amazonで温度計や湿度計を検索していて、Netatmoのウェザーステーションを見つけた。気温、湿度、気圧、騒音、二酸化炭素濃度の測定が可能。さらに追加モジュールとして、雨量計と風速計、それに屋内設置用の追加モジュール(温度・湿度・CO2)も用意されている。本体は 2013年から国内代理店経由の発売が開始されている。風速計は国内では先日発売が開始されたばかりのようだ。雨量計と風速計を併せて購入すると、価格的には5万円近くになってしまうため、どうするか思案中。他社ウェザーステーションだと雨量計、風速計付きでもっと安くなる。
https://www.netatmo.com/ja-JP/product/weather-station
日本国内での代理店は、フォーカルポイント
http://www.focal.co.jp/products/detail.php?product_id=847
風速計は一般的なプロペラ式ではなく、超音波を用いた本格的なもの。これがかなり魅力的だが、どの程度の精度なのだろうか。
購入したユーザーは Netatmoが用意している地図上にデータを公開することができる。雨量と気温は地図上(Google map)に表示、湿度・気圧・風速は地図上に表示される各ユーザーをクリックすることで確認可能。ただし、風向は表示されないようだ。
地図に表されるほぼリアルタイムの温度や降雨状況、眺めているだけでも非常に面白い。所々とんでもない値を示しているサイトがあるが、これは直射光があたっていたり、農業用ハウス、あるいはペット小屋の中など、特殊な環境を測定しているためかもしれない。近傍の地点と比較して際立って値が異なるような場合(?)は、通常はフィルタがかかるようで、表示されない。
気になる点が一つ。個人宅の位置がそれとなく地図に明示されるのは、嫌がられる場合もあるだろう。そのためか、googl mapの拡大も制限されている。
https://www.netatmo.com/ja-JP/weathermap
地図に日本列島や北アメリカ大陸を表示させると、現在の気温分布をグラデーションで見ることができる。しかも数値も確認できるので、気象庁アメダスより見やすい。雨量は色の濃淡で表されるため、数値を知りたい場合は各ポイントをクリックする必要がある。
さらに Weather Undergroundのサイトには、この Netatmoで観測したデータを一部閲覧可能。Netatmo以外の機器で計測したものも表示されるため、こちらも併用するのがいいかもしれないが、使われている地図(google map)が詳細表示可能なため、個人宅だと位置を特定される可能性がある。
https://www.wunderground.com/
ところで、騒音・二酸化炭素濃度をロギングする用途は一体何なのだろう。開発元はフランスの会社だが、当地ではそんなに需要があるのか。二酸化炭素濃度は密閉性が高い家屋での計測に需要があるのかもしれないが。ログインせずに見ることができる情報は屋外の気温・湿度・気圧、それに降水量に限られるようだが、プライバシーや防犯上の問題が気になるところ。屋内の情報が見えてしまう事態にもなれば、それこそこの時間帯は人がいませんよと言っているようなもの。室内温度も同様か。
日射量や紫外線量、放射線量が計測できるとありがたい。ライブカメラも取り付けられると、内田洋行の気象観測システム "定点の杜" のようなものが安価にできそうだ。そういえば "定点の杜"で現在稼働しているのは、千葉県の3ヶ所(飯岡刑部岬展望館は昨年末から調整中)と京都府京田辺市の1ヶ所だけとなってしまった。愛知県設楽町の観測装置も休止したまま。稼働再開の目途は立っていない状況とのこと。これでは教育用途には物足らないだろう。
北海道など寒冷地の場合、屋外に設置したモジュールの電源はどう確保しているのだろうか。市販のアルカリマンガン電池では -10℃以下の外気に曝されると、電圧低下を起こして動作しないだろう。おそらく単4形のリチウム電池を使っているだろうと思うが、初期電圧が 1.8Vと高いため、故障しないかと気になるところ。-30℃近くにまで下がれば、リチウム電池以外選択肢はないかもしれない。
weathermapを眺めていて、もう一つ気になることがある。ユーザーが都市部に限られ、人口密度が低い山間部ではほとんど計測値が表示されないこと。これは Netatmoだけでなく、Weathernews社が現在実施している花粉観測も同様。weather undergroundも同様で、都市部に限られている。山小屋やスキー場・ゴルフ場・キャンプ場、ホテルなどに設置されていると、もっと観測点が広がるのではと思っているのだが。