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ぐーたら専業主婦の引きこもりブログです(笑)

【宝塚歌劇】星組の「ロミオとジュリエット」

2012-11-03 01:36:24 | 宝塚歌劇
すっごい今さらなんですが…

柚希礼音さん率いる星組の「ロミオとジュリエット」、
Youtubeで初めてちゃんと全部観ました

以下、かなりの長文です。ご容赦下さい

一度1人で全部観た後、夫とも共有したくてiPadで一緒に観ました
夫は私と一緒に毎週「カフェブレイク」を観ているので、宝塚には充分免疫アリ
夫も「すごい良かったーーー『エリザベート』観た時と
同じくらい余韻が残る」と絶賛です

「ロミオとジュリエット」はフランス発のミュージカルを、
「エリザベート」や「太王四神記」「スカーレット・ピンパーネル」
「オーシャンズ11」、「銀河英雄伝説」などのヒット作を生み出し続ける
演出家で知られる小池修一郎氏が潤色・演出を手掛け、
宝塚バージョンにアレンジされたモノです

この星組が初演ですが、その後は雪組、月組で再演されるほど
超人気演目となりました

元々「ロミオとジュリエット」のストーリー自体は、あまり好きじゃなかった私…
シェイクスピアの原作は比喩表現が難解で頭になかなか入って来ないのと、
レオナルド・ディカプリオの映画を観ても、なんだか全てが軽はずみで、
短時間で恋に落ちて結婚までするのにリアリティを感じられず、
若気の至りって言うか、あまりにも刹那的で短絡的、衝動の連続、
早とちりで犬死にして馬鹿みたい…って思ってたり。←ヒドい
でもこのミュージカルで観たら全然印象が違ってビックリ。
難解な表現はカットされ、ぶっちゃけ「ロミジュリ」で初めて涙しました
ストーリー展開で必ず出て来るシンボリックな「死」と「愛」に
導かれ、矢継ぎ早に起こる出来事に妙に納得してしまい、
最後までグイグイ引っ張られた感じです。

で、感想。まず楽曲がどれも佳曲揃い
「Aimer(エメ)」と「Les rois de monde(世界の王)」が有名だそうで
フランス人だと知らない人はいないほどのヒットソング
脇役(ジュリエットの両親、乳母、ロレンス神父)にまで
ソロナンバーが用意されているのが本作品の特徴と言えますが、
メロディも基本はロック調、アップテンポ、バラード…とバラエティーに富んでいて、
ぜ~~んぶ名曲

オープニングは抽象的な存在「死(真風涼帆)」と「愛(礼真琴)」のダンス。
「死」は人間同士の憎しみや争い・死の訪れを表し、「愛」は運命の出会いを
導いたり、愛の盛り上がりなどを表しています。ちなみに「愛」は宝塚版で
小池氏が新たに作ったモノだそうです(フランス版オリジナルは「死」のみ)。
「エリザベート」における「愛と死の輪舞」を彷彿とさせますね。
「死」の見た目も何だかトート閣下みたいだし。

モンタギュー家(ブルー)とキャピュレット家(レッド)の
争いからですが、ブルーとレッドの一触即発のせめぎ合いが迫力満点で、
たちまちストーリーに引き込まれます

ロミオは、原作ではジュリエットに出会う前にロザラインに恋していますが、
本作品では、「超モテモテだけど、恋したこともなく、恋に恋するピュアなお坊ちゃん」。
綿帽子をフーーッと吹きながらの登場です綿帽子が似合い過ぎな柚希礼音ロミオ
瞳がキラキラしていて、若さゆえ未熟で脆い部分もあって…
歌も文句なく上手だし、ダンスも言うまでもなく、完璧なロミオです

もう、その他の出演陣もみんなみんな見目麗し過ぎて、目移りしまくり
↓ジュリエット(夢咲ねね)と、ジュリエットの従兄弟ティボルト(凰稀かなめ)。
原作とは違い、ティボルトは密かにジュリエットに恋しています
従兄弟同士の結婚はキャピュレット家における禁忌であるため、
禁断の恋に身を焦がすティボルト…。そしてティボルトは、
実の叔母・キャピュレット夫人(ジュリエットの母)と
不倫関係にある(でもティボルトは叔母の愛を鬱陶しく思ってる感じ)…という神設定
 
