会議第2回第3回を経て、市街地を描き替えるに至りましたが、ここで叶ったのはこの市街地が150年どう推移したか、を追えるようにしたでした。


・主に中村城付近が武家地、街道沿いが町人地がある中規模の城下町だった。



・田立沼を避けて鉄道敷設、中村駅が開業(1886年)。同時に田立沼が埋め立てられる。
・武家地、町人地、寺社地の区分けはなくなり、城主の土地等が官有地となった。
・城址は官公庁や学校の用地となる。


・中村駅付近が市街化する。
・京中電鉄、中村電鉄の旧線が開通。
・市街地が少しずつ拡大、北東部はスラム化し、火災で大きな影響を受ける。
・市街地の外側を大回りする平川の新流路が完成。
・北西部郊外に旧制中学移転、学校新設。


・平川大火を契機に、スラム化した北東部が平川の旧流路を区画整理、県庁と市役所を移転し、新たな中心市街地として開発される。
・市街地を南北に貫通する登州街道の新道ができる。
・中村駅と広善城址を結ぶ中央通りが開通。
・中村駅西口が少しずつ市街化する。
・正平橋南側も区画整理される。


・中村駅周辺の市街地が拡大し、平川駅付近まで市街地がつながる。
・雄貝川駅付近の宅地化も進行する。現在でも狭小の木造家屋が密集残っている。


・全域で軍用地が転用され、学制改革で各種学校が変更、新制中学校が設置される。
・登州街道のバイパスとして平川駅までのルートが開通。
・戦後、東西の幹線道路となる箱島街道新道が整備される。
・大学通り(中村大学東西の道路)の整備も進む。


・1962年、進駐軍跡地の半分は白枝公園として整備、もう半分は広善公園から移転した中央高校と白枝中学校に変わる。
・1969年、平川駅以北の登州街道新道が開通する。
・専売公社工場跡地が親崎団地となる。


・松宮新道が開通する。線路跡地の広大な土地を中村SOLスクエアとして再開発。
・親崎小学校、廃校。
・松倫小学校と荘徳小学校を統廃合、広善小学校となり、荘徳小学校跡地は複合施設「コラボ荘徳」となる。

2021年版の中村市の大判地図は、こうした変化を踏まえたものになります。

ここからは余談。身の回りでは遠方に行く人も増えています。全国各地、交通機関も宿も満席が多い、という話は聞いておりました。
私もようやく、11月下旬に全国旅行支援にあやかり、北へ、西へ、行く等しました。


▲日本海と太平洋の水が分かれる堺田(山形県最上町)
瀬戸内海と日本海の分水界の兵庫県丹波市( https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60453590X10C20A6960E00/ )は気になってたんですが、こんなところにも平地の分水界があったとは。


▲琵琶湖に浮かぶ離島、沖島(滋賀県近江八幡市)
琵琶湖ビエンナーレ最終日追っかけで、初めて湖に浮かぶ離島に上陸しましたが、漁村の営みが島全体に漏れ出す独特な様子で、ビエンナーレ以上に島そのものの印象が強く残りました。

その他、岐阜市では、全国旅行支援のクーポンが岐阜バスで使えたことで、
500円の全線平日日中一日券で、2090円分の移動をして帰って来る等しまして、
その行程についてはツイートしました。

それではまた〜

データで振り返る遠出自粛とキャッシュレス/地理人振り返り2020 (6)

2020年12月31日 | コラボレポート
→ 

さて、時代はデータサイエンスの時代です。
振り返りの最後はビッグデータ…ではなく…私一人のスモールデータから振り返る、コロナ影響の行動の変化とキャッシュレスの変化を眺めてみます。誰からの何の需要もないデータ情報をお届けします。

歩行回数と距離

まずはiPhoneのヘルスケアアプリから、歩数の集計と、交通費の集計です。


2020年3月までは、コロナ影響がありつつも、国内は通常通りの遠出をしています。4、5月の緊急事態には、交通機関の利用回数(および交通費)が一気に減っており、それに伴って歩数も、通常時の3分の1に減っています。このことが体調、体重に大きく影響しました。肩や腰が圧倒的に固くなり、体重も通常時の2〜3kg減で、特に食事や運動も変えてないのでおそらく筋肉が減っていると思われます。筋肉は一度衰えると戻らないという話も聞いたので、こわいコワイ…と思い、人との接触を避けながら動くことを取り戻そうとします。そこで今年初登場の山登りも始まります。

9/20(高川山)、10/4(九鬼山)、11/14(金時山)、12/20(再び高川山)と、9月以降は月1回山に登ることとしました。

山登りの日の歩数は1日2万歩程度なので、山効果は大きくありませんが、歩行は通常時と近い歩数に戻ってきました。10月はgotoに乗っかって遠出しましたが、それ以外の交通費や利用回数はおおむね通常時の3分の2程度でしょうか。減ったような減ってないような。

公共交通機関・交通費

交通費で特に変わったのは遠出でしょう。見てみましょう。



おお、海外への渡航費が0円という初めての年になりました。その割に国内遠方はそれなりに行っています。実は3月まで頻繁に行っていた、ということもありますが、10月前後の遠出も加算されて、例年通りになったのかもしれません。




