徒然なるままに修羅の旅路

祝……大ベルセルク展が大阪ひらかたパークで開催決定キター! 
悲……大阪ナイフショーは完全中止になりました。滅べ疫病神

Vampire Killers 30

2014年10月12日 23時59分50秒 | Nosferatu Blood
     *   「――ッ!」 自分の悲鳴で、フィオレンティーナは目を醒ました。隣に座っていたリディアとパオラが、気遣わしげな表情でこちらを見ている――アイリス・エルウッドも驚きを隠せない表情でフィオレンティーナを見つめていた。アルマも母親の膝の上で目を醒まして、目を瞬かせながら不思議そうにこちらを見ている。 「大丈夫、フィオ? すごい汗よ――ひどくうなされてたから何度も起こそうとしてたのに、全然 . . . 本文を読む
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Vampire Killers 29

2014年10月12日 23時37分57秒 | Nosferatu Blood
     *    ぱきぃんっ――金属の砕ける長く響く音とともに、手にした長剣が半ばから叩き折られた。  刃毀れと血脂でぼろぼろになった長剣の剣先が、くるくると回転しながら宙を飛ぶ。砕けた鋼の細かな破片が宙を舞い、室内の蝋燭の弱々しい明りを反射してキラキラと輝いた。だがその絶景も、一瞬のこと――  ろくに手入れも出来なかった長剣がそれでもそれまで武器として役立っていたのは、ひとえに剣匠が素晴らしい . . . 本文を読む
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Vampire Killers 28

2014年10月12日 23時37分30秒 | Nosferatu Blood
     †    シスター舞が扉を開けて宿舎の玄関から顔を出したのは、約二十分後のことだった――どうやら決着がついたのか、エルウッドの千人長《ロンギヌス》の槍を担いだアルカードだけが、リング代わりの結界の中に立っている。  彼は吸血鬼《ヴァンパイア》であるにもかかわらず平気な顔で千人長《ロンギヌス》の槍で肩を叩きながら、無造作に右手を頭上に振り翳した。まるで図ったかの様にその手の中に落下してきた . . . 本文を読む
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Vampire Killers 27

2014年10月12日 22時13分56秒 | Nosferatu Blood
     †   「Aaaaaaa――lalalalalalalalalalalalalalie《アァァァァァァ――ララララララララララララァァァァィッ》!」  咆哮とともに、アルカードが塵灰滅の剣《Asher Dust》を鋒が地面を掠める様な低い軌道で振り抜いた――塵灰滅の剣《Asher Dust》の鋒が弧を描く様にして地面を削り取り、掬い上げられた土塊が宙に巻き上げられる。  そのときにはすで . . . 本文を読む
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Vampire Killers 26

2014年10月12日 22時13分22秒 | Nosferatu Blood
     †    咆哮が教会敷地に響き渡る。エルウッドがアルカードのほうに向き直ったときには、フィオレンティーナを突き倒したアルカードは二方向から襲い掛かる双子に向かって地面を蹴っていた。  わざと後手に廻ってリディアの繰り出した撃剣聖典の一撃を遣り過ごし、振り抜かれた撃剣聖典を塵灰滅の剣《Asher Dust》で弾き飛ばす。一度にふたりを相手にする以上、鍔迫り合いは命取りだ。  わざと後手に回 . . . 本文を読む
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Vampire Killers 25

2014年10月12日 22時11分47秒 | Nosferatu Blood
     †   「鮮やかな手並みね――さすがは師匠」  聖典撃鎖の鎖で絡め取られ、そのまま簀巻きにされたパオラが地面に転がっている――先ほど投げ棄てた塵灰滅の剣《Asher Dust》を拾い上げて彼女のかたわらに歩み寄り、その鎖を切断しているアルカードを見ながら、妻が惚れ惚れとした口調でそうつぶやくのが聞こえた。  その背中を躊躇いがちに見つめていたリディアが、法衣のスカートについたアルカードの . . . 本文を読む
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Vampire Killers 24

2014年10月12日 00時10分43秒 | Nosferatu Blood
     †   「……え」  波に洗われて崩れてゆく海辺の砂山の様に術式を分解されて消滅してゆく獄炎尖鎗《ゲヘナフレア・ランス》を目にして、パオラが間の抜けた声をあげる。 「……ふむ。魔術の技能はなかなかだ」 技術面はなかなか悪くはない、と思う――術式を読み取る限り、師はブラックモアなのだろう。彼の扱う魔術の癖に近いものが随所に読み取れるが、独自のアレンジも加えられている。  技量は悪くない―― . . . 本文を読む
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Vampire Killers 23

2014年10月12日 00時10分06秒 | Nosferatu Blood
     †    時差ぼけのせいだろう、仔犬たちを相手にあれだけはしゃいでいたアルマは今はすやすやと寝息を立てている。愛娘をソファーに寝かしつけて、アイリス・エルウッドは宿舎の玄関から外に出た。 「お嬢さん、封剣聖典で結界を張ってくれ。近隣の住宅に迷惑をかけるわけにはいかないからな」 アルカードがフィオレンティーナにそう声をかけている――少女はおとなしく従って、教会の周囲に大規模な結界を張りめぐ . . . 本文を読む
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Vampire Killers 22

2014年10月12日 00時08分57秒 | Nosferatu Blood
     *    『主の御言葉』に到着したのは一時間半後のことだった――教会の駐車場にジープ・ラングラーを止め、アルカードが車から降りる。彼は車体後部に廻り込むと、バックドアを開けてラゲッジスペースで寝転がっていた三匹の仔犬の頭を軽く撫でた。  アルカードはしばらく教会の建物と犬たちを見比べてから――連れて行っていいものかどうか思案しているらしい――結局連れて行くことにしたらしく、仔犬たちの首輪 . . . 本文を読む
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Vampire Killers 21

2014年10月12日 00時08分25秒 | Nosferatu Blood
 ヴィルトールという名前には、無論覚えがある――リッチー・ブラックモアやライル・エルウッドの出身教室名が、ヴィルトール教室。アルカードがシスター舞に見せたのと同じ、荊の絡みついた剣の徽章を教室章とする、聖堂騎士団最古参の教師が受け持つ教室だ。  フィオレンティーナが聖堂騎士団に入って以降は開催されていなかったために、実際にヴィルトール教師を見たことは無かったのだが。  そしてシスター舞の反応や本人 . . . 本文を読む
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Vampire Killers 20

2014年10月12日 00時07分11秒 | Nosferatu Blood
   *   「七百八十円になります。……はい、ちょうどお預かりします」  くたびれた背広を着た六十前の男性から受け取った小銭を数えてそう告げると、男性客が店の玄関に向かって歩き出す。  今のお客さんには悪いことしちゃったな――フィオレンティーナは憂鬱な気分で彼を送り出した。  どうやらちょくちょくこの店にやってくる常連客のひとりらしい彼のところにコーヒーを持っていったとき、フィオレンティーナは . . . 本文を読む
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