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Tsukuba Scientific, Bridge Seminar

ブリッジゼミナール公式ブログ。コメント・討論歓迎(システム自由。ゼミナール共通システムはハーディ式2/1)

Q&A 4    3枚サポートのスーパーアクセプタンスは有害ではないか?

2011年11月22日 | Weblog
Q6.ノンバルでパートナーが1NTオープンしたが,弱い手だったので5枚持っている2Sでプレイさせるために,2HとJTB(ジャコビーTRF[トランスファー])したら,予定の2Sでなく,ハーディ式のスーパーアクセプタンスで3Dが返って来たので,やむを得ず3Sをビッドした.結果は1ダウン.JTBの目的と反するので止めるべきでは?

A.No.

その反対で,統計的には得をする.

主な利益は,このビッドによってのみ,レスポンダーが7-HCP以下で,メジャー8枚フィットの場合のゲームを発見できること.

主な損失は,レスポンダーが2Sにしたいと思って居た所が,3Sに上がってしまったことでダウンしたり,一つ余分にダウンすること.

この問題のカギは,後者の確率が,多くの人が漠然と想像したり,なんとなく「体得」しているつもりになっているよりも,相当に小さいことにある.

〔解説〕(理由をもっと知的に詳しく知りたい人のために)
ハーディでは,メジャー8枚フィットが有る場合,パートナーと合わせて①22HCP以上なら無条件で(13+~と9+~のバッド・リミットレイズの後),または②20HCP以上でサイドスーツに絵札フィットがあるときには(15+~と5+~のヘルプスーツ・ゲームトライの後),4台ゲームをビッドする約束である.ゲームはマッチポイント採点でさえも出来目50%以上で正当化されるものだし,その場合3台がダウンする可能性は,分析には事実上影響しない.

3枚のスーパーアクセプタンスはヘルプスーツ・ゲームトライと類似のビッドなので,②の類推で,オープナーの17HCPに対してレスポンダーが3HCP有るときには正当化できる.無論同じ20HCPでもレスポンダーが弱過ぎるという批評は一応成り立つが,今の場合には弱い方が切り札を5枚持っていることで,通常の不均衡な手よりプレイしやすい.百歩譲って,いや1HCPだけ譲って,4HCPも有れば,十分であろう.

残る問題は,貴方や貴女がJTBをビッドしてオープナーを悲劇から救おうとするときに,普通は何HCP持っているかである.

確率的には,5+~7-(オープナーに17HCPあるから①に相当)が最も多く,ついで3+~5-(②に相当)が多い.†

0~2HCPしかないということは稀現象であり‡,その場合には敵方に高いパートスコアや,ときにゲームさえも見込まれるから,今度はスーパーアクセプタンスに,ゲーム誘いでなくシャットアウト効果が出てくるから,別の意味で正当化される.

以上の得失の比較は,ハーディを信じる限りマッチポイントでも成り立っているが,ゲームの価値が高いIMP採点ならば,勿論さらに大きな差になる.


† オープナーが16(±1)HCPなので,レスポンダーは,残り24HCPの1/3である8HCP持っている確率が一番大きい.確率分布は8を頂点とした山型(ヒトコブラクダ型)になるから,8に近い程確率が大きい.

‡ もし貴方や貴方がいつも殆どHCPの無い手でJTBをして居るとすれば,余程運が悪いのだろう.自分にはいつもHCPが多く来ないと信じる被害妄想の人はブリッジをしていないであろうが,ハーディの3枚スーパーアクセプタンスの反対論者は,弱い手でJTBをして成功して来たことの自信に満ちていることが多い.この人達は,(特攻隊風の戦法の愛好家のように),一見悲観的に見えるが,そうではない.むしろ,5+~7-HCPでしばしばゲームを見逃して居ることに気がつかないほど楽天的なのだ.

(次回につづく)

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