
Simon & Garfunkelの作品の中でもおそらく最も有名な曲の一つ。このデュオは同名のアルバムを最後に 1970年に解散するが、曲の後半にベースやドラム、それにストリングスを加えて壮大なエンディングとなっている。あまりにも聴き馴染んだせいか、次第に Garfunkelのボーカルがストリングスに埋もれてしまうような曲の作り方に聞こえ、耳につくようになってきた。
特にリマスターされた CDでレコーディングの初期テイク(ストリングスなし)が聴けるようになってから、さらにその気持ちが強くなってしまった。そんな折り、1969年の Live CDが発売され、音質と演奏のよさでしばらく愛聴していた。まだ未発表だったこの曲に対する観客の反応が非常に大きかったことは、その後の大ヒットを彼らに確信させるものだっただろうと思われる。
動画サイトを見ていると、他のライブ音源がいくつかアップされていて、LP発売後のライブでこの曲を何度か歌っていることがわかった。その中で特に素晴らしいと思ったのが、解散間際のオランダでのコンサート。Concertgebouwでの5月2日のコンサートだが、Paul Simonは歌わず(演奏せず?)、Art Garfunkelとハリウッド出身のピアニスト(おそらく Larry Knechtel)だけの演奏。歌い終わった後の拍手と床を踏み鳴らす音の大きさで観客の感動が伝わってくる。Concertgebouwはクラシックのコンサート会場として有名で、音響が非常にいいらしい。
動画サイトの音源はモノラルだったのが少々残念だが、現在聴くことができる演奏の中では最も良いのではないだろうか。そこで何か新しいライブ音源として発売されているのかと思い検索してみると、オランダの放送局が録音した CDが発売されていた。おそらくソースは同じ音源だろう。
"Tripping Down The Alleyways" というタイトル。先月発売されたばかり。それに1968年のライブCD "Homeward Bound (Radio Broadcast/1968)" も同時期に発売されていた。
正規 CDかどうか怪しい気もするが、とりあえず発注してみることに。
以前 hmvからの案内で、Keith Jarrettの Koln Concertから間もない頃のコンサートの CDが発売されたことを知り、大いに期待して発注したところ、音質も非常に悪く、大失敗。正規盤ではなく海賊盤ようだった。大手の業者でも海賊盤を扱うのだと知った次第。
amazon ukでは mp3のダウンロード販売が行われ、amazon usでは CDが4月に発売されることが書かれていた。そうなると正規盤? 日本版も発売となるのかもしれない。
"Homeward Bound (Radio Broadcast/1968)"については入手できない旨の記述に切り替わっていた。amazon ukではまだ売られているが。
補足:
"Tripping Down The Alleyways"が届く。早速聴いてみたが、テープの経年劣化のためか、一部聞き苦しいところがあった。おそらくマイクの特性だろうが、16kHz以上は減衰して録音されていない様子。また、Bridge Over Troubled Waterを Garfunkelが歌い終わった後の大きな拍手と床の踏み鳴らしが短くカットされていた。やはり2枚組にしてゆったりと聴ける CDの発売も待ちたいところ。
補足:
1968年のライブCD "Homeward Bound (Radio Broadcast/1968)"がようやく届く。早速聴いてみると、かなり音質は悪い。本当にラジオ番組用の収録だったのだろうか。それに圧縮音源からのマスタリングのようだ。やはり海賊盤か。