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sys.pdf の [#11] |
[#11] で信号の線形空間を考えたのは,第3章の信号処理の主要部分が線形だからです.線形空間(ベクトル空間)の定義は [1-6] や sys.pdf (@11) を見てください.x : R → R の集合に対して [#11] のように x1 + x2 や a x1 を定めれば,定義の条件を満たすことが容易に確かめられます.丁寧にかけば,x3 = x1 + x2 とは
∀t∈R , x3(t) = x1(t) + x2(t)
ということです.関数解析はフーリエ級数展開(による熱伝導方程式の解法)から始まったと言われています.単位ベクトルは正弦波です.三角関数は測量やモータに限らず,工学の多くの分野に応用されています.信号処理で考える空間は主として [1-9] のヒルベルト空間になります.
付録(@12&)の標本化定理の説明を修正しました.F は第3章で定義するフーリエ変換の作用素です.作用素を用いた表現 (Sτx)(n) = x(nτ) は ∀n∈Z, y(n) = x(nτ) で定められる関数 y : Z → R を Sτx で表わすという意味です --- Sτx, QδSτx 等に y, w 等を用いると sys.pdf 内で同じ記号が多くの意味で使われることになるので,なるべく避けたい.[#14]で y(n) を用いたのも第3章で x(t) を使いたいためです(^^;).