遠出の内訳です。国内のLCCとJRに限って使っている…という具合です。減っているような減っていないような。

キャッシュレス化

最後にキャッシュレス化についてです。2019年から徐々に変わっていったのでこの2年分の変化を3ヶ月ごとに見てみたいと思います。


税金や口座振込等を除いた支出額でもありますが、現金はレシート等で集計すると大変なので、現金引き出し履歴から、そこから税金の払込を引いて算出しています。

以前は現金とカード決済の割合が 2:1 だったのが、スマホを用いたモバイル決済が登場し、現金、カード、モバイルの比がおおむね 1:1:1 になったもようです。確かに現金を引き出す回数が随分減った実感はあります。

2020年の振り返りはそんなところで。あと僅かですが良いお年を〜。

(おわり)

作家活動で開拓する今後/地理人振り返り2020 (5)

2020年12月31日 | コラボレポート

振り返りも5記事目です。あと1投稿で終わるはずです。
それでは最後に、地理人作家街道2020…の振り返りで、書籍と並んで続けているのが展示です。
またコロナらしからぬオールドメディアアウトプットですが、書籍ほど積極的になれてはいませんが、ただし、過去4年続き、来年も情報未公開ですが1回実施が決まっています。なんでしょう、この、現代美術作家としての引きの強さは、書籍以上に想定外でした。

今年は、これまでの公立美術館の展示とは違って、ギャラリーで行ったものですが、「空想調査員が見た、空想都市」展を行いました。実施内容は当ブログ前記事で紹介したので割愛します。あるいはこちらの動画をご覧ください。


これまで私が進めてきたことの多くがワンオペでした。これまで何回か人を招いて進める共同企画は企てては止まっていました。確かに色々進行管理ができたとも思いますが、内容未決の状態で、期日と会場が決められて展示の機会をいただけたことで進みました。そう、ミッションが振ってこないとやらないのは変わらないので、書籍だけでなく展示も、機会をいただけるよう、新たな実績を積んでいければと思っています。



振り返りと今後の展望は、おおむね以上です。
半年前の振り返りから新しい出来事を追加しました。著述と展示等、新たなアウトプットを生み出す流れを加速しつつ、バランスよくいろいろな仕事をいただければと思っております。よろしくお願い致します。

基本的な振り返りは以上ですが、あと1投、仕事と一切関係ない個人的データで振り返るコロナ影響とキャッシュレスの波を振り返ります。
(つづく)

→ 

3冊の書籍刊行見込み情報/地理人振り返り2020 (4)

2020年12月31日 | コラボレポート
「お前の未来はない」空想地図作家の終わりとはじまり/地理人振り返り2020 (3)

大晦日です。振り返りは続きます…が、振り返りというより今回は今後の予定、見込み情報です。
昨年からの方針ですが、新刊は積極的にどんどん出していく方針としました。


昨年の振り返りでも、ほどほどヒットを狙うには本が良いという話は書きました。
要約すると、無報酬の趣味では、定期的にコンテンツを作り続けたり、膨大なコンテンツのアウトプットをする手間と時間を割けない、続かないと思っています。Youtubeやブログでは、しばらく無報酬のまま続け、その後大ヒットすれば収入が入るが、しなければ入らないという結構な博打打ちです。それまで定期的に、マメにコンテンツ出し続ける必要がありますが、その気力と自己管理能力がないので、私には向かないという話でした。その点、本は最初に刷る部数に対して(本によっては売れた部数に対して)何%と割合が決まっていて、契約書で印税の割合を決められます。運営の一存で静かに変わるYoutubeよりは、圧倒的にフェアです。

そんなカネの話は置いといて…誰からも頼まれなくてもマメにコンテンツを出し続ける自己管理力がなくても、どんな構成、内容で作れば良いかを相談する相手(→編集者)がいて、私が営業しなくても全国の書店、あるいは電子書籍マーケットに届き、数年経っても実績として出すことができるというのは、書籍出版の大きな魅力でもあります。また、イベントや取材、テレビ・ラジオ出演では、これまでヒットしたもの、話題になったもののアウトプットが求められます。私であれば空想地図、およびこれまで空想地図作家としての活動、となります。まだヒットしていない、価値も定まらぬ未来のアウトプットについては求められません。

書籍は逆に、前に書いた本と同じ内容では意味がなく、他の本と似たような内容の類書でもあまり意味がありません(ビジネス書や実用書で、類書が大量に出る分野もあるけれど…)。少なくとも、世の中で初めて見るような、そして私も初めてやるようなことが許されるし、場合によっては求められる、ということです。ここが一番大きいと思います。

では私は、新しく何をしたいのか、したほうが良いのか。

1. 空想地図帳(学芸出版社)

ひとつは前記事で書いたような、空想地図キュレーターとしての動きです。
あらゆる空想地図作者が描いた空想地図をもとに、世界、地域、都市のなりたちが見える「空想地図帳」(仮)、学芸出版社より刊行予定です。
こちらは前投稿でたっぷり書いたので、今回の投稿では割愛します。


2. 地理人と全国300都市を回ったら(光文社新書)

