ブルゴーニュにうってつけの日/ANGEL'S SHARE

世の中にワインと称するお酒は数あれど
やっぱりブルゴーニュに勝る銘醸地は無しと
思うワイン日記

北朝鮮外交の真実/原田武夫著等々

2005年04月30日 | Weblog
テレビを観ていてゴッホ展でも行くかと思い立ち、朝から竹橋の東京近代美術館まで出かけて観たが入り口に並ぶ行列に恐れをなして踵を返した。しからば連休の間まとまって読書でもしようと毎日新聞社の1Fの小さな本屋に入った。最近の新聞に載っていた、この毎日新聞に関わる記事を思い出した。この新聞社を揺るがした外務省機密事件の被告でこの新聞社記者だった人が国家賠償の提訴をしたという記事だ。山崎豊子が文春でこの事件をモデルにした「運命の人」という小説を今年の初めから連載している。その記者の名前を取って西山事件ともいわれている。Wikipediaで調べるとこの事件が遠因になって毎日が学会の支配を受けるような今日の現状に陥ったといってもよい。澤地久枝がこの事件を扱った中公文庫「密約~外務省機密漏洩事件」を読みたかったがAmazonで検索したら在庫切れだった。外交に関する本ということではムネオ事件の外務省のラスプーチンこと佐藤優著の「国家の罠」はとても面白かった。こういうアツイ外交官もいるのだなぁと思った。彼はノンキャリだが、バリバリのキャリアで先月まで現役だった人の書いた本が話題になっていたので今日はそれを買って読んだ。ただ本人も中に書いているがいわゆる暴露本ではない。そういう意味では期待はずれ。北朝鮮外交の内幕はそつのないキャリアらしく秘密の暴露みたいな事はひとつも書いていない。ちょっとした内輪話の披露程度で、あとは著者の戦略なき日本の外交への警鐘だ。ただ徹底批判しているような外務省のダメさ加減はいまや世間周知の事実で、だからといって戦後民主主義の日本社会の抱えるすべての問題と繋がっているような病根がすぐどうにかなるものでもない。テポドンを30発落とされるか、労働1号が10発ぐらい首都に落ちて山手線の内側が東京湾に沈んで、沖縄諸島あたりを八一軍旗に武装占領でもされないと変わらないんじゃないだろうか。この本で良かったのは余所から引用だが北朝鮮国内のレアメタル資源分布や九兆円相当とも言われる戦前の日本企業の投資内容、またネットワ-ク理論を駆使した外交分析などは面白かった。でも買ってまで読む価値があるかといわれれば?むしろこの本で何度も紹介されている安田雪の本を読みたくなった。この本の印税も著者がメールマガジンで書いてるどっかの客室乗務員とのデート費用に消えるのかな?書いた本比較しただけではこの著者が外交官辞めても国益になんの損害もないが、ノンキャリとはいえラスプーチンが国策捜査で外務省をパージされたのはちょっと残念だ。今日は他に東野圭吾著「さまよう刃」向田邦子著「思いでトランプ」角川源義著「源義経」を買った。
明日からは1週間程東京を離れるつもり。