このジュリエットがとにかく美しいそりゃ、ロミオやティボルト、
パリス伯爵から愛されるだけあるよね…という納得のビジュアル
そして凰稀かなめティボルトの神スタイルに釘付け
この画像からじゃ分かりませんが、足、長ッッッ舞踏会でのダンスシーンも惚れ惚れ

↓「世界の王」のナンバーではしゃぐ、モンタギューのロミオ(柚希礼音)、
ヴェンボーリオ(涼紫央)とマーキューシオ(紅ゆずる)。そして「死」を演じる真風涼帆。
紅君、歌わなかったら最強。そして歌わない真風涼帆、めっちゃ最強
 
「世界の王」での若いエネルギー溢れるはしゃぎっぷりが、
後の悲劇を一層引き立てます。

舞踏会の場面。とにかく見ている側も忙しい。この一場面で、
パリス伯爵をジュリエットから遠ざけようとするティボルト、
パリス伯爵から必死で逃れようと群衆に紛れようとするジュリエット、
舞踏会に潜入し、ロミオに「マスクつけろよーー!!」と促す
ヴェンボーリオとマーキューシオ。
舞踏会で次々に女性を弄びたらし込んで行くヴェンボーリオ&マーキューシオ、
パリス伯爵を殴ったりしている間にジュリエットの姿を見失って焦るティボルト、
そうこうしているうちに恋に落ちるロミオとジュリエット…
の様子が全部セリフ無しのダンスで表現されていて、どこ見ようか迷っちゃいます。
夫は「恋に落ちるの早過ぎないか?」と野暮なコメントしてましたが…
超イケメンと絶世の美女が出会ったんだから一目惚れして当たり前、
出会うべくして出会った運命の恋人なんだわ…と2人の美しさに納得。↓
  
この舞踏会終盤、鶴美舞夕による素晴らしいバトン技も一見の価値アリです

↓ロミオとジュリエットが仲良く一緒にいるのを発見したティボルト、
ロミオのマスクを引っぺがし、「ロミオが侵入している!!」と気付きます。
「ジュリエットにちょっかい出していた!!」と嫉妬。ああ…神構図

正体がバレた以上、敵方の舞踏会に長居できる訳もなく、一度退散するも、
どうしてもジュリエットに会いたくて危険を承知でジュリエットに会いに行くロミオ。
↓これが有名なバルコニーの場面。「どうしてロミオなの」というくだりもあります
   

ジュリエットの乳母が勇気を出してモンタギューのロミオに会いに来て、
マーキューシオやヴェンボーリオにいじめられる
「Les beaux, les laids(綺麗は汚い)」も名曲!

争い合うモンタギューとキャピュレットの貴公子と令嬢、許されない恋…
そしてジュリエットは今にもパリス伯爵と結婚させられそう…という二重のハードルを
乗り越え、ロレンス神父の仲立ちで結婚式を挙げる二人。
ハードルが壮絶過ぎて、昨日出会ったばかりのハズの二人なのに、
幾多の難を逃れ「ようやく」結ばれた長年の恋人同士かのように錯覚してしまう
何度聞いても心が震える壮大なバラード「エメ」…
フィギュアスケートの高橋大輔も大好きな曲だそうです。
 
照明を抑えたセットにキャンドルの灯りがポツポツ、キリストの十字架が
真ん中に浮かび上がり、美しい2人がまるで宇宙の中にいるような
幻想的なシーンにウットリ…。ここで一幕終了。

二幕では、敵対していた家同士の者が結婚!?ってことで、
噂があっという間に広がっていて、波紋を呼ぶ…という描写からスタート。
(原作では2人の結婚はそんなにすぐに知れ渡らない)

モンタギュー家では、ヴェンボーリオやマーキューシオは
古い価値観や植え付けられた憎しみに囚われ、
「もう友達じゃない」と言い出します…。そしてナンバー
「On dit dans la rue(町に噂が)」に突入。