タイトルの話は一切しておらず、いま仮題をつけたばかりで明日には忘れるやつですが、企画は進んでいて、既に2万字ほど書き進めています。
こちらはアウトプット手段の新規拡張です。なんと、エッセイ調。書籍刊行そのものも「え?私?」てな感じでしたが、エッセイはさらに…です。新人編集者さんからの依頼でしたが、すんなり企画が通ってしまったとのこと。なぜに…?なんせ、私自身がエッセイをほとんど読まぬのです。読まないし書いたことないしニガテでしかないだろ…と思ったんですが、一回深呼吸し、深く唾液を飲み込んで考えました(誇張が含まれています)。

地図、地理の分野、界隈の中では、私は知識や情報を発信する記事執筆に長けたほうではないが(より優れた人がたくさんいる)、特に前提知識や関心がない人に対して、しゃべって伝えることは比較的長けていると思います。なるほど、そのような感じで、前提知識や関心がな人に語る感じで…主観を交えて私の人間味みたいなものがにじみ出る感じで文章を絞り出すという筋トレをするか、ということで、この企画をOKし、書き進めています。この他にも1〜2冊の本が進み始めると大変なので、こちらは先行して書き始めています。



 2006年9月、大学3年生の頃、私は両親と同居していた。大学生の夏休みは長く、旅にはうってつけの時期だ。東北と北海道を1週間ほどで回る予定を、両親に1ヶ月前に伝えると、母親は「なんでまたそんなところに行くのか」と言う。なんでと言われても…そのときは回答に困った。成人したし、財源は自分のバイト代の収入だし、行くことには変わりなかったのだが、1ヶ月前に報告すると「事前の相談」みたいになってしまい、なぜ行くかの説明が求められるような気がした。名案を思いついた。行く直前に言えばいいのだ。相談ではなく「出かけます」という宣言に近い報告にすればいい。そうやってそれ以降は乗り切った。
 あとで母から聞いた話なのだが、行くのを止めようと思った訳ではなく、ただ単に、なんで行くのか気になっただけだと言う。ねぶたや雪まつりを見たいとか、本場の芋煮やジンギスカンを食べたいとか、東北や北海道に行く人が目的にしそうなことを一切言わないので、その動機が何のかが単純に気になったのだと言っていた。確かに、言われてみればそうだ。私はむしろ混みそうなイベントの時期は避け、回りたい観光地がある訳でもなかった。目的地は各地方都市そのものと、各都市を結ぶ移動手段である普通列車だった。目的地が地方都市と普通列車だ、ということは当時、伝わる気がしなかったどころか、私もそれが主目的地であるということに自信がなかった。この本をもって、当時の質問の回答としたい。
 今でこそ「地方が良い」とか、地方都市の魅力は語られるようになったが、私が全国を回り始めた2000年代は、観光地以外の地域は、特に注目されてもいなかった。京都や金沢等、都市自体が観光地になるような都市を除いては、地方都市に行くと言うと「なんで行くの?」と言われるようなことだった。ただ、地方都市に行くと第二、第三の故郷かつ第二、第三の新生活がみつかる気がして、ただただ追いかけるように回っていたのだ。



こんな書き出しで始まり、やがて北海道から九州、沖縄まで、全国を普通列車と路線バス、フェリーで回る話です。
おもしろい本になるんですかね〜。なるといいんですが。

うまくいかないかもしれませんが、うまくいけば文章表現力の拡張、となります。

3. 歩くだけで世界が見える 東アジア編(未定)

最後に…またまた別のアウトプット手段の拡張です。なんとイラスト
誰からもイラストを描いてほしいと頼まれたことも、期待されたこともありません。そりゃそうだ。でも空想地図も、全国回ることも、もともとそうだった訳です。むしろ誰からも期待されないほうが、新しそうだし縛られず自由にできるという側面もあります。

そして届けるターゲットを広げるとしたら…これまで人文書の版元が続いています(白水社・晶文社)。アカデミックな文系の知的好奇心旺盛な層、およびそのフォロワー(人文書の層)に、地理人の動きは届いてきたような気がします。ではまだ届いていなくて、届きそうな層はどこか。実用書…昨年の方向オンチ本はそうでしたが、希少価値の追求を目指すなら一旦は先送りします。一般書…となると県民性の雑学とか、既にある需要にリーチしていくことが多いと思うので、類書の山の中で埋もれることになります。

そこで目をつけたのがビジネス書や経済誌の版元さん。この層はまだ届いてないけども、届いたらおもしろいだろう、と思っています。例えば日本経済新聞はいかにも社会、経済、会社…の動きを伝える専門紙の面が強いですが、同社の日経MJは、すぐ役に立つことに限らず、新しいカルチャーやトレンドも紹介していて、ライトな心持ちで読んでおもしろい雑誌のような感じです。東洋経済、プレジデント等、他のビジネス書、経済誌関連の出版社も同様です。人文系、カルチャー系に比べると、要点をまとめてスパッと伝えていく…読み手も同様に、要点をまとめてスパッと吸収する…人文系が深くじっくり吸収するのと対照的ですが、広い範囲の知的好奇心が旺盛なため、そしてこうした層の人々に色々な話をしても大抵おもしろがってくれるので、何かここの層にリーチする新しいものを書ければ、と思っています。

