まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

「絵コンテはつくらない」映画監督・周防正行さん

2019-01-20 02:24:27 | 心を捉えた言葉たち
NHK総合『SWITCHインタビュー達人達 周防正行✖️玉川奈々福』11月19日放送
http://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2019-01-19/31/11127/2037199/

映画vs.浪曲による異業種エンタメ対談。いずれも各業界の売れっ子で、非常に興味深い内容でした。
映画では、是枝裕和監督の会社「分福」も現代的な企業組織として面白いですが、同じ映画監督の周防正行監督の映画づくりも円熟味を増し、時限付き職能集団の可能性を最大限に活かしている点で組織論の最先端だと感じました。このインタビューでは、その映画づくりの舞台裏が紐解かれます。

映画づくりは演劇同様、場づくりの積み重ねをカメラで切り取ったもの。作品の仕上がりイメージをコントロールする絵コンテを作らないという、業界ではかなり異色の方法論です。絵コンテを作らない理由は、監督のイメージの範囲でしか作品が作れないから。俳優は俳優の、カメラはカメラの、各パートの専門職に委ねるというのです。通常は監督が各パートに指示を出していくのが普通ですが、周防監督の場合、各パートの専門家に意見を聴きながら一緒につくる共同作業といった雰囲気が色濃く出ています。大声を出して叱ると、叱られた人は萎縮して、二度と意見を言わなくてなるので、何を言っても大丈夫だという安全な場が生まれるように細やかな神経を使っています。
周防監督の映画づくりについて、ここまで詳しく語られたインタビューは初めて拝見しました。

地域や組織の活性化を模索する者にとって、異業種からの学びは示唆に富むものがあります。
玉川さんが語る浪曲の魅力も大いに惹きつけられました。

▼参考「映像プロデューサーの働き方とキャリア開発」山下 勝 (青山学院大学教授)
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2016/01/pdf/058-069.pdf
以下、抜粋
「米国の映画産業を救ったのは 1970 年代以降に現れた,メジャースタジオの外にいた独立プロ デューサーたちであった。彼らは自由な発想で斬新な映画をつくってヒットさせることで,映画産 業を見事に復興させた。」
「メジャースタジオの外にいる独立プロデューサー は,自身の判断で監督や俳優を自由に組み合わせ, 消費者の観点に立って面白いと思える企画だけを製作できた。」
「プロデューサーは芸術家である監督とビジネスを志向する映画会社の間で微妙な 調整を行うことになる。「アート対ビジネス」の構図で言えば,アートが優勢となる中で,それでも最低限ビジネスとして成立させねばならないからである。」

こちらもオススメです。
『プロデューサーシップ 創造する組織人の条件』山下勝著
https://www.amazon.co.jp/dp/4822250555/ref=cm_sw_r_cp_tai_Mf2qCbS6D69Z8

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