徒然なるままに修羅の旅路

祝……大ベルセルク展が大阪ひらかたパークで開催決定キター! 
悲……大阪ナイフショーは完全中止になりました。滅べ疫病神

Dance with Midians 22

2014年11月09日 13時16分47秒 | Nosferatu Blood LDK
 だが――ここ数日の彼らは異様だった。もともと異様だが、それに輪をかけて異様だった。誰も彼もがアルコールと煙草の臭いに加えて、血生臭い異臭を漂わせる様になったのだ。ふたりの体を押さえつける力が、異様に強くなった気もする――それだけでなく、回数が大幅に増えた。  それに――電燈の光のせいなのかどうか、彼らの瞳が紅く光っている様に見えるのは気のせいだろうか? 「坂ちゃんよ、なんでこいつら喰っちまわねえ . . . 本文を読む
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Dance with Midians 21

2014年11月09日 01時02分21秒 | Nosferatu Blood LDK
     *    そこはボウリング場だった。正確に言うと、ボウリング場の廃墟だった。  柱の向こうからレシプロエンジンの駆動音が聞こえてきているのは、どこかから盗んできたものらしい発電機の駆動音だった。廃墟同然のこの建物の中で夜中に照明が確保出来ているのは、その発電機のお蔭だった。フレームを備えたホンダのレシプロ発電機が配電盤近くに置いてあり、周りにいる連中の中に電気に詳しい者がいるのか、その発 . . . 本文を読む
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Dance with Midians 20

2014年11月09日 01時01分51秒 | Nosferatu Blood LDK
     *    片腕を切断された敵がぐるぐると獣じみたうなり声をあげながらかがみこんで、仲間が取り落とした移植鏝を拾い上げた。もうひとりは九-六-四で倒されたときに手放した小刀の代わりに床の上に転がっていた大型の円匙《ロパタ》を拾い上げて、長剣よろしく正眼に構えている。破壊してやった肘関節は、完全に治癒しているらしい――このぶんでは九-六-四を決めたときにへし折ってやった肋骨の痛みで、動きが鈍 . . . 本文を読む
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Dance with Midians 19

2014年11月09日 00時47分24秒 | Nosferatu Blood LDK
 なにも考えずに大ぶりで振りかぶった長剣の鋒が、天井をこすって火花を散らす――やはり素人だ。自分の得物の長さも、天井の高さも考慮していない。  相手が一瞬動きを鈍らせた隙に、ヴィルトールは半端な速度で振り下ろされてきた長剣を手甲で払いのけた。同時に左手で剣の柄を握った左手首を捕り、空振りで握力の鈍った一瞬の隙を衝いて柄から左手を引き剥がす。  ヴィルトールは捕まえた左腕を自分の胴に引きつけながらそ . . . 本文を読む
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Dance with Midians 18

2014年11月09日 00時46分55秒 | Nosferatu Blood LDK
     *    暗闇の中でおのずから輝く、真紅の瞳がこちらを捉える――ゲオルゲと同じだ。  手になにか、短い棒状のものを持っているのが見えた。おそらく短い馬用の鞭かなにかだろう――だがそれでさえも、十分な速度と適切な角度を以て振るえば木板くらいは斬り裂ける。  だがどうでもいい――目の前にいる相手の動きは、明らかに素人のそれだ。ゲオルゲと同じだ。動きは俊敏で力も異常に強いが、それだけだ。  敵 . . . 本文を読む
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Dance with Midians 17

2014年11月09日 00時46分36秒 | Nosferatu Blood LDK
     4    ライル・エルウッドから電話がかかってきたのは神田が帰ってから数十分後、夕食の食器を洗おうかとキッチンに足を踏み入れたときだった。  キッチンカウンターの上に置いてあった携帯電話を取り上げ、通話ボタンを押し込む。 「もしもし」 アルカードの部屋には、普通に使える固定電話が無い――ヴァチカンの総本山や大使館と連絡を取り合うのに使う秘話回線の電話はあるが、それだけだ。それ以外は軍用の . . . 本文を読む
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