晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

けん化

2012年06月09日 23時25分48秒 | 化学のお話
塩基(例えば水酸化ナトリウム)などを用いて油脂を加水分解することで、グリセリンと脂肪酸塩が得られる反応を、特にけん化と呼びます。

油脂を構成する脂肪酸が分子内に3種類(R、R’、R”)あるような油脂を水酸化ナトリウムでけん化したときには、以下のような化学反応となります。

CH2OCOR

CHOCOR’ + 3NaOH → グリセリン + 3種類の脂肪酸Na

CH2OCOR”

※3種類の脂肪酸Na: RCOONa、R’COONa、R”COONa


この反応は実質的に、エステルからカルボン酸塩とアルコールを得る反応でもあることから、

エステルの加水分解のことをけん化と呼ぶこともあります。


けん化(エステルの加水分解)はエステル化の逆反応になりますので、反応機構も含めてセットで把握しておく方がよいかもしれません。




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