そもそもサンパウロに行く予定はなかった

わたしの最初の計画では、リオからペルーに回る予定でした。
それが、サンパウロ行きに計画変更となったのは、ブーズィオスからリオに戻った後、わたしも風邪をひいて２日寝込んでしまったからなのです。

「ブラジル３日～６日目　この世の楽園、Buziosへ」の最後に書いた、DENの風邪と同じような症状で、発熱、嘔吐、下痢のため、リオのホテルを延泊して２日寝ていたのです。
そのため、ペルーのホストファミリーのいる町に行く前に寄ろうと予定していたクスコ、マチュピチュへ回る計画を、日程的にも厳しいことと、高度が高いため病み上がりの体では負担が心配だったため、サンパウロ行きに変更したのでした。

風邪を引いて２日寝た次の日、サンパウロ行きの飛行機を手配しに町にでかけ、その夜はリオにいた友人達と夕食をとって、翌朝の飛行機でサンパウロに到着しました。
その日は、胃にやさしいものが食べたいと、サンパウロの日本人街に出かけ、お茶漬けを食べました。ついでに、焼酎のお湯割を一杯、飲みました。
前の夜、友人達と夕食をとりながら「焼酎のそば湯割が飲みたい～」と盛り上がって、ためしに現地ブラジルの蒸留酒「ピンガ」をお湯割にしてみたりしていたので、一杯の焼酎は最高でした。

早めの夕食を済ませ、ホテルに戻った後は、「今日は少しのんびりしよう」とホテルで本を読んでいました。その時までは、風邪も治ってすっかり元気、「明日はどこに行こうかなー」という、のんびりした状態だったのです。

経験したことのない胸の痛みで目が覚めたのは、翌朝の早朝、５時か５時半ごろでした。
喉から気管、または食道あたりが、焼けるような痛みでした。
痛いのか熱いのかわからない感じ。
わたしは最初、火事か毒ガスかと思ったのです。

１６階のホテルの部屋の窓から、下を覗いてみると、カーニバルの前だからなのか普段からそうなのかわかりませんが、多くの人が打楽器をたたいたり歌を歌ったりしながら道を歩いていました。
ホテルに異常はなさそうでした。
次に、部屋のドアを開け、廊下を覗いてみました。
煙も出ていないし、騒ぎも起きていませんでした。

「毒ガスじゃないな・・・」と安心し、しばらくしたら痛みも治まるかと体を屈め、胸を押さえるようにして我慢していたのですが、経験したことのない痛みは強くなるばかりでした。
「これは、我慢してちゃダメだ・・・」

わたしは、迷ってる場合じゃないと、病院にいくことを決めたのでした。