神奈川近代文学館「三島由紀夫ドラマティックヒストリー」

2005年04月29日 | Weblog
暖かいというより朝から汗ばむ陽気。GW初日だが特に予定もなし、仕事のことはすべて忘却の彼方。中華街で朝食に朝粥を食べてぶらぶらと港が見える丘公園まで散策、目的はインターネットでみた神奈川近代文学館で開催中の「没後80年三島由紀夫記念展」を観に行くこと。会場は広くはないが展示内容は濃かった。この早熟の天才作家の軌跡が要領よく纏められていた。あまり三島を知らない人でも結構面白いのではないだろうか。なかでも学生から大蔵省に入る頃の日々の小遣い帳みたいのまで展示されいるのが面白かった。楯の会制服が見えたのも良かった。三島という人は写真で見るとイガグリ坊主にゲジゲジ眉、ぐりぐり眼で筋肉ムキムキのマッチョなイメージだが、実は身長が低くてたしか160ぐらいしかなかったはず。制服もだから小さかった。これは堤清二(辻井喬)に頼んで西武百貨店で作ったものと読んだことがある。正直あまりカッコ良くない、当時マスコミからオモチャの兵隊ごっこと嘲られたのもこのセンスの悪い指揮官服を見ると判るような気がする。展示物の御終いの所に有名なドナルドキ-ン宛の「小生もとうとう魅死魔幽鬼翁になってしまいました云々・・・」ではじまる最後の手紙の実物があった。三島は筆まめな人だった、最近でも書簡集が2冊出ててたくらいだ。まだまだ未発表や秘蔵されている手紙や葉書のたぐいはかなりあるだろう。なかでも川端康成宛の発表されていない最後の手紙あるといわれている。最近でた三島本のなかで若い頃三島の追っかけだった瀬戸内寂聴が弟の千之氏がどっかの大使しているときに再会して思い出話をしていたときに兄貴が最後の頃は随分川端氏の事を恨んでたという秘話を明かしたという事を書いていたが、これが巷間いわれる楯の会1周年記念パレードの祝辞を頼んで断られたときの感情のもつれかまたはノーベル賞を巡る暗い嫉妬心なのか、川端康成の自殺原因も三島に絡めて語られることが多い。「眠れる美女」が三島の代作だなんてことは当たり前のように語られている。トンデモ話の類いだが、てにをはの用法分析して間違いないと決めつけている研究者もいる。(でも川端康成も雪国や伊豆の踊り子のイメージが強いがみづうみや片腕といった変な感覚の小説一杯書いてるし美女だけが特段、らしくないということはない。)三島がノーベル賞受賞にものすごい拘りをもっていたことや川端受賞がきまってもう自分にはチャンスがない次は大江健三郎だろうと予言してたこと、楯の会を作る時に自衛隊の情報将校からその本気度を問われてノーベル賞は諦めた自分は文士ではなく行動家でいくと決意表明してけ突っ走りだしたこと。三島=川端=ノーベル賞をめぐる関係は今後も隠れたエピソードが出て来そうで興味ぶかい。この文学館はロケーションもイイし、5月の末には猪瀬直樹氏の講演もあるのでそのときまた行く事にしよう。

アルフレッド・グラシアン キュヴェスペシャル NV~第二十六章

2005年04月26日 | ワイン
久しぶりに横浜にMr.Gを訪ねた。連休中に飲むワインの仕入と近況報告も兼ねての訪問。先月に行った中央葡萄酒のテイスティングの感想やグレイスの「甲州」に関するよもや話、業界の裏事情を聞いたり、あるグルメHPに纏わる裏話等で盛りあがった。思えば時たまココに尋ねさせてもらうようになって6年くらい経ったか、専門誌で何度かこの店の事やMr.Gの事を目にし一度是非いってみたいと思ってた。初訪の時、事前アポを取ってから行くというこの店のルールを知らずに、アポなしで行ったら店のシャッターが閉まっているので戸惑った。せっかく大阪から来たのに休みかぁと思いながら、未練がましく店に前を行ったり来たりしてながらシャッターに顔をくっ付けて泥棒如く中を覗いていたら、TVモニターでこちらを見てた奥さんが見かねて開けてくれたのを思い出す。それはある意味ワインの深遠な世界に嵌りこむ禁断の扉を開けてしまったのかもしれない。アポが必要なのは別に構えているわけではなく、留守が多いのでせっかくきてくれる人に申し訳ないという気持ち。Mr.G自身は親しみ易いとても素晴らしい人だ。関西に住んでた頃は実店舗を訪れるのは精々年1回か2回。後はメールと電話で年に何回かワインを送ってもらったりしてた。今は行こうとおもえば家から30分で行ける、何時でも行けるとなると返ってチャンスが無いものだ。今回はJ.シャトランの新作キュヴェのシャブリ2003とそろそろシャンパンが飲みたい季節なので久しぶりにグラシアンを購入。来月の再訪を約して店を辞した。

となり町戦争/ 三崎 亜記 (著)

2005年04月25日 | Weblog
どっかの書評で評判になっていたので買った読んでみた。設定は抜群に面白い、導入部にオッと思わせる所があって先に先にとページは捲らせるが、特に盛りあがるところもなくエンディングを向える。戦争の実態は書かず、さらっとした感じで描くのが作者の意図だろうけど、題材からすればもっと面白本(帯で推薦文載せてる井上ひさしなら1000枚ぐらいの大作で書くだろう)にもなるのだろうがこういうのも中々味がある。多分誰かが映画化するだろう。