そこでとある出版社さんに自発的に提案しました(初)。まだ審議中ということで、決まっていませんが、決まったら進めます。
ところで何の本だ、って話ですよね。

空想ながらその国、その地域らしい典型的な街の一面をイラストで描き、深読みする都市図解本です。



このようなイラストと切り口です。
改札やホームに向かう階段の位置が同じ、日中韓台の架空の駅をイラストで描き、各国、各地方の習慣や考え方の違いを読み解く本です。
駅だけでなく街や店舗、住宅〜等、見過ごしそうだけどよく目に入るものをいくつか挙げるつもりです。ちなみに158という数字は適当で、実際にはこれともうひとつくらいしかできていません。

そして!もうひとつ…共著者、三文字昌也氏を巻きみました。

単著を出したい方が多い中で言うのは躊躇するんですが、私はずっと単著が続き孤独でした。単著沼を抜け出したい…!しかし抜け出す方法はあります。誘えばいいのです。誘うの、何より苦手なんですが…しかし見つけました、都市のスペシャリスト。まだまだ若くして、都市計画という都市のマクロ研究者であり、屋台研究やゲストハウス運営という都市ミクロプレイヤーである、このマクロとミクロの両者を揃えた逸材はなかなかいないのですが、デキる人は大物になる前につかまえないとつかまらない…今しかないのか…ということで誘うに至りました。彼はもともと建築の出なので、イラストは描けます。いろいろ教えて〜〜

(つづく)

→ 

<コラボレポ>展示の噂と客層、混み具合は?

2020年07月04日 | コラボレポート
こんにちは。地理人です。
「空想調査員が見た、空想都市」展、始まりました。

がら空きなのか、密なのか?

こんな時期だし空いてて暇だろう…
否、日曜空いてないし、平日夜や土曜に混むのでは…
私としても読めないところでした。

そうですよね〜。


案外暇ではないんですが、ほどよく入れ替わるので、いまのところ、密にならない距離感で、多くの方にご覧いただいております。

さきほどこの1.5倍くらい、多いときは2倍くらいる瞬間もありましたが、時間帯による混み具合は予測できません。基本的には幅広い年齢層の方々に来ていただいていますが、昨夜は5〜6人の女性が来て、現在は地理、交通趣味風の男性に来ていただいております。

みなさんの声

みなさんの声を紹介してみようと思います。

空想地図は、誰にも言わない秘め事として嗜まれる傾向がありますが、そうか、空想全般そうなのか。今回、地図以外の日常のあらゆる側面の空想調査に至りましたが、「内向きで外向き」…おお…(これ、今回の展示のスポンサーさんに関わることでして、ありがたいご意見です)

おおお、以前の展示(都現美かしら)もご覧いただいた方もいらっしゃったようで、ありがとうございます。そう、半年ぶりに同じ東京での展示なので、パワーアップせねばなと思ったのです。

綿谷さんの名前があって、ビックリしますよね〜。

いつも、密かにいらっしゃってしっかりブログをまとめていただく木下次郎さんのブログでも丁寧にご紹介いただきました。

見せ方のどこにこだわるか

これが本日の大テーマ。
自分で展示をしておいて、よくわかってないのです。

特に今回、ギャラリーオーナーや設営技師さんと展示設営する中、気づいたのが、どう見せると美しいか、ということに敏感だということ。配置から材質、光に至るまで、いろいろ考えていただきました。私は本当に頓着がないのです。そもそも丁重に扱うべき、一点ものの美術品ではなく、いくらでも印刷し直せる図像データや、劣化すればするほどそれらしさが出る日用品がメインなので、自らの制作物に対する扱いがそれなりに雑なのです。

なので今回も、配置や質感ってそんなに気にするのね〜と思ったんですが、気にするべきなんでしょうね。(音はそんなに気にしないみたいです)

一方私も、何も気にしないわけでもなく。私はモノを敷き詰め、説明を加えたい…見るだけで分かるようにしたいという正義が働きます。ひと目ですべてが見渡せる情報の網羅性を美しいと思っているのは、私が都市地図&作図野郎であることが影響そうです。最低限の情報量で、すっきりシンプルに見せる正義を持つデザイナーとは対極の正義です。

おっと、本当は「人はなぜ展示をするのか」について書こうと思ったんですが、こういう話は深夜じゃないと書けないっぽいので、追って書きます〜。

<コラボレポ>整いました!映像が!!!!

2020年06月30日 | コラボレポート
こんばんは。地理人です。
無料のレジ袋と2020年の半分が終了し、有料のレジ袋と2020年のもう半分が始まります。

さて、「空想調査員が見た、空想都市」展、明日から始まります。
明日から始まるのに設営が終わらない…!ってこともなく、さきほど無事終わりました。

今日は映像や音声が入りました。
(後で作業したり声が入ったりしてますがご了承下さい)


こちら、中村電鉄の車内、ドアの上にある画面です。
実寸ではなく65%に縮小して再現しているので、実際に見るとちょっと小さめです。ところで実在しないのに実寸ってなんだ…というツッコミは置いといて。


左にニュースや天気、広告が、右に次の駅や路線の情報を提供するトレインビジョン。作者はこちら、左がばつまる(中尾阿実)さん、右がMr.Denshaさん。そして次の駅のアナウンスは渡邉絵理さん、発車メロディーはTOK.Sさん。



左面はニュース、天気の他、ビューティー講座、駅ビルの案内、沿線自治体のCMが流れま。私もビューティー講座で美の感覚を磨いていきたいと思います。(えっ)

続いてこちら…


市民のSNS投稿。3人の市民の何気ない日常が投稿されたものが、ただただ動画で流れます。meetというこの世界では見たことのないSNSですが、現実で言う所のアノSNSに近いヤツか…?

