まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

環境福祉

2005-03-04 09:00:00 | まちづくりのキーワード
環境福祉学入門

環境新聞社

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現代の都市生活では、生活の3要素である『衣服・食物・住居』の全てを、積極的に外部化してきた。
何故ならこの3要素を外部化することが、土地に依存することなく、効率重視の工業化社会を実現可能にしてきたからだ。
しかし、生活の3要素全てを他人任せにすることで、人間が生きる実感までも失ってしまった、東京農業大学進士五十八学長は、このように指摘する。そして昨今の田園居住への潮流は、『人間性回復欲求の高まり』であり、人間らしく生きることの大切さを知るためには、残念なことに、都市での悲惨な生活を体現しないことには、辿り着かないとも言っている。
グリーンツーリズムの隆盛や、農山漁村でのフリースクールが人間性回復に効果があるのも、能力の外部化による弊害が解消され、生きる実感を体験できるからではないだろうか。
同氏は、食と農の体験を求める活動に、これまでの二派(下記参照)以外に第三の新しい流れが体系化されたと言う。

”有機農業”派:安全で新鮮な食物を重視する。
”市民農園”派:育てる喜びや仲間との交流を楽しむ。
”園芸療法”(horticultural therapy)派:古くからある箱庭療法に基づく癒し効果、趣味性、娯楽性、鑑賞性を期待する。

同大の伊東豊講師は、園芸療法をさらに拡大した”agricultural therapy”の必要性を確立すべく研究を行っているそうだ。

進士氏は、以上の大きな流れを、金銭の対価として得られる福祉に対して『環境福祉』と名付け、その必要性を説いている。生活3要素の外部化見直し運動は、環境問題を包含しながら、今後ますます活発になるだろう。
ゆとり教育が十分な評価検討がされないまま見直しを迎えるが、ゆとり教育が目指した「生きる力(※)」の中に、生活3要素の視点が必要だったのではないだろうか?ただ、これは学校現場だけへのお任せ教育や、家庭内教育という個人的な問題としてではなく、いかなる年代にも必要な事柄であるので、地域社会全体で取り組むことができたなら、素晴らしいと私は思う。まちづくりの数多い協議において、検討事項の一つとなれば嬉しい。

※生きる力
⇒自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性および、たくましく生きるための健康や体力。

美しい国づくり ランドスケープ・アーキテクト展@「食と農」の博物館~3/20迄

進士五十八氏(東京農大学長)の意見集(東京農大HPより)

日本の市民農園一覧(笹山登生さんの田園リンクより)
全国市民農園事例129 一覧

秋川ファーマーズセンター@あきる野市(タキイ種苗株式会社発行 園芸新知識1月号掲載(2001)より)

片平楽農倶楽部@川崎市麻生区
同地レポート

田舎の学校HP

NPO法人日本園芸福祉普及協会
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