Comtes Lafon/Meursault Clos de la Barre1999~第二十五章

2005年04月23日 | ワイン
これから気温が上がってくるととそろそろビールが恋しくなる。いろいろ買い溜めていたワインもこのコントラフォンで一区切り。丸の内のタイユヴァンで購入。色合いは明るいレモンイエロー、香りは左程高くないが、スワリングすると甘い蜜香がたってくる。アルコールっぽさはこなれているのでスイスイ飲める。
単独では少々不満が残るが、料理との相性は抜群だろう。もちろん憂さ晴らしに土曜の朝7時半からめざましテレビを肴に飲む酒ではないね。昨晩は最近週に一度は行く大森の布恒更科へ。岩の井を冷で1合、これが旨い。給料日前で財布が軽いのでツマミは焼きのりだけ海苔を温める為の古風な木製の火桶で供される。今回ここのかけ蕎麦が非常に美味いを発見した。普段は盛りしか食べないが焼き海苔の残ったのを利用して手製の花巻を作って食べようと思って〆にはかけを注文した。海苔と山葵をのっけてコイツを手繰ると、んーイケル。ますますこの店が好きになった。給料出たらまた行こう。

関内 割烹千明

2005年04月21日 | Weblog
朝電車に乗っていると急に気分が鬱になった。環境変化のせいで五月病にでも掛かったのかしら。
早く連休にならないかなぁ。しばらく東京の喧騒から離れたい。たらふく飯でも食って気分転換図るかと
関内の千明へ行ってみる。10年以上前関内に居た頃はよく行っていた店、兎に角量の多さで知る人ぞ知る店。お昼の定食は1人前の値段で3人前ある。天麩羅定食が有名で海老天のてんこ盛りに加えて頼んでもない刺身の盛り合わせが2人前ぐらい付いてくる。久しぶりなので残すと嫌なので比較的量が少なめの刺身定食にする。それでもまぐろの赤身が文字通り山盛りと小鉢が3つ付いて1050円也。最後はちょっときつかった。それでも昔に比べてちょっと量が減ったような気がする。それにしても海が恋しい。

未来のイヴ/L'EVE FUTURE~Villiers deLLsle-Adam

2005年04月19日 | Weblog
前から読みたい読みたいと思ってた19世紀の奇書ヴィリエ・ド・リラダンの「未来のイヴ」を手に入れた。
渡辺一夫訳と齋藤磯雄訳があるが今回買ったのは創元社の齋藤訳の方、旧字かなづかいの古風な訳だけど
格調高いもの。でも今時リラダンなんて殆ど誰も読まない、知らない作家なんだろうね。文庫本なのにえらく値段が高いもの。ホリエモンに象徴される拝金主義の今日此の頃、同じような状況の19世紀フランスで名門伯爵貴族の出なのに極貧の一生を過ごしたリラダンに妙に惹かれる。ところで新しいブログの背景をよくみてたらなんかボヤッとワインボトルが写っていたのをよくみたら人形の絵がなんとなく判る。とすると
それに該当するワインは一つしかない。ブシャール・ペール・エ・フィスのBeaune 1er Cru Grèves – Vigne de l’Enfant Jésus 「幼子のイエス」と呼ばれる有名な奴だね。飲んだ事は無いけど。

キアヌ・リーブス/「コンスタンティン」

2005年04月16日 | Weblog
TOHOシネマのレイトショーでキアヌリーブス主演のコンスタンティンの初日を観た。なんと言ってよいか判らない映画だった。仏教徒にはイマイチ背景がわからん。続編を最初から意識して作ってあるので最後まで観ても色々??の部分が残った。でも全国禁煙団体からとORISの推奨は受けれるだろうね(笑)

土手の伊勢屋/三ノ輪

2005年04月15日 | Weblog
場所は日比谷線の三ノ輪から結構歩いたところにある、いわゆる吉原は目と鼻の先、大通りの向い側を少し入ればそこは大人のディズニーランド?でも正直行った事は無い。何故なら遠くて不便だもん。この店はこんなロケーションなのにいつも行列の絶えない店らしい。今日は天気が良いので散歩がてらに行って並んでみた。やはり開店前だが既に数人の待ち客が居た。30分ほど並んで店内へ、天丼はイ,ロ,ハと有るがどうせなら一番上等なハを注文、ついでになめこ汁とお新香も頼む。名物のどんぶりからはみ出る程天麩羅が載った丼が五分程で出てきた。ご飯がみえないぐらい天種が載っているので少し蓋に天種を分けて食す。江戸前のごま油の香りが効いた天麩羅は見た目程は重たくない。丼ツユは辛めでボリュームはあるが割とスイスイ入る。後で胸焼けするかのなと思ったがそうでもなかった。でも三ノ輪くんだりまで来て長時間並ぶほどの価値は見出せなかった。別の用事に来たついでに腹ごしらえするつもりなら悪くないけどね。昨晩のどっちの料理ショーでここの姉妹店の蔵前いせやというのが出ていた。値段はそちらの方が安いみたい。