昨日の設営ですが、佐藤さんはポスティング業者となり、ポストにガシャガシャとお届け物をツッコんでました。

ちょっとこのポストは中開けたり触れたりできないんですが、開けて見られるポストもご用意しておりますので、そちらを是非。

 

おお、どっかビル行ったんすか、って感じのタナゴさんですが、こちらも展示されているビル外観です。中村市内の出ノ町に行ってきた系記念写真も撮れます。ちなみに、再現の経緯レポが気になる方はこちらへどうぞ。

まずギャラリーに入ると、コンビニの店内BGMが流れてるのに気づくんですが、何度も聴くと耳から離れなくなるアルファマート。こうしてコンビニで買いたくなっちまう人間が生まれるのか〜その話は追ってします!


グッズもあります!

さて、東京はコロナ患者が日々発生する魔境になっています。1Fで換気が良いは幸いです。マスクをつけたままご覧いただいて心配が減る方は、お越し下さいませ〜。そんなそんな、今は行き時じゃない…というのも、ひとつ正しい判断かと思います。動画をお待ち下さい(軽く撮ろうかなと)。

では!

<コラボレポ>ポストと雑居ビルと、新しい空想地図の触れ方?(設営2日目)

2020年06月29日 | コラボレポート
こんばんは。
コラボレポート、展示2日のレポートです。

本日は、新しい地図・・・・・・アレッ?おかしいぞ・・・新しい空想地図の展示法模索と、ポスト、雑居ビルについてお届けします。



おおっこれは何だ…!?
雑居ビルです。中村駅で3番目に賑わう大きな街、出ノ町駅北口にあるビルです。1Fがコンビニ、上に焼き鳥居酒屋やカラオケ屋、消費者金融が見えます。こちらはタナゴさん作、彼女のこれまで出たことのない、新たな作風の出現です。ちなみに2Fより上にはどうやって行くんだ?と気になったアナタ、裏側から行けるらしいです。ビルの脇から入ろうとするとゴミ箱がありますからね〜ご注意下さいませ。

そのとなりにポストがある…?


こちら、郊外の新興住宅地、那田沢ニュータウンの、ファミリー層のお宅のポスト。奥様が定期購読する小冊子に、英会話教室や便利屋のチラシ。こういうのってどこも一緒かなと思って見ると…


そうでもない。

あんまりよく見えませんが、こちらは中心市街地のひとつ、中村駅至近にあるマンション。一人暮らしの20〜30代が住んでいます。宅配ピザや駅付近の小売店のチラシが入ります。一人暮らしの都市生活者が多いことや、中心市街地は近隣に店舗が多く、そのチラシが入りやすいのですが、こうしてポストの中身を見るだけでも、どんな街でどんな人が多く住むのか見えてきます。


あちゃー!
えらいこっちゃ…調査員の佐藤氏、ポスティング業者と化して仕上げに入ってます。しかしこのポスト、ちょっと中身が詰まりすぎてます。住人が中身を見てないパターンです。ガスの検針票見ると振替だったので未払いってことはないんでしょうけど、にしても2ヶ月分もそのまま置いとくなんて…

いずれにしても、人のポストの中身を見るという、普段はできない体験ができます。
普段、できそうでできない経験を、銀座で。(なんのキャッチコピーだ…)

で、この場所が気になります。
気にならない…? 気になりましょう。


今回このように、調査結果が見えるスポットをピンで指してみました。
さきほどのファミリー、浜田さん夫婦宅は、公園の多い郊外の新興住宅地。


さきほどの、ぎゅうぎゅうのポストは、横井辰郎さん宅。荒蓋という、市内北部の工業地帯で、下町です。交通利便性が高いことから、都心に通いたい一人暮らしからファミリーまでも多く、最近はタワーマンションも1棟建ちました。新旧が混在する街です。

こんなふうに、スポットから周りが見えてくると、地図から土地勘をつかむはじまりです。あまりにも字が小さくて見えづらいんですが、地図とその他の調査結果、収集品を往復して見てみることをオススメします。


さて。
地図趣味者は、空想地図そのものを見てあらゆることを想像します。その土地の風景や歴史、他の地域とのつながり…行ってきたかのようなリアルな土地勘をつかみます。しかしそんな人は僅か。多くの人は、空想地図そのもののビジュアルを見るのみです。

では、何か解説したほうが良いのか・・・いや〜作者が説明したくて説明してる流れは、私としてはそそられません。設定を正確に伝えることがミッションではなく、見る人が「ここってどうなってんだ?」「何があるんだ?」と興味を持つフックを提供できることが重要です。それこそが私の思う、「地図が万物の目次である」ということ。