↓んで、キャピュレット家でも…「ジュリエットをロミオに奪われた!」ってことで
復讐に燃えるティボルト。ここのナンバー「C'est le jour(今日こそその日)」も
大好きな曲のうちの1つです。凰稀かなめティボルト、色気ダダ漏れでヤバい
キャピュレット夫人が夢中になるのも解ります
ドスのきいたシャウトでワイルドさ全開なのに色気もあって、
報われない恋に苦しむティボルト…無敵の魅力です
あまりにもこの場面が好きで、画像ちょっと多いですがすみません
「教会で2人を目撃したのはお前か!!」と胸ぐら掴み、相手が「は、はい…」と
答えるとボカッ!!と殴り飛ばす…不条理だけどワイルドさがたまらない
そして「C'est le jour」では
「♪初めて女を知ったのは15の夏だった♪
♪ブロンド、ブルネット、あらゆる類の女を抱いて来た♪(すみれコードぶっち切り
♪ただ1人触れられぬ その名はジュリエット♪」と歌いながら、
キャピュレット家レッドチーム娘っ子達と絡むダンス。
娘っ子達のダンスもティボルトの色気ムンムンぶりに拍車をかけています
  
それだけに、彼にとってはジュリエットは特別な存在であり不可侵な聖域だったと。
「♪従兄弟同士の結婚は禁じられたキャピュレットの掟♪
♪忘れようと藻掻き続け禁断の恋に悶え続けた♪
(中略)♪ロミオの屍を前にしてジュリエットに告白しよう♪」ロミオを
殺してやる、と心に誓います。ジュリエットへの深い強い愛が、ロミオへの殺意を駆り立てる。
真に迫っていて、狂気もはらんでおり目が離せません
 
やっぱりこの人スタイル神だわ

↓そして…マーキューシオがティボルトを挑発し、争いに発展する場面まで。
ティボルトのこの目が素敵
  

  

ティボルトとマーキューシオの間にロミオが割って入り、
マーキューシオはロミオの腕の下から脇腹を刺されます
最期に「ジュリエットを愛し抜けよ…全身全霊で…
さらば友よ、別れの時だ…」と言い、絶命
この場面は夫も涙。←涙もろい
それにしても…どう贔屓目に観てもマーキューシオの歌だけが残念。
歌のせいで、何をしてもマーキューシオが3枚目に見える…。
この時マーキューシオ演じる紅ゆずるは5番手ぐらい。
夢乃聖夏さんがバウ主演をしていたので。5番手じゃ仕方ない気もしますが、
「オーシャンズ11」では飛躍的に歌が上手くなっていて、
なぜその実力をロミジュリで出せなかったのかと悔やまれる。カフェブレイクでは
「マーキューシオの時は自分で自分の歌を”ダメだこりゃ”と思った」と
言っていた紅君。「オーシャンズ11」では敵役のテリー・ベネディクトに抜擢され
一気に2番手に浮上、自覚とプレッシャーもあって相当努力したんだなぁ…。
歌に関しては課題の残る紅マーキューシオですが、
キレっぷりが良い!!若者のエネルギッシュな感じがよく出ていたと思います

親友を殺されて逆上したロミオはティボルトを殺してしまう。

自分のしたことの重大さに、我に返ったロミオは「うわぁぁぁん!」と
泣きながらその場から走り去る。このあたりもピュアで未熟な可愛いロミオが出てます。
この後の「Quel est le prix?(代償)」のナンバーではロミオを
ヴェローナの街を永久追放するという裁きが下されますが、これまた名曲
ロミオは、夜明けまでに街を出ろと言われてしまいます…。
さっき結婚式挙げたばっかりなのに
ロレンス神父の元へ駆け込み、クスンクスンと泣いて「涙をお拭き」と
諭されるロミオが可愛い…母性本能くすぐられまくりです。

ロレンス神父や乳母に励まされ、街を出る前に乳母の手引きでジュリエットに会いに行き、
初夜を迎える2人。朝を告げる雲雀のさえずりが残酷に響き渡る…。
裁き通り、もう街を出て行かなくては…
 
これまで私は他の「ロミジュリ」作品を観ても、「なぜこの人達はこんなに朝が
来るのを嘆いているのか?」と不思議に思っていました(理解力がなさ過ぎ)
2人が優しく抱き合っている姿が美しくて切なくて儚なげで…
あれは(雲雀じゃなく)ナイチンゲールよ、夜はまだ続くの。私と一緒に暮らすのよ…と
歌うジュリエットの愛らしく健気なこと…
2人にとっての朝がこんなに悲痛なものだとは…ここでも泣けて来ました