安曇野/世田谷太子堂

2005年04月14日 | Weblog
文字通り三寒四温のような天候が続く。新しいワインも2,3仕込みたいがホリエモンや北尾の馬鹿タレのお陰で余剰資金も出来ないのでしばらくお預け。体調がいい加減なことで調子に乗って昨年末以来に飲み捲くってたツケが出てきそうな雰囲気なので肝臓の事も考えてしばらくセーブしようと思っているところ。本日は以前から気になっていた店が三茶にあったので田園都市線に乗る機会に立ち寄った。まあ東京にはよくある雰囲気の洗練された感じの蕎麦屋さん。鴨関係のつまみが充実しているとの記事があったので鴨せいろを大盛りで頂く。そば自体は標準レベルかな。蕎麦湯用に別に空の猪口を出してくれるのは気が利いている。蕎麦湯を飲むのは絶対だが、余ったツユを蕎麦湯で割っただけでは濃すぎて飲めない。好みの味加減に割って楽しみたいのでこれは助かる。鴨はまあまあ普通、量は少し多い目だがつくねは無し。んー再訪はしないかな。

シャトー・メルシャン 甲州2004 きいろ香(か)~第二十四章

2005年04月13日 | ワイン
甲州の新しい可能性としてのシャトーメルシャンがボルドー大学と共同開発した甲州きいろ香を買って飲んでみた。なんでも従来香りが少ないとされていた甲州種にグレープフルーツ様の香り(3-メルカプトヘキサノール)が含まれていることが発見されて、収穫時期を管理することでその香り成分が最大になるように
醸造したモノ。但し中央葡萄酒で聞いたところこの成分は葡萄の実が完熟すると消えてしまうのでその前に収穫してしまわなければならないそうだ。従って香り成分はいいとしても他の要素はどうかという疑問が残る。実際飲んでみると確かに最近よく飲んだ甲州とは少し感じか違う。だが正直関心するほどのモノではなかった。グレイス甲州の方がワインとして上等だと思う。話題性という意味では良いのだが。

NHK教育「トップランナー」司会:山本太郎 本上まなみ ゲスト:渡辺明

2005年04月10日 | Weblog
gooプログのランキングに渡辺竜王のブログが上位にあって、よく覗いていたらNHKのトップランナーに出演するとの告知があった。一般観覧出来るとのことだったのでNHKに申し込んで置いた収録が今日あった。羽生以来の中学生プロ誕生で当時FRIDAYなんかにも取り上げられていたが、その後あまり名前を聞かず順位戦でも苦労しているようなので伸び悩んでいるのかなと思っていたら、昨年急に表舞台に出てた感じだ。王座戦では羽生に2-3と惜敗したが昨年末に将棋界の最高賞金額を誇る竜王位を森内名人から奪取していきなりトップに踊り出た。おまけに20才で出来ちゃた結婚もして話題を振り撒いた。将棋界では過去中学生でプロになった人間は3人いて何れも名人になっている。(加藤一二三 谷川浩司 羽生善治)つまり彼は名人にならなきゃいけないような使命が課せられているみたいなものである。彼の将棋はあまり知らないけど一度肉声を聞いてみたかったので収録が楽しみだった。司会は山本太郎と本上まなみで、約2時間の収録時間だった。MCの二人はさすがNHKの番組なのか将棋の事は多分全く知らないのだろうけど事前にかなり予備知識を入れて収録に臨んでいるのが解かって好感が持てた。渡辺君は風貌は落ち着いているが中々鼻っ柱の強そうな所もあり、ファンの事を大切にしている気持ちも伝わってきて今後将棋の方も注目してみたい。残念ながら席が抽選で後ろの方だったのでTVには映らないだろうな。でも本上まなみは吃驚するぐらい綺麗だった。彼女幾つになったんだろう?確か中年のおっさんと結婚して人妻のはず。収録でもそんな事を少し話していたが、メイクとライトの加減もあるのだろうがCMや雑誌でみるよりは数倍美人だと思う。今日の渋谷は日曜日で人が溢れていたが彼女レベルの美形はそうそう歩いていないよなぁ。放送は5月8日の午後7時からNHK教育であるそうだ。