そんなわけでピンを今回刺しまくってます。
それも、見どころじゃなくて…

コンビニとかファミレスとか、宅配便の配送センターとか。
全く見どころとは言えない、たまたま今回出てきたスポットをただ愚直にプロットしたものです。

地図が日常が読み解けるきっかけになるか(日常って全部実在しないけれど)…そこの試行錯誤をしています。

そして今日設営していたタナゴさん、佐藤さんのような、一つの合理性や正義を持たず、自身のポリシーは「無」で、あらゆる人になりきる、多様性憑依型の調査員…クリエイターの秘めた才能が、今回出ていまして、なかなかおもしろい展示になっているかと思います。私も楽しませてもらっております。


さて、私からですが、都城市立美術館、東京都現代美術館でも出展していた「市民の忘れ物」(財布の中身…レシート・カード類)も今回登場します。

まだまだ展示設営は一日…ではまた!

<コラボレポ>展示が始まる!? 設営1日目レポ

2020年06月28日 | コラボレポート
こんばんは。お久しぶりです。地理人です。
自室がどんどんスラム化しておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

スラム化している大きな理由のひとつ、「展示」ですが、
いよいよあと数日で始まります。本日はその設営1日目でした。

※7/1(水)〜11(土) 11:00〜19:00 日祝定休

…前回もお知らせしました、こちらの展示になります。



さてさて、わたくし相当な展示素人なので、ギャラリー関連で強い助っ人が何人かいらっしゃって、どうにか設営ミッションを切り抜けられております。感謝。



さて、これまでの展示でも毎回登場していた大判の空想地図、今回は7500分の1の縮尺で出しております。アレッ…?その隣にポスト…?なんだソレハ…?


あれれ…?

この話は明日します。笑


こ、これは…?
この話は、明後日します。



これまで、空想地図と、空想都市上の日常の一面(忘れ物や、間取図等)をあわせて展示していましたが、それが一体空想地図上のどこなのか、わかりにくいものでした。

あらゆる都市の日常の一面があり、空想地図はその目次になる…地図は日常の目次であるとはずっと言ってたんですが、なかなかそれを形にできずにおりました。

今回は、どの部分なのかを地図上に示そう…と思ったのですが!
あれっ?複数箇所プロットすると地図が隠れてしまう…マズイ…

というわけで、3分の1のサイズで作り直し、出直します。


こちらは、コラボレポで何度か登場したホンダノホンダナさんの百貨店包装紙と紙袋。
1960年台のもの(左)、2000年台のもの(中央)、1980年台のもの(右)。おぉ〜。
3種類を見て時代の変化を読み取ることができます。


入口付近のガラス窓に不動産屋の間取図を貼り付けよう〜不動産屋にしてしまえ…と思ったのですが、実はドア前の仕切りがあって(地下への吹き抜け)左に行けません。見れねぇ…というわけで、ギャラリー内に移しました。


さて、今回は「空想調査員が見た、空想都市」という展示ですが、空想調査員とは…。考古学の研究者が、行けない世界(過去の日常)のリアリティを調べ、再現するように、行けない世界(現代の空想都市の日常)を再現すべく、各分野のプロフェッショナルやクリエイターが調査員となって、今回の空想都市展に向き合います。

私も地図・地理面の調査員となりつつ、今回は色々な調査員を招いております。実際の都市が、あらゆる多様な人々が集まる場になるのと同じく、空想都市も都市の日常性をみつめて楽しむプラットフォームになれば、と思っています。

まとめている場合じゃない!
なんと、まだ、できてないものもあるのです。みんなで直前仕上げ

それではまた明日〜


<コラボレポ>展示情報「空想調査員が見た、空想都市」

2020年06月19日 | コラボレポート
みなさま、お久しぶりです。

市外局番地図が飛ぶように売れまして、皆様ありがとうございます。
200部増刷したのに、もうすぐなくなりそうでして、今度はもう少しパワーアップしようと思います。(パワーアップと言っても、市外局番の数字を大きくできるところを大きくする、とかですが…)

最近の私ですが、なかなかにアタフタしています。


こちら、まもなく展示が始まるのです。
これまで「コラボレポ」と題して、Mr. Denshaさん、ホンダノホンダナさん、キシリ徹さんが中村市の一面を再現する様子をレポートしましたが、それはこの展示のためでした。

2020年7月1日〜11日@東京・銀座八丁目 ART FOR THOUGHT(最寄り駅は新橋)
※在廊日については未定
※開廊時間も未定(確認中です…こんなご時世なもんで…)


こんなご時世なのに展示かよ、って感じではありますし、半年前に同じ東京で展示したばっかりだったので、このタイミングで何を展示するのだ…半年前と同じものを展示するのも違うし、かといって新作をバンバン作る余裕はないし…。

かねてより、私一人で新作を作らなければ何も進まない…というワンオペ限界問題を感じていましたが、いよいよそれを解消する契機かもな…と思うに至りました。

マニアフェスタの主催、別視点も2人が核になって何人もスタッフがいるし、同じく空想地図作者のらのさんは、気づけば彼女のレイナさんを引き込んでユニット化しているし、架空CMソングのキシリ徹も、2人を核にして何人も集まっているし……こちとら何年経ってもワンオペやねん!カァーッ!とエンジン噴射できる程度の憤慨は溜まっていました。