ロミオが立ち去って早々、ジュリエットは「明日にはパリス伯爵と結婚式だ」と
告げられる…。これまた展開早っ。つーかロミオと離婚が成立してないのに重婚って…
この「Demain(明日には式を)」も好きなナンバーです。
パリス伯爵は単に「わぁーいっ」と喜ぶだけ…パリス伯爵だけが平和で呑気。
ジュリエットは思わず「お母様は自分の夫を愛したことないって言ったじゃない!!
私はそんな妻になりたくない、私はロミオを本気で愛してる。あなた達には分からないでしょ」とポロリ。
焦るキャピュレット夫人、「冗談だろ…」と妻を見るキャピュレット卿…。
ジュリエットよ…それはここで言っちゃいけないだろう…
若くて未熟って残酷で罪作り…
  

この後は…まぁあまりにも有名なのでストーリー展開は割愛しますが…
ロレンス神父から、ジュリエットが単なる仮死状態である、と知らせる手紙を
届ける使者が遣わされますが、真風涼帆演じる「死」によってロミオに手紙届かず。
ヴェンボーリオからジュリエットの死の知らせを聞いたロミオは絶望し、
薬売り(これも真風の「死」が扮している)から最も強力な毒薬を購入。

↓霊廟にて。ジュリエットが本当に死んでいると思い、ロミオは服毒し絶命。
そのすぐ後で、仮死状態から目覚めるジュリエット…タイミング悪すぎ…
 

↓目覚めたジュリエットは、ロミオに「来てくれたのね…!」
ただロミオが寝ているだけだと思い込んでいて、「2人で生きて行けるのね」と
夢見心地で歌う。ああ…ここからがもう最大の泣きポイントでした…
ロミオは…ロミオはもう死んじゃってるんだよーーー
 

↓そして、ロミオの心臓が止まっていることに驚愕し嘆き悲しむジュリエット。
自らも死のうと「唇にまだ毒が残ってるかも…」と口付けするが、「残ってないわ…」と
ロミオの胸にうなだれ、「パラダイスに先に行ったのね…」とロミオの腰のナイフで
自らの心臓を一突き…絶命。
  
この後のロレンス神父の「Je sais plus(何故)」も名曲です。
そして、2人の愛と死がもたらした、両家の和解。
感動的なシーン…泣きポイントが多くて困る


ここからは宝塚オリジナル、天国で結ばれたロミオとジュリエット。
幸せそうなデュエットダンスに、悲恋だけど少し救われる気持ちになります。
「うたかたの恋」の結末と一緒ですね。ちょっと現実的じゃないかも知れないけど、
これぞ宝塚!!で私は好きです。だって、いくらヴェローナの街に
平和をもたらしたからって、死んでハイ終わり、じゃ救われないもの…
 
こうして見ると本当に恋人同士みたいです、柚希礼音&夢咲ねねコンビ。
 

これが大劇場公演だったらな…と一抹の不満はありますが、
当時の星組メンバーでは、紅ゆずるにマーキューシオ、
真風涼帆に「死」で配役するのには選抜メンバーで全国ツアー(?)で
やるしかなかったのでしょう
今度は大劇場で再演とかされないかな…今度は紅ゆずるがティボルトとかで

ああーー興奮してしまって長文お許し下さい…。
ここまでお付き合い下さった方、ありがとうございました
耳に残る数々の名曲のメロディ…しばらくは頭の中をリフレインし
ロミジュリの余韻に浸っていることでしょう

宝塚をまだ観たことのない方は、ぜひ初見なら「ロミジュリ」オススメです
有名な作品だけに、入りやすいし抵抗も少ないかと。
(他には「スカーレット・ピンパーネル」や「エリザベート」も初見の方にはオススメ

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2 コメント

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Unknown (はじめまして)
2015-03-04 22:16:43
すみれコードそんなに厳しくないですよ(^-^;

これくらい全然許容範囲です。
外部の舞台ならもっとすごい言葉飛び交ってます。
返信する
Re;Unknown(はじめまして) (ボソバユ)
2015-03-05 22:59:38
はじめましてコメントありがとうございます
外部の舞台をあまり見ないので知りませんでした~
ニコニコ動画にこの場面の動画が投稿された時に
「すみれコードぶっちぎり動画」てハッシュタグを付けてた人がいたので、つい
外部の舞台の台詞の言い回しに興味津々です
返信する

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