コントラフォン/ムルソークロドバール1997~第二十三章

2005年04月09日 | ワイン
コント・ラフォンのモノポール、村名だが1級並の扱いを受けるクロ・ド・バール、97年のラフォンはとても
評判の年。現在市価で二万円チョットするが友人が購入時の価格で譲ってくれたので随分安かった、それでもラフォンだから一万以上はしたけど。色は金色、香りは思ったほど高くない。味わいはマッタリした感じ。アルコールっぽさは殆どない。すこしピークを抜けた感じがするのは気のせい?昨夜は最近週末の定番にしている布恒更科へ行く。
暑いくらいなので〆張鶴を冷で1合、ツマミはごぼう天をヌキで頼む。これが大層宜しい。ここは天種が充実しているが天もりを頼むと蕎麦と天種のつけ汁がちょっと合わない気がしたので、天ぷらはヌキにして、蕎麦は別注にしてみた。季節の変わり蕎麦でイタリアンパセリ打ちという珍しいのがあったのでこれを〆に
頼んでみた。更科蕎麦にイタリアンパセリを打ち込んだもの、へぇーと言う感じだった。明日は何かと話題のNHKにいって「トップランナー」の録画に参加予定。ゲストは渡辺明竜王。

『春の雪』が映画化だって!?

2005年04月07日 | Weblog
喫茶店で時間を潰すのはあまり好きではなく、時間があれば始終立ち読みしているが、今日立ち寄った出先で本屋を覗いたら新刊の積み棚に三島由紀夫の『春の雪』が並べられたのでめずらしいなと思って手に取り掛けたら帯の文字が目に入って思わずのけぞった。妻夫木聡、竹内結子主演行定勲監督で映画化決定、今秋公開とあるじゃない。行定マジかよ、『北の零年』に続いて三島作品とは、まさか一作目が好評だったら『天人五衰』までシリーズ化なんて事はありえんわな。春の雪だけは舞台化された事もあるらしいからその路線で脚本作るのだろう。但しそれじゃ全くつまらん。せめてエンドクレジットには豊饒の海(一)完といれてくれないとね。高校生の夏休み『豊饒の海』を二日かけて徹夜で読んだことを思い出す。それから折りに触れて10回ぐらいは読み返したかなぁ。最初の頃は『奔馬』と『天人五衰』の冒頭の海の描写が好きだった。その頃は『春の雪』と『暁の寺』の後半部分があまり好きではなかったが、その時々で好みは変ったりした。この作品は三島畢生の大作だが非常に評論家連中からは受けが悪い。輪廻転生についての衒学的部分は特に批判されている。最終巻の『天人五衰』の中盤は三島の現実的な生に追われて作品の完成を急いだ事情がありどうしても端折った感じがあり物語が未消化なところがある。それでもこれだけの作品を残せた作家はそういないんじゃないかな。没後三十五年経って、その間事件の方ばかり関心が寄せられとても正当な評価を受けてきたといえない三島作品が今回の映画化を機に再評価されるといいのだが。とにかく45年の生涯で長編、中篇、短編であれほど沢山の作品を残したのはこの人以外いない。好き嫌いは別にして天才作家というのは日本においては三島にだけ相応しい称号だと思う。そういえば文学好きで売っているサトエリがどこかの雑誌のコラムで豊饒の海を取り上げていてホぉーと思った。

「義経」と親子丼

2005年04月05日 | Weblog
タッキーの演技力が云々されているが今年の大河は中々面白いと思う。毎週観ている大河なんて何年ぶりだろうか。義経が清盛に親子の情を思うなんて無茶苦茶な設定には納得できないがね。先週の放送でいよいよ「源氏揃」の巻まできた。これからが漸くの治承・寿永の乱の始まりといったところか。
最近、親子どんぶりを2ヵ所で食べた。神田の伊勢ろくと東京駅のどんぶり子だ。どんぶり子は「鶏繁」がプロデュースする店。どんぶり子は正直イマイチ。伊勢ろくはとても美味しかった。「玉ひで」よりこちらの方が上をいくと思った。値段は御手頃だが鶏肉はこくがあり玉子もふわふわだった。また行こう。