空想都市を、あらゆるクリエイターが参画するプラットフォームにし、五感で感じる都市を再現する、という構想は(10年くらい前から)ありました。なぜ今まで棚上げになっていたかって、人に何かを頼んだり、誘ったりということがとても苦手だったから…なんですが、そうも言ってられん!というわけで立ち上がりました。

そうたくさん報酬をお出しできる訳でもないので、5人くらい参画してくれるとイイナ…と思ったら、気づいたら10人です。ありがてぇ…!そして大変です。

どんな方々なのか…作家の顔ぶれを紹介します。

「作家参画」の方々が私の他に10人いるんですが、展示物に少し登場する方々(補助参画)もいます。その他関係者の方も含めると、連絡すべき人は16人。気をつけるべきは、「作家参画」の10人のうち、もともと面識があったのは2組だけで、出身コミュニティがバラバラなのです。

私自身がいろんなコミュニティをほっつき歩くため、いろいろな異なるコミュニティの養分を混ぜ合わせると私になるんですが、それを象徴したメンバー構成とも言えます。

コミュニティや複数の友達がいるところから何かを始めようとする流れではなく、完全に、今回の趣旨に合うなと思った方を一人ずつお誘いした結果、気づけば全く共通点のない、共通の知り合いのいない数人が集まっていました。

先日ZOOM顔合わせをしまして、珍しく場のファシリテーションみたいなことをしたんですが(私以外の人が全員画面越しに初対面、という人がほとんどの中で、フリートークどうぞ!って訳にいかないからね!)、改めて良いメンバーだと実感しております。皆さん、自身の本業や興味範囲より少し外側も含めて見渡せて、自分の技量を客観的に捉えていらっしゃる。プロってこういうことなのね…。

顔合わせを終えて、よくこれだけの人々が集まってくれたなぁ…と、少々震えそうな状況ですが、おもしろいのは、自分の担当したところ(作ったところ)でも、どこか他人事のように説明していたこと。自分が一番関わっているのに、他者目線で向き合い、意見する…皆さんが普段からそうなのかどうかはわかりませんが、完全にこれ、私が空想都市(空想地図)を描くときの姿勢なのです。空想都市が、人をそうさせてしまうのかどうかはわかりませんが、この視点さえ共通で持てば、得意分野が遠くても、空想調査団として同じ(空想)都市内で活動できる、のかも知れません。

さて、それだけ言うならどんなものができているのか…?
それをお伝えしたいんですが、なんと、展示1週間半前にして、全部完成している人は誰もいないのです。私の空想地図の改訂もまだです。なので、展示開始以降お知らせします。

さて、さきほどのカラフルな表をご覧ください。絶対に連絡漏れが発生する自信があるので、この表の右にチェックリストの欄を作ってどうにか進行管理しようとしています。こんなん会社員以来10年ぶりではなかろうか…。

問題は連絡手段です。Facebook、Twitter、メール、LINEと連絡手段もバラバラ。どれかに揃え…ようにも難しいので(メールは面倒だし)、Slackに統一すっか!と思えど、まだ叶わず…。結局まだそれぞれの連絡手段での連絡が続きます。

「綿谷エリナ」の欄、「事務所」って書いてあります。なんじゃこりゃ!?
なんなら彼女はFacebookでもTwitterでも連絡はできるんですが、彼女は事務所所属、声の仕事は本業になるので、「事務所を通して〜」とのことでして。まさかのマネージャーさんとメールでやりとりすることに。薄謝と私の準備の甘さに「その体制じゃ無理です」って言われるな〜と逃げ恥…じゃなくて逃げ腰でメールを送ったのですが、まさか通ってしまい、原稿を送った翌日に音声が来てしまい…!こりゃスゴイ

彼女、本当にコンビニの放送やるかもしれなかった人なので、ホンモノもホンモノなのです。これ、たぶん会場でしか聴けないので、気になる方は会場へお越し下さい〜(こんなご時世ですが。たぶん、空いてます)

他のクリエイターも一人ずつスゴイので、追って紹介致します〜。
色々準備が間に合わない〜ではまた!

川のある路線図に、乗り入れグラフィティ(超・路線図)

2020年05月25日 | コラボレポート
先日より連投で紹介している超・路線図。
最初の記事ではJRと私鉄、地下鉄を全部載せする話、次の記事では運行間隔を太さで表現する話をしましたが、一番やりたかったところをまだ言っておりませんでした。

乗り入れはグラデーションだ・・・

東京の地下鉄は、世界的に見てもなかなか珍しい「乗り入れ」を行っています。首都圏在住者は日本の4分の1だけで、それ以外の地域に住む人のほうが多数派。何やら意味不明の単語が出てきたかと思うので、説明致します。首都圏の人は灰色の文字を読み飛ばしましょう〜

京急線の羽田空港駅のホームに「青砥(あおと)行」の電車が止まっていることがあります。この電車、終点の青砥に着くまでに、いくつかの会社の路線を通って行きます。品川までは京急電鉄の線路、品川からは都営地下鉄の線路、押上からは京成電鉄の線路を通ります。

