まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

生きる上で必要な4つの幸せ

2008-11-09 22:19:18 | 心を捉えた言葉たち
(▲日本理化学工業の筆記具「キットパス」で飾られたグラス)

11月3日に放映されたテレビ東京の「カンブリア宮殿」を録画で見ました。
放送内容の見出しは「障害者に働く喜びを」とあり、ゲストは大山泰弘さん(日本理化学工業株式会社会長)でした。

私たちが子どもの頃にお世話になった学校のチョーク。学生時代に塾の講師をしていた頃は、使う立場でお世話になりましたが、数時間の授業を終えると、掌の皺がくっきりとわかるまでチョークの粉にまみれ、飛び散る粉が喉に入り、悩まされたものでした。
そのチョークも、現在は技術開発により、粉の飛びにくいチョークが主流のようで、ダストレスチョークで国内シェア30%を占める同社は、従業員74人中、実に7割を超える54人が知的障害者だそうです。しかも知的障害者の採用実績は、約50年の歴史を持っています。

実のところ、障害者の雇用環境には大変厳しいものがあり、(初めて知った時はあまりの低さに愕然としましたが)その平均賃金は、厚生労働省が行った調査によると、調査対象全施設の平均工賃(賃金)で、15,257円(平成18年度実績、月額)というのが、今の日本社会の実態です。このような環境の中、同社は神奈川県の最低賃金月額12万円(+諸手当)を維持しながら、一企業として優れた商品を社会に輩出するとともに、生産ラインにあわせた働き方ではなく、働く人間にあわせた生産のノウハウ、さらに「働くことの本来の意義」や「あらゆる人が参加する社会のあり方*」といった今の社会に欠けてしまった大切な価値観を、私たちに教えてくれているように思います。

特に私の心を捉えたのは、大山さんが禅僧から教えられたという『人間の4つの幸せ』でした。

◆人間の4つの幸せ~ある禅僧の言葉から◆
  1.人に愛されること
  2.人に褒められること
  3.人の役に立つこと
  4.人に必要とされること
 この4つのうち3つ(2~4)は、働くことによって得られる。

ここに文字にして、改めて眺めてみると、あることがわかります。
4つのうち3つが受け身であるのに対し、3番だけは主体的。しかも「役に立つ」という行為には、必ず努力が伴います。人は、努力なく褒められ、必要とされるよりも、努力した行為がそのような報酬をもたらす方が、より幸せを感じます。そして意識するかしないかに拘らず、人は誰しも「役に立ちたい」という思いを潜在的に持っているもの。内に秘めたるその思いが、見送られることなく「表現できる場」が身近にあるか。企業の経営者にとっては、あるいは、まちづくりのリーダーにとっては、そのような「場」をきちんと提供できるか、さらに大小のそれらの思いを、一つに束ねて大きな推進力とすることができるかどうか。そして自分自身が、その「場」に、人々の幸せにどのように関わることができるのか。その役に立つことが、私自身の幸せ。


* 欧米では、これまでのように類似性によってグループ分けし、境界線を明確にすることよってウチとソトを区別する社会(exclusive society)から生まれる様々な弊害の反省から、「social inclusion」等の用語とともに、多様なものを内包することによって活力を生み出す社会(inclusive society)を求める活動が普及しつつある。

<参考>
番組では、障害者の雇用がテーマとなっていましたが、番組で紹介された同社の商品力にも強い印象を受けました。とりわけ目を惹いたのが、ガラスや壁、冷蔵庫など、表面がツルツルした場所なら何処でも自在に描き消しできる筆記具キットパスです。今後ますます増えるワークショップには、非常に役立つ道具になるのではないでしょうか。
日本理化学工業のキットパス 使い方いろいろ
http://www.rikagaku.co.jp/items/iroiro.htm
カンブリア宮殿 11/3放送概要
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/081103.html
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