まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

市川美季さんのこと

2008-09-01 00:10:51 | まちづくりの仲間達
8月28日(木)、私用で長野に行ってきました。
長野駅から少し西に歩くと、善光寺まで綺麗な直線を描く表参道が続きます。善光寺の参道は、なだらかな上り坂で徐々に高さを増す街並みは趣きがあります。
参道の両脇には、景観に合わない高層マンションがいくつか目に付くものの、以前は味気なかったこの道も、ずいぶんとお洒落で魅力的なお店が増えたように思います。

参道の左手側ちょうど中ごろには、腰休めにちょうどよい喫茶店があります。
数年前、出張時に、たまたま見つけたお店でした。
この喫茶店はいわゆるベーカリーカフェで、パンがたくさん置いてあるのですが、ただのベーカリーカフェではなく、かなり特別なベーカリーカフェでした。
店の説明によれば、長野県はパン屋が大変多いそうで、他県の2倍、しかも県内各地にキラリと光るこだわりのパン屋がたくさんあるとのこと。その素敵なパンを是非多くの人に食べて欲しいという願いから、パンの百貨店(25店舗100種以上)とも言うべきこの喫茶店「Bakery's Street & Cafe」ができました。喫茶店としての特徴もさることながら、店内には長野の地域情報誌「日和」が置いてあり、無料ながら雑誌としてのクオリティの高さにびっくりしたものです。
このカフェができるまで、この参道にはゆっくり休める場所がありませんでした。善光寺までは結構な距離があるのでバスで移動する人が多いのですが、私はこのカフェがあるので参道を歩くのが好きでした。

このカフェと地域情報誌が、いずれも市川美季さんの仕事の一端だったとは、最近まで知りませんでした。初めてお会いしたのは、ローカルデザイン研究会のゲストとしてパートナーの荒川清司さんとともに登壇された2006年のこと。同会では数回お会いしたように記憶しています。何でも受け止めてしまいそうな懐の深さと、お茶目な笑顔が印象的な方でした。
その市川さんは今年8月1日に47歳の若さで急逝されました。喪主の荒川さん曰く、「パソコンを間違えて強制終了してしまったように突然」のことだったそうです。28日は、その市川美季さんのお別れ会が長野市内で開催されました。お別れ会では故人を偲ぶ素敵なギャラリーが併設され、エッセイストの玉村豊男さんや小布施の市村次夫さんなど、参列者の皆さんがそれぞれに思いを馳せていらっしゃいました。

この日の長野は雨でした。
会場を去ったあと、長野のまちづくりに多大な貢献をされた市川さんの偉業に触れるべく、喪服のまま参道を歩きました。多くの観光客が訪れる「ぱてぃお大門」では、中庭やインテリアショップ、日和カフェをプロデュースされたほか、テナント集め等に奔走されたそうです。
門前のJA直売所「門前農館」にて、市川さんが編集した地域情報誌「KURA」と「ガイドのとら信州大人旅」などを購入しました。「門前農館」では、市川さんを始め編集部総出で開店準備をされました。店内は近所のおばちゃん達の憩いの場として定着しているようです。売り子のおばちゃんに市川さんの葬儀があったことを告げると、残念がっていらっしゃいました。

当然ながらこの日は、葬儀の関係で、ぱてぃお大門の日和カフェと表参道のベーカリーカフェは営業していませんでしたが、長野に行かれる方は、是非お寄りいただければと思います。

Bakery's Street & Cafe
http://www.country-press.co.jp/re-pro/bc/welcome.html
日和カフェ
http://www.country-press.co.jp/hiyori/
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