羽田空港…〈京急線〉…品川…〈地下鉄浅草線〉…押上…〈京成押上線〉…青砥

このとき、乗り換えはなく、さきほどまで京急線だった電車は、気づいたら地下鉄になり、気づいたらまた別の会社の線路を走っています。地下鉄は都心部を縦横無尽に結ぶもので、都心近縁から郊外まではJRや私鉄が伸びています。都心、とりわけ山手線内は地下鉄(以前は路面電車)で網羅する方針だったので、JRや私鉄は(中央線を除いて)路線が作れない状態でした。地下鉄は郊外に延伸することもありましたが、私鉄線とつなげて、郊外から地下鉄線に直通したほうが双方良いだろう、ということで、相互乗り入れ(私鉄、地下鉄の各社が相手方の線路に乗り入れる)流れが生まれます。東京では、地下鉄13路線のうち、9路線が他社線とつながる「乗り入れ」を行っています。

この「乗り入れ」を路線図上で表現したい…
同じ電車に乗っているうちに気づいたら他社線に入ってた感じ…を表現したい

渋谷駅は、東西を結ぶ東急田園都市線(緑)⇔地下鉄半蔵門線(紫)と、南北を結ぶ東急東横線(赤)⇔地下鉄副都心線(茶)と、2つの乗り入れがありますが、その他にも多々、乗り換えを実施している駅があります。そのためにはグラデーションだ・・・スーッと変わっていく感じが、スーッと表現できていれば幸いです。



押上は2路線あるのだが、見にくかったか・・・クーッ…クヤシイ…

心の境界、川を描く

今回、超・路線図には大きな川を必ず入れるようにしました。というのも、地上を走っている限り、車窓を見ようとしなくても、大きな川を渡っていることには気づきます。都市部では、建物がずっと続く車窓が、突然広い空が現れ、ガタンゴトンの音も大きくなります。そして、川の向こう側は心理的に遠く感じる、といった、行動範囲の壁になっています。川と川に挟まれた範囲内は心理的に近い気がするように、川は地図に記すべき大きな境界になっています



上の路線図は、東京23区の東側です。一番左の川が隅田川、真ん中は荒川、右の川は江戸川です。隅田川より西(左側)はオフィスビルの多い都心部です。隅田川と荒川の間は、古い家屋と新しいビルがひしめき合う、古くからの下町です。そこから江戸川までの間は、マンションや戸建て住宅が増え、下町と郊外の間、といった印象です。江戸川より東(右側)は千葉県です。川はこうした、地域の雰囲気の境界でもあるのです。


こちらは東京都多摩地区の、多摩川中流部です。左上から右下に続く川は多摩川ですが、このあたりに住んでいたとしたら、自分が川のどちら側かはすぐに思い当たるはずです。川は自分の居るところを指し示す座標になっているのです。



そういえば、前記事で紹介した「運行間隔を太さで表す」件で言い忘れてたことがありました。ピンクで描かれた京王線や水色で描かれた小田急線は、何本も太い線が重なっています。各駅に止まる便の他、特急、急行、準急や快速等、さまざまな停車パターンの列車がいます。この路線図には、それぞれ特急か急行か快速か、ということは書いていません。そこまで書ききれないのもありますが、詳しくは経路検索や、各社の路線図で調べてもらえれば、と思っています

ここで伝えたいのは、ほとんどの電車が止まる主要駅か、各駅停車しか止まらない駅か…その程度の情報提供にとどまりますが、その程度の駅の違い、温度感…を伝えたいのです。多くの電車が止まる駅は、付近に住んでいたら覚えていた方が良いでしょすい、大きな街でもあるでしょう。逆に家賃を抑え、こじんまりした街に住みたい場合は、各駅停車しか止まらない駅を選ぶのもオススメです。そんな駅や街の規模感が、なんとなく一目で一望できる路線図を目指しております。


最後に、首都圏版の超・路線図を作り終わったら…京阪神版に着手してみたんですが、途中まで作ってやめてしまうという私の悪い癖…。京都、神戸方面を作る前に中断しております。阪急、阪神、京阪、近鉄、南海…と、関西私鉄のダイナミズムを感じさせられます。ちょっと前に作ったので、梅田→大阪梅田の駅名変更や、おおさか東線等が未反映のまま時が経ち…。阪急梅田、本当は北から南に刺す感じで配置したかったけど、これだけの太さを刺すスペースがなく、なくなく横に…。


なお、アレンジ版で、京都のバス路線図も作ってみようと試みました。というのも、京都の路線バスは、市バスだけの路線図をよく見るのです。でも市バスだけじゃない…京阪だってあるし他のバスもある…ということで色々載せようと試みます。が、これもまだ途中。一体いつできるのでしょうか。こうして放置している間に路線網や本数も変わってくるんですよね…。汗


超路線図、まだまだ在庫あります。売り切ったら、羽沢横浜国大、高輪ゲートウェイ、虎ノ門ヒルズ駅開業を反映した新版を印刷しようかと思います(現在販売中のものは昨年春印刷のため、薄く印字されています)。それではまた〜