ブルゴーニュにうってつけの日/ANGEL'S SHARE

世の中にワインと称するお酒は数あれど
やっぱりブルゴーニュに勝る銘醸地は無しと
思うワイン日記

むかしの味④~南千住「尾花」

2005年02月23日 | Weblog
風邪のおかげで体力が低下ぎみなので鰻食ってビタミン補給しようと南千住の尾花へ行く。よく東京一の鰻屋といわれる店。平日だがお客は一杯だった。鰻の値段は高くないがサイドメニューは結構高い。出てくるまで30分は待つのでつまみを取って酒でも一杯なんてやってたらとても高いモノにつく。よく焼き鳥が美味いと書いている人がいるので頼んでみたけど900円も出して食べる価値は無い。肝心の鰻はふわふわでとろける程の柔らかさでまあ旨いといえる。ゴハンも熱々状態で出てくる。東京一かと訊かれると?そうかなぁと思うけど、並ばないで済むなら又来たい。まあ普通にうな重だけ頼むのが無難なところだろう。それよりはすぐ側にある小塚原の刑場跡地の方が見る価値がある。徳川幕府の有名な処刑場で江戸時代20万人以上がこの地で首を切られ処刑されたらしい。有名どころでは幕末安政の大獄で吉田松蔭、橋本左内がここで処刑されている。また由緒書を読むと前野良沢,杉田玄白らが腑分けをしたというか見学したのもココ。今はその名も首切り地蔵という死者を弔うお地蔵様とそばの回向院に墓地がある。墓地の中には2.26事件の磯部浅一の墓もあるらしい。現在は常磐線と日比谷線に囲まれ目立たないとこにあるが、人気もなくなんとなく残留思念が渦巻いているようで夜は近くに寄りたくない雰囲気の場所だ。磯部に関してはずっと興味があって2・26関係は学校で高校生ぐらいに教えれるぐらいの知識はある。彼の処刑を前に記した獄中記は鬼気迫る記述が満載で、有名な一文に「何にヲッ、殺されてたまるか、死ぬものか、千万発射つとも死せじ、断じて死せじ、断じて死せじ、死ぬることは負ける事だ、成仏することは譲歩する事だ、死ぬものか、成仏するものか。悪鬼となって所信を貫徹するのだ、羅刹となって敵類賊カイを滅尽するのだ、余は祈りが激しくなりつつある、断然地獄にゆく、....残忍猛烈な鬼になるのだ、涙も血も一滴ない悪鬼になるぞ」とある。彼は自決を拒否し、軍事法廷で5・15の再現に賭けたのかも知れないが、戒厳令下の全くの暗黒裁判で死刑判決を受け、英雄にもなり損ね、神と崇めた天皇にも結果見捨てられた形になった中で銃殺されて逝った。墓地に入って磯部の墓標を確認しようと思ったが羅刹云々の文章を思い出して怖気づいて止めた。今度、尾花に来たらもう一度訪